


音楽が大好きなピースの山下兄弟は時間があると1日中練習しているとか。彼らが練習場所として使っているのが「浜荘」、曽祖父が営んでいたラーメン店だった場所です。そんな山下家で出るのは庶民の味が中心。好きな食べものは「ちゃんぽん、それから鍋ものですね。もつ鍋、水炊き、チゲ鍋、どれも好き。店で食べることもあるけど、いちばん美味しいのは家で両親が作ってくれる鍋です」と2人。今や全国的に知られるようになった博多のもつ鍋や水炊きですが、もともとは店で食べるものというより博多の家庭の味として親しまれていたもの。今でも一般家庭の食卓に登場し、それぞれの家でこだわりの味があることもあります。
もつ鍋は肉体労働をしていた炭坑夫の間で生まれたスタミナ料理。牛や豚の内臓(もつ)を使い、たっぷりのキャベツやニラと一緒に煮込んでいただきます。もつを使うことから値段も安く、野菜もたくさん食べられる健康料理です。1990年代に東京を中心に全国的なブームになりましたが、昔も今も博多では変わらず食べ続けられている郷土料理です。また博多の水炊きは慶応年間にその起源がある料理。もともと皮や骨つきの鶏を味つけしない湯で煮たことから「水炊き」の名がつきました。鶏の旨みが濃縮されたスープはそのまま飲んでも美味しく、白菜やキノコ、シラタキ、春菊などの具材を煮ればさっぱりとしていながらコクのある味わい。鍋ものには冬場の料理というイメージがありますが、博多では1年を通じて食べる料理です。
山下家では路上ライブの後に屋台にもよく行っていたとか。「頼むのは焼き鳥の皮やつくね、豚バラ、それに手羽先。だいたい最後はラーメンを食べて終わります。僕たちのような子どもがいても誰かに絡まれたことは一度もありません。むしろ焼き鳥のキャベツをサービスしてくれたり、ジュースをおごってくれたりします」。博多では屋台もまた家庭の味のひとつなのです。


ピース
アコースティックデュオ
福岡市博多区在住の山下恭信(やすのぶ)・恭長(やすなが)兄弟によるデュオ。アコースティックギターと美しいコーラスで聴かせるサウンドには、懐かしい70年代フォークのテイストが詰め込まれている。(写真右:恭信、左:恭長)