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アーカイヴライブラリー

タン・ダウ

タン・ダウ
名前-英語表記 TANG Da Wu
国・地域 シンガポール
アーカイヴテーマ 伝統芸能、舞台を楽しむ
ジャンル 芸術・文化
肩書き ヴィジュアルアーティスト
専門分野 美術
受賞種別 芸術・文化賞
受賞年度 1999年【第10回】

プロフィール東南アジアを代表する現代美術家。斬新な手法を駆使し、今日的な問題意識に支えられた独創的な表現活動を展開する一方、カリスマ的な影響力で若いアーティストたちの先頭に立ち、シンガポールのみならず東南アジア全域における現代美術の創造的発展に、主導的な役割を果たした。

 タン・ダウ氏は、シンガポールを拠点に1980年代~90年代を通して活動し、東南アジアのアートシーンを今日の隆盛に導く主導的な役割を果たしてきた。街頭でのパフォーマンスや日用品によるインスタレーション(仮設的な空間造形)、観衆との共同作業、子どもたちとのワークショップなど、斬新な表現形式を大胆に採用。環境問題や人権問題など、極めて今日的かつ社会的なテーマを中核に、それまでの東南アジアの美術界には見られなかった新たな表現領域を切り開いた。東南アジアの芸術・文化界に大きな影響を与え、東南アジア現代美術界の真のパイオニアということができよう。
 タン・ダウ氏は1943年、日本占領下のシンガポールに生まれた。英国統治下のシンガポールで中国式の教育を受けた後、1970年に英国留学。英国現代美術の発信源であったセント・マーティン美術学校やゴールドスミス・カレッジで、現代美術の手法や問題意識を身につける一方、自らのアイデンティティの問題を考え続けた。1988年に活動拠点をシンガポールに移し、観光客で賑わう目抜き通りでのパフォーマンスを敢行。同年、彼の周りに集まってきた若者たちと共に、シンガポール北部センバワンの農場に「アーティスツ・ヴィレッジ」を結成した。これは共に作品を制作し、展覧会を開催し、パフォーマンスを繰り広げる芸術共同体であり、先頭に立つ氏の下でシンガポールのアートシーンを席巻した。
 このような活動や作品を通して、氏はカリスマ的な影響力を発揮し始め、シンガポールの若く挑戦的なアーティストたちを常に励まし、刺激し、鼓舞し続けた。「アーティスツ・ヴィレッジ」から誕生した世代が、今や東南アジアのアートシーンの中心作家となっている。氏の活動は、マレーシア、フィリピン、インドネシアと広がり、今日、東南アジアにおける最も代表的な現代美術家として高い評価を受けている。日本でも「タン・ダウ展」(1991年、福岡市美術館)、「美術前線北上中」展(1992年、福岡市美術館ほか)、「アジアの創造力」展(1994年、広島市現代美術館)などでたびたび紹介されている。
 タン・ダウ氏の作品の魅力は、単に前衛的な新しさや社会的テーマの過激さにあるのではなく、芸術作品としての質の高さにのみ求められるものでもない。中国系シンガポール人として、中国文化を意識しながら、自己の内にある文化とアイデンティティの問題を追究し続け、アジアにおける美術の真の独自性とは何かを常に問い続けていることにこそ、その魅力と特質がある。このようなタン・ダウ氏の芸術活動とその姿勢は「福岡アジア文化賞―芸術・文化賞」にふさわしいといえる。 (贈賞理由は受賞時のものです)

【受賞者フォーラム】
「My Challenge, My Asia」
侯孝賢/大林太良/二ティ・イヨウシーウォン/タン・ダウ

【市民フォーラム】
疾走するアジアの現代美術「君は、タン・ダウを見たか」

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