令和3年度の収蔵は、埋蔵文化財課および史跡整備活用課など発掘調査担当課(埋文課と区分)から搬入・収蔵されたもの26件(本収蔵20件、追加収蔵6件)、センターで収蔵したもの51件(寄贈3件)のあわせて77件でした。遺物量が多かったものとしては、福岡城跡71次の本収蔵・追加収蔵が合計361箱、博多遺跡群216次が288箱、博多遺跡群203次(一部未収蔵)が703箱、などがありました。これらの収蔵の結果、新たにコンテナ2,296箱、甕棺17基が収蔵されました。令和3年度の収蔵数は、令和2年度の収蔵数(コンテナ10,026箱など)に比べて少なくなっていますが、これは令和2年度は九州大学移転事業に関わる元岡・桑原遺跡群42・52次調査などの膨大な資料が一挙に収蔵されたためで、3年度は例年並みの収蔵数に戻ったといえます。写真収蔵数も令和2年度よりも減少していますが、これは上記の理由によります。収蔵総数が特に多い令和2年度を除いて、3年度は令和元年度よりもフィルム写真収蔵数は減少する一方(令和元年度35oネガフィルム184本、35ミリポジフィルム4,653コマ→3年度73本、2,123コマ)、逆にデジタル写真のフィルム写真収蔵数に対する比率が増加して(令和元年度6,156コマ→3年度5,858コマとなっているが、フィルム写真数に比較して多くなった)、デジタル写真への移行が進んでいることが分かります。ただしデジタル写真については、カメラ機種の選定から、デジタルデータの管理、編集、収蔵、保管に至るまで、検討すべき課題が残されています。
令和3年度までにセンターに収蔵された資料は調査2,168件分(追加収蔵、寄贈受入まで含めた収蔵数は3,014件)で、これまでの調査総数2,727件(令和2年度末までの福岡市主体発掘調査数)に対して、収蔵率は約80%です。引き続き、整理・報告作業を行う発掘調査担当課と収蔵作業について連携を図るとともに、センターにおいても仮収蔵資料の整理・収蔵作業を進めていく必要があります。