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  • 2008年10月3日UP!

053 豪華で美しい列車が行き交う鉄道の魅力(砂田光紀さん)

 キュレーターとして幅広い分野について勉強した砂田光紀さん。「博物学というのは広く浅く知識が求められる分野。スペシャリストというよりゼネラリストです」と言います。鹿児島出身、福岡在住約20年という砂田さんに福岡という街はどう見えているのでしょうか。「九州は各県ごとに地域性・文化性のカラーがはっきり分かれています。いわば全体がテーマパークのような場所。その中にあって文化的中枢と言えるのが福岡です。元気があって洗練されていて九州各地の憧れの的。みんなが福岡をめざして頑張っている」

 その象徴のひとつが豪華で美しい列車の数々。「例えば博多駅。あんなに豪華で美しい列車が行き交う駅はありませんよ」。JR九州では早くから列車のデザインに注目し、産業デザイナーの水戸岡鋭治氏を起用するなど、これまでの鉄道のイメージを一新する車両を数多く発表してきました。ブルーメタリックの外観、号車ごとに色の違う座席シートなど工夫を凝らした「ソニック」。真っ白な車体に黒の革張りシートを持つ「白いかもめ」と「白いソニック」。九州の素材や伝統色を活かした九州新幹線「つばめ」と、シックでモダンなインテリアの「リレーつばめ」。砂田さんは「通勤電車でさえ、こんなにかっこいい街はほかにない」と言います。個性に富んだ列車の数々は鉄道マニアのみならず、デザイン業界からも注目を集めています。

 こうした車両には博多の自由な気風やデザイン性の高さを感じるという砂田さん。「普通なら『真っ白な車体は汚れる』といった理由で却下されてしまう。けれども福岡にはそれを許す度量の広さがあります。『汚れたら、また塗ればいい』といったような。また個性的な車両が九州の自然の中では実にきれいに映えるんです。博多は昔から組み合わせ上手でおしゃれな街。例えば山笠の法被も、はっきりしたコントラストで見せる気持ちよさがある。法被も列車も本当によく演出されている。思いもかけないことをスパッとやるのが福岡の魅力だと思いますね」

案内人プロフィール

砂田光紀さん

キュレーター(学芸員)

1963年、鹿児島市生まれ。博物館学芸員を経て独立。各地のミュージアムや公共空間を統括プロデュースする「オフィスフィールドノート」を主宰。著書に『九州遺産 近現代遺産編101』ほか。

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