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更新日: 2010年9月3日

食中毒(自然毒・化学物質・その他)について

自然毒食中毒

自然毒食中毒は、多くの場合、有毒な動植物についての知識が不十分なため、食用のものと誤って食べて発生しています。



・動物性自然毒

動物性自然毒による食中毒は、全て魚介類が原因です。
ふぐのように常に有毒物質があるものと、二枚貝・巻き貝などのように産地、年次、季節などによって異なるものがあります。
しかし、中にはまだ原因の解明されていないものもあります。



(1)ふぐ毒

(発生状況)

動物性自然毒による食中毒の中で最も多く発生し、死亡率が高い。


(性状)

ふぐの毒はテトロドトキシンという神経毒で、卵巣や肝臓などの内臓にあります。
ふぐの種類・部位・季節によって毒力が異なり、特に産卵期(12~6月)に毒性が強い。同じ種類でも個体差が大きい。
この毒素は、熱に対して比較的安定です。


(症状)

食後20分~1時間以内で口唇や舌のしびれを起こし、その後、頭痛、腹痛、吐き気、嘔吐、歩行起立困難、言語障害、呼吸困難などの症状が現れます。


(対策)

福岡県ではふぐ取扱条例を定め、ふぐの処理については、ふぐ処理師免許を受けた者しか従事できません。
自分で釣ったふぐを素人判断で料理するのは危険なのでやめましょう。



(2)貝毒

(発生原因)

海水中の有毒プランクトンを捕食し、その毒を中腸腺に蓄積したカキ・ホタテガイ・イガイなどの二枚貝を食べた時に発生します。


(症状)

麻痺性貝毒と下痢性貝毒があります。
麻痺性貝毒は軽症では食後30分程度で手足のしびれ、目眩、眠気に襲われ、重症の場合は言語障害となり、最後には呼吸麻痺で12時間以内に死亡します。
下痢性貝毒は食後1~2時間で下痢、嘔吐、腹痛を起こします。


(対策)

次の規制値を超えた場合は販売などが禁止されます


  • 麻痺性貝毒:1グラム当たり4MU (1MUは体重20グラムのマウスを15分間で死亡させる量)
  • 下痢性貝毒:1グラム当たり0.05MU(1MUは体重20グラムのマウスを24時間で死亡させる量)


・植物性自然毒

植物性自然毒による食中毒では、毒キノコによるものが全体の90%以上を占め、その大部分は採取したキノコを自己流で鑑定して食べた結果、発生したものです。


(1)毒キノコ

キノコによる食中毒を防ぐにはキノコの名前と食用であることを確認することが大切です。正しい鑑定をしないと非常に危険です。毒キノコについてのいろいろな言い伝えを信用してはいけません。採取したキノコを素人判断で料理するのは危険なのでやめましょう。
症例は、下痢・腹痛を起こす胃腸型と、視力障害・言語障害・興奮などの脳症型に大別され、場合によっては死に至ることもあります。


(2)毒草

山菜と間違って、有毒な植物を食べて中毒になる例があります。


誤食されやすい毒草と山菜
毒草名 山菜名
トリカブトヨモギ、ニリンソウ、シャク
ドクゼリセリ
ジキタリスコンフリー
バイケイソウ        オオバギボウシ

(その他の有毒植物)
・ジャガイモ

芽及び緑色部分に含まれるソラニンという有毒物質により、食後数時間で腹痛、頭痛、目眩、意識障害などを起こします。


・青梅、ギンナン

いずれも、未熟なものに青酸が含まれていて、嘔吐、痙攣を起こし、多く食べると死亡することもあります。


・カビ毒

ペニシリウム属のカビに汚染された黄変米は、肝臓や腎臓を冒すことが知られています。また、ピーナツ、トウモロコシに寄生するアスペルギルス属のカビは、非常に強い発ガン性を示すアフラトキシンを産生します。


化学物質による食中毒

食品の生産、加工、保存、流通及び消費の過程で、外部から混入するかあるいは生成する有害物質のうち、化学物質によって引き起こされる健康被害のことを化学性食中毒といいます。
 
