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更新日: 2017年3月17日

残留農薬・食品添加物の一日摂取量調査

福岡市保健環境研究所では,残留農薬の一日摂取量調査食品添加物の一日摂取量調査に取り組んでいます。


残留農薬の一日摂取量調査

 福岡市では、市民の方が「食の安全安心」を得ることができるように、平成18年度から食品に残留している農薬を、日常の食事からどの程度摂取しているかを調査しています。
調査の方法は、国民健康・栄養調査(注1)による食品の摂取量を参考に、マーケットバスケット調査方式(注2)で行っています。
 検出された農薬については、一日摂取許容量(ADI(注3))と比較することで、健康への影響を評価しています。

 農薬とは、農薬取締法で「農作物等を害する菌、ダニ、昆虫、ねずみ、その他の動植物またはウイルスの防除に用いられる殺菌剤、殺虫剤その他の薬剤および農作物等の生理機能の増進または抑制に用いられる成長促進剤、発芽抑制剤その他の薬剤をいう」と定められています。
 残留農薬とは、作物等を栽培するときに使用した農薬の一部が食品中に残留しものです。人体への安全性などを考慮して、食品ごとに基準値が定められています。

調査方法

 国民健康・栄養調査(注1)の分類を参考にして、食品を表に示す飲料水を含めた14の群に分類し、各群の中から主な食品を選び市場から購入します。この調査では約170種を市内のマーケットなどで購入しました。調理が必要な食品については、通常行われている調理方法(米は炊飯するなど)に準じて調理を行います。次に、国民健康・栄養調査(注1)の北九州ブロックの食品群別摂取量をもとに、各群ごとに必要量(1群の例:米めし約640g、米加工品約8g)を混合して破砕し、均一化したものを試料とします。
 その後、各群ごとに農薬の量を測定し、喫食量から検出された農薬の一日摂取量を求めます。すべての食品群の合計がその農薬の一日摂取量となります。


 
残留農薬の一日摂取量調査における食品群
食品群 食品群名 主な食品
米・米加工品 精白米めし、もちなど
その他の穀類・いも類うどん、パン、じゃがいも、こんにゃくなど
砂糖・菓子類ようかん、ケーキ、砂糖、プリンなど
油脂類とうもろこし油、ひまわり油、バター、マーガリンなど
豆・豆加工品豆腐、油揚げ、納豆、きな粉など
果実類キウイフルーツ、みかん、りんご、バナナなど
緑黄色野菜かぼちゃ、にんじん、ほうれん草、トマトなど
その他の野菜・海草・きのこ類ごぼう、玉ねぎ、大根、キャベツ、えのきたけなど
嗜好飲料茶、コーヒー、コーラ、ビールなど
10 魚介類まぐろ、いわし、しらす干し、かまぼこなど
11肉・卵類鶏卵、鶏肉、豚肉、牛肉など
12乳類・乳製品牛乳、ヨーグルト、アイスクリーム、チーズなど
13 調味料・その他みりん、醤油、味噌、トマトケチャップなど
14 飲料水ミネラルウォーター、水道水

調査結果

平成18年度から延べ429農薬について調査を行いました。平成27年度は、一部の食品群から農薬を検出しましたが,いずれの農薬についても一日摂取量は一日許容摂取量に対して1%未満でした。






食品添加物の一日摂取量調査

食品添加物は食品ごとに使用基準が決められているため、食品からの添加物摂取によって健康に影響を与えることはないと言われています。しかし、私たちが日常的にどれだけの添加物を摂取しているのかはわかりにくいものです。そこで、日本人が一日に摂取する添加物の量を把握するため、厚生労働省や全国の地方衛生研究所によって調査が行われています。
当研究所でも、市民が食事から一日に摂取する添加物の量を把握するため、厚生労働省の調査を参考に食品添加物の一日摂取量調査を行いました。

調査方法

国民健康・栄養調査(注1)に基づいて福岡市内のスーパーなどで加工食品を購入し、食品の種類により8つの群に分類します。それぞれの群ごとに一人が一日に食べる量(一日喫食量)の比率に応じてミキサーで混合し、試料とします(マーケットバスケット方式(注2))。その後、食品群ごとに含まれる添加物の量を測定し、それに一日喫食量を乗じて、食品群ごとの一日摂取量を求め、その合計を一日摂取量とします。

8つの食品群 
食品群 食品分類 食品例
1調味料、嗜好飲料しょうゆ、ソース、ジュースなど
2穀類食パン、ゆでめん、スパゲティなど
3いも類、豆類、種実類こんにゃく、とうふ、ナッツなど
4魚介類、肉類、卵類塩さば、かまぼこ、ウインナーなど
5油脂類、乳類バター、乳飲料、アイスクリームなど
6砂糖類、菓子類キャンディ、和洋生菓子、チョコレートなど
7果実類、野菜類、海草類果物缶詰、ジャム、漬け物など
8特定保健用食品飲料、砂糖代替品、菓子など


調査結果









(注1)国民健康・栄養調査

 厚生労働省が健康増進法に基づき毎年実施している調査です。国民の身体の状況、栄養摂取量および生活習慣の状況を明らかにし、国民の健康増進の総合的な推進を図るための基礎資料を得ることを目的としています。福岡市の調査では、地域ブロック別の食品群別摂取量として「北九州ブロック」のデータを参考にしています。



(注2)マーケットバスケット調査方式

 一般的に人が日常の食事をすることによって農薬などを、どの程度摂取しているかを調べることを目的とした調査方式です。市場で流通している農産物、加工食品、魚介類、肉類、飲料水等の食品について通常行われている調理方法で調理を行った後、各食品に残留している農薬などの量を測定します。国民健康・栄養調査の結果から1日あたり各食品をどれくらいの量食べているかわかりますので、各食品中の残留農薬の測定の結果から、1日あたりに食品を食べることによって摂取される農薬などの量を計算することができます。



(注3)一日摂取許容量(ADI)

 ある物質について人が生涯その物質を毎日摂取し続けたとしても安全性に問題ない量として、通常、一日あたり体重1kgあたりの物質量(mg/kg/day)として表されます。動物試験で得られた無毒性量に、人間と動物との差や個人差などを考慮して、安全係数として通常1/100を乗じて求められます。
ある農薬のADIが0.1mg/kg/dayであるとは、体重50kgの人が一日当たりその農薬を5mgずつ一生涯にわたって摂取し続けたとしても安全上問題がないということです。
ADIの評価は、日本では食品安全委員会が、国際的なものとしてはJMPR(FAO/WHO合同残留農薬専門家会議)が行っています。