博多ポートタワー、海に沿って折り重なる高速道路といった福岡近代化のプロセスを象徴する構造物の下に今もひっそりと息づく漁港。レトロな情景を映し出しながら、近過去と現在の関係を感じさせる。福岡の一般的なイメージとのギャップ、意外性も面白い。
(選考委員 池田 美奈子)
撮影者コメント:「真夏の暑い午後。」
撮影場所:博多漁港
撮影時期:平成21年8月
やや、望遠ぎみのレンズを使って、余分なものを排除した、シンプルな画面構成、柔らかい光線によって表現された美しい欅の葉のグラデーション、画面の下部に小さく、バスと車を入れる事で、けやき並木のスケールの大きさがより、強調されました。心地よい風を感じる、心地よい作品です。
(選考委員 井上 一)
撮影者コメント:「福岡県民の皆様にはよく知られたところですが、春の新緑、秋の紅葉がとてもすばらしいところです。」
撮影場所:けやき通り
撮影時期:平成21年4月
暗闇にそそり立つ巨大なタワークレーン、昼間はたくさんの人でごった返す博多駅周辺ですが、それを青空に映える、赤と白の鮮やかな色彩のクレーンではなく、あえて、静かに眠る巨竜に見立て、夜の撮影に挑んだ長さんの視点に脱帽です。2011年春開業予定で建設中の新博多駅ビルでは、デパート、シネマコンプレックス、九州大学サテライトキャンバス、等がオープンする予定とか、新たな情報発信の拠点となるのが楽しみです。
(選考委員 井上 一)
撮影者コメント:「博多駅ビル新築工事中のクレーン群はまさに巨竜のひしめき。それも深夜には静まり返る。」
撮影場所:JR博多駅前
撮影時期:平成21年7月
博多の総鎮守櫛田神社での結婚記念撮影。頭上の堤灯をなめて、銀杏の緑へ、そして本殿屋根からその下に集う一族のかしこまった面々へと巧に見る者の目を誘う構図。半逆光が立体効果となって奥行きと感情を出している。
(選考委員 藤本 健八)
撮影者コメント:「博多総鎮守である櫛田神社。追い山など荒々しいイメージが思い浮かばれるが、たまたま通りかかったら結婚式が行われていた。」
撮影場所:櫛田神社
撮影時期:平成20年11月
高層建築を背景に潮干狩りという生活感あふれる光景は福岡ならではのもの。博多と福岡、伝統とモダン、自然と都市・・・さまざまな2つの顔を持ち、それが混在しているのが福岡市の魅力。この写真もそんな魅力を見事に映し出している。
(選考委員 佐々木 喜美代)
撮影者コメント:「毎年貝堀りの時期は老若男女で楽しんでいます。」
撮影場所:室見川河口
撮影時期:平成21年4月