主な食中毒事例;油脂の変敗、ヒ素、カドミウム、鉛、PCB、有機水銀等によるもの



その他の食中毒

(1)アレルギー様食中毒(ヒスタミン)

アレルギー体質でない人が、ある食品を摂取することによってアレルギーのような症状を起こす場合があります。


(原因食品)

鮮度の落ちたサンマ、サバ、イワシなどほとんど赤身の魚に限られています。
サンマ桜干し、サバの煮付け及び味付け缶詰めなどが原因となります。


(原因物質)

魚類の腐敗細菌であるプロテウス・モルガネラ菌が大量に増殖すると、赤身の魚の筋肉中に存在するヒスチジンから原因物質であるヒスタミンが作られ、この量が100ミリグラム/100グラム以上になると発症する危険性が高い。


(症状)

食後、5分~1時間くらいで顔面紅潮、じんま疹、頭痛、発熱などが現れるが、6~10時間で回復します。



(2)寄生虫

飲食物を介して感染する病気として寄生虫症があります。野菜や肉、魚介類を経由して人の体内に寄生し、栄養障害や腸管壁に傷をつけ貧血を起こしたり、体内を移動する際、腹痛を起こしたり、虫様突起に入って急性虫垂炎などの原因となるので、食品衛生の面からも注意しなければなりません。


(寄生虫の感染経路)

寄生虫によっては、その発育の途中で宿主を変えるものがあります。最近話題になっているアニサキスは、鯨、オットセイ、イルカなどの海産ほ乳類を宿主とする回虫の一種ですが、中間宿主であるイカ、アジ、サバ等を生食することによって感染し、急激な腹痛等の胃腸炎症状を起こすことがあります。


(寄生虫の予防)

自然界の寄生虫をコントロールすることは困難ですが、食品と寄生虫の関係について知識を身につけその取扱いに注意を払うことが必要です。



 寄生虫の予防

  • 手指の洗浄を行い、常に清潔に保つ
  • 生食用の野菜は流水でよく洗浄、すすぎを行う
  • 淡水魚類や食肉の生食は避ける
  • 寄生虫の中間宿主となる食品は生食しない
  • まな板、包丁は消毒し、常に清潔に保つ
  • 加熱してから食べる(冷凍すると死滅するものもある)

人体に健康被害を及ぼす寄生虫
種類 寄生虫 主な感染源 主な症状
野菜回虫野菜頭痛、悪心、神経症状
野菜ぎょう虫野菜肛門部掻痒感による不眠
野菜鉤虫野菜急性胃腸炎症状、貧血
野菜鞭虫野菜腹痛、悪心、神経症状
動物無鉤条虫牛肉軽度の胃腸症状
動物トキソプラズマ豚肉、犬、猫、ペット脳水腫、脈絡膜炎など
動物有鉤条虫豚肉軽度の胃腸症状
動物旋毛虫(トリヒナ)豚肉、熊肉発熱、悪心、下痢など
淡水魚類肝吸虫モロコ、タナゴ、フナ下痢、肝腫脹、黄疸
淡水魚類肺吸虫モズクガニ、サワガニ、ザリガニ咳、血痰など
淡水魚類横川吸虫アユ、ウグイ、シラウオ腹痛、下痢、脳障害
淡水魚類広節裂頭条虫サケ、マス悪心、腹痛、下痢など
淡水魚類有棘顎口虫ライギョ、ドジョウ皮膚爬行症
海産魚アニサキスイカ、アジ、サバ、ニシン、タラ腹痛など
海産魚テラノーバイカ、ニシン、タラ腹痛など
海産魚大複殖門条虫イワシ(推定)腹痛、下痢など
その他広東住血線虫カタツムリ、ナメクジ、リンゴガイ発熱、髄膜脳炎様症状
その他有線条虫(マンソン裂頭条虫)ヘビ、カエル皮下組織に限局性移動性の腫瘤形成
その他棘口条虫アマガエル腹痛、発熱、悪心など