創立80周年を迎えた花畑小学校の校庭には、たくさんの木々が植えられています。ヤマモモ、イチョウ、ツツジ、そして学校を囲むように植えられた桜。
これらの木々は、現在の花畑小学校の校庭が造られた昭和30年ごろから、徐々に植えられました。地域の人が植えた木もあるようです。
昭和33年ごろの花畑小学校
春には桜をはじめ、ハナミズキやツツジの木々がかわいらしい花を咲かせ、夏には緑の葉を茂らせて、子どもたちに涼しい木陰を提供してくれます。秋には、どんぐりやイチョウの実がなり、冬には、来るべき春に向けて静かに葉を落とします。
四季折々に、子どもたちや地域の人たちの目を楽しませ、気持ちを和ませてくれています。
ところが、桜の木の一本に悲劇が!
幹が空洞になり、枯れかかっていました。
おそらく、50年ほど花畑小学校と共に生きてきた桜です。なんとか、救うことはできないのでしょうか。
幹が空洞になった桜の木
そこで今年2月に、木のお医者さん「樹木医」に治療をしてもらいました。
「不定根の誘導」という手法で、空洞になった幹の中に木が苦し紛れに生やした根を育て、3年後にその根を引っ張り出して土に植えるとのこと。
治療中です
治療方法の難しいことはよくわかりませんが、樹木医さんは木の立場に立ち、木と会話する、つまり、木に「どうしてほしい?」と尋ねるのだそうです。
木が本来持つ「生きる力」を一生懸命手助けしてあげることが、樹木医の仕事だということです。
今回の桜の救助について、いろいろとお話しをしてくれたのは、木と会話をする、樹木医で花畑町の町内会長でもある大神邦昭さん(下写真)です。「枯れ木に花を咲かせましょう。僕は花咲か爺さんです」と、笑いながら話ししてくれました。
18年前にも、花畑小学校のイチョウの木の治療をしたことがあるそうです。
治療のかいがあって、夏には緑の葉を茂らせました。
来年の春になるのか、再来年の春になるのかわかりませんが、いつかまた満開の桜の花を咲かせる日が来ますように。
このページに掲載している記事は「みなみ情報発信隊」隊員が取材し、作成したものです。