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アーカイヴライブラリー

矢野 暢

矢野 暢
名前-英語表記 YANO Toru
国・地域 日本
ジャンル 学術研究
肩書き 社会科学者・アジア地域研究家
専門分野 社会学
アジア地域研究
受賞種別 創設特別賞
受賞年度 1990年【第1回】

プロフィール東南アジア地域研究の分野で新しい手法を開拓し、画期的な成果を上げた、日本社会科学学界の中心的存在。世界的規模での人脈を活かし、各種の国際会議やシンポジウムを企画・運営し、世界の学術文化交流に多大な貢献をなした。

 矢野暢氏は、わが国の東南アジア研究の第一人者であり、日本を代表する気鋭の社会科学者として国際的に高い評価を受けている。
 矢野氏は、東南アジア地域研究を学問としてわが国で定着させたパイオニアである。すでに大学院生の頃に、南タイの一村落で2年間にわたり村の人々と生活をともにし、その世界に深く没頭。社会科学者としての学問的な規律を、フィールドワークの成果によって絶えず検証し磨き上げ、理論と実証のゆるぎない結合を通して、地域研究の本格的な方法論を確立してきた。その後も、アジアについての知的思索を深めながら、この世界の固有原理を全人類史的な視野において照らし出し、数々の学問的業績を積み重ねてきた。
 こうして生み出された東南アジアに関する一連の著作、例えば『タイ・ビルマ現代政治史研究』、『東南アジア世界の論理』、『冷戦と東南アジア』、『東南アジア世界の構図』、『国家感覚』、『「南進」の系譜』などが学界に及ぼした影響は大きく、高い評価を得ている。これらの業績では、例えば「小型家産制国家」の理論のように、東南アジア世界の成り立ちと伝統国家の構造が解明され、その現代的な意義が説かれるなど、この世界の歴史・社会・文化への深い洞察が提示された。一方、日本とアジアの関係のエトス(習性徳)について、厳しく知的な問いかけが絶えずなされている。
 さらに、欧米語はもとよりアジアの言語も駆使する優れた語学力と豊かな知的構想力とによって、第一級の国際会議やシンポジウムを企画。わが国と世界との学術文化交流に多大な貢献をなし、一連の学問的業績は、日本だけでなく世界でも高く評価されている。本年1月には、日本人としてはもちろん、アジア人初の社会科学者として、スウェーデン王立科学アカデミーの会員に選出された。
 このように、矢野暢氏の業績は、現在から未来へ向かうアジアの社会と文化の理解のために大きな貢献をなしたと評価できるものであり、まさしく、「福岡アジア文化賞創設特別賞」に相応しい業績と言える。 (贈賞理由は受賞時のものです)

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