法務省委託事業「ココロンセンターだより」93号 発行:令和5年9月(秋季号) 発行元:福岡市人権啓発センター 所在地:〒810-0073福岡市中央区舞鶴2丁目5番1号健康づくりサポートセンター(あいれふ)8階 メールアドレス:jinkenkeihatsu.CAB@city.fukuoka.lg.jp 電話番号:092-717-1237(代表)、092-717-1247(人権啓発相談室) FAX番号:092-724-5162 CONTENTS「主な内容」 1ページ ハートフルフェスタ(西鉄ホール) 2ページ ハートフルフェスタ(ゼファ会場・あいれふ) 3ページ 人権尊重推進協議会紹介(早良区大原校区) 4ページ 人権啓発指導員コラム、新着DVD紹介、表彰 1ページ ハートフルフェスタ(西鉄ホール) 人権啓発フェスティバル ハートフルフェスタ福岡2023 9月24日(日曜日)入場無料 認め合い、支え合う、みんなのじんけん。 西鉄ホール会場(ソラリアステージ6F) 事前申込制、手話通訳・要約筆記有、オンライン配信有 1部 トークセッション 11時~12時 テーマ「みんなで考えるインターネットのいいところ、危ないところ」 登壇者 スマイリーキクチさん 自身のネット中傷被害の経験からインターネットに関する啓発活動を行っている。 福岡女子商業高校キカクブの皆さん 生徒主体で学校の広報活動をSNSを中心に発信。TikTokフォロワーは3万人以上。 新木さくらさん SNS総フォロワーは30万人以上。タレント、インフルエンサーとして活動中。 佐藤大和弁護士 レイ法律事務所代表弁護士(東京弁護士会)。誹謗中傷問題に取り組む。 2部 講演会 13時30分~15時 テーマ「ネットの誹謗中傷をなくしたい~ヤサシイハナヲサカセマショウ~」 講師 木村響子さん NPO法人 Remember HANA 代表 木村花さんの母/元プロレスラー 令和2年5月、SNSでの誹謗中傷により最愛の娘である木村花さんを失ったことをきっかけに、その哀しみ、苦しみ、無力さに苛(さいな)まれる中で、せめて花さんのためにできることはないかと考え、NPO法人リメンバーハナを立ち上げ、誹謗中傷の被害者も加害者も減らすことを目標に、様々な啓発活動を積み重ねている。 写真 左:木村響子さん/右:木村花さん 1ページは以上です。 2ページ ハートフルフェスタ(ゼファ会場・あいれふ) ゼファ会場(ソラリアプラザ1F) 9月24日(日曜日)入場無料 ●みすみともこ ミニチュア作品展 Instagramフォロワー14万人以上!ミニチュア作家・みすみともこさんの人権をテーマにしたオリジナル作品展を開催します。 ミニチュア作品の写真 ●画家・太田宏介 作品展&ライブペイント NHK「クローズアップ現代」「実感ドドド」出演! 福岡在住、自閉症の画家・太田宏介さんの作品展示、ライブペイント、ワークショップを開催! 太田宏介さんの写真、作品の写真 ●虹色の朝陽 企画展 発達障害の息子との生活をSNSで発信する中尾きみかさん。 書籍「虹色の朝陽」には未収録の写真を中心にしたパネル展を開催。 書籍の写真 ●障がいのあるキッズモデル写真展 “ありのまま”をテーマに障がいのある子どもたちの撮影した写真展を九州初開催! 子どもたちの撮影した写真 ●車いすバスケ体験コーナー 競技用車いすに乗って、バスケ体験してみよう! 協力◆ライジングゼファーフクオカWheelchair 車いすバスケの写真 ●【JICA九州】SDGs教室 SDGsを親子で楽しく学べるワークショップを開催! ハートフルフェスタ福岡2023参加団体 1 人権関係団体主催講演会 開催日時等 2023年9月23日(土曜日)13時30分~15時、あいれふ10F講堂(定員120人以内) 団体名 はかたいのちを大切にする会 講演会タイトル 円ブリオいきいき講座 胎児は社会の一員です。出会い、ときめき、分かち合い 2 ゼファ会場活動紹介(展示) 開催日時等 2023年9月24日(日曜日)11時~17時、ソラリアゼフア会場 団体名(50音順) 1 博多ウィメンズカウンセリング 2 福岡いのちの電話 3 福岡県いのちを守る会 4 福岡県人権研究所 5 福岡市企業同和問題推進協議会 6 福岡市女性翼の会 7 福岡法務局・福岡人権擁護委員協議会 8 Life Wave サポート 【主催】ハートフルフェスタ実行委員会(NPO法人福岡市障害者関係団体協議会/公益財団法人福岡よかトピア国際交流財団/公益社団法人福岡市老人クラブ連合会/福岡市七区男女共同参画協議会/福岡市民生委員児童委員協議会/福岡人権擁護委員協議会/ハートフルフェスタ福岡企画委員会/福岡法務局/福岡市) 【お問い合わせ・事務局】 福岡市人権啓発センター 電話番号:092-717-1237 FAX番号:092-724-5162 詳しくは、8月中旬頃に人権啓発センターのホームページに掲載予定です。 『ハートフル2023 福岡』で検索!! 2ページは以上です。 3ページ 人権尊重推進協議会紹介(早良区大原校区) 「考えよう 人の心を 人権を」―永遠に続くテーマに ~大原校区 人権尊重推進協議会~ ■人権月間の取組 「コロナでも 心の距離は 密接に」(令和2年度中学生作品) 「認め合い 個性の花に 水やりを」(令和3年度中学生作品) 大原校区人権尊重推進協議会では、毎年、大原小学校5年生が制作した人権啓発ポスターを人権月間中に校区内に掲示。原中央中学校の生徒さんの人権標語の中から優秀作品をクリアファイルにし、うち一点を毎年の人尊協のスローガンとして採用しています。 ■3年ぶり開催♪ふれあいコンサート♪ コロナ禍前まで公民館で行っていた「ふれあいコンサート」を令和4年度は、小学校の体育館に移し、入場者を制限して開催。小学生によるアンサンブル演奏、中学校の箏曲部と吹奏楽部による演奏に約250人が聴き入っていました。 終了後には、嬉しいことが。後輩達の応援のため訪れていた中学生や卒業生が、誰に言われた訳でもなく率先して後片づけをしてくれたのです。 さらに、その様子を見ていた6年生が、後日行われた公民館事業に参加したときには、さっとテーブルや椅子を片づけ始め、作業を続けている低学年の子には、「ゆっくりでいいからね」と声をかけてくれたのです。私たちの校区に、こんな素晴らしい子ども達が育っているんだなあと感じる出来事でした。 ふれあいコンサートの写真 ■「人権」は「いのち」そのもの 大原校区人尊協設立は、平成7年11月5日。当時の自治連合会長さんはじめ、組織作りには随分苦労されたようです。そこで、校区に住む人たちの「いのち」を大切にしていくための大切な組織であると訴え、「考えよう 人の心を 人権を」のテーマを示し、共感を得て設立にこぎ着けました。 この言葉は、大原校区にとって永遠に続くテーマなのです。 ■これからの大原人尊協 黒岩会長:子ども達が大きくなり、校区から出て生活することになっても、「子どもの頃は楽しかったね」といえるようにしていきたいですね。 前田研修部長:人権は難しく考えない。「自分も楽しく、人(相手)も楽しく」と考えて研修を作っていきたいですね。 (大原人尊協だより「北斗七星」令和4年10月第78号より抜粋) 私たちの今後の活動方針は、この二人の対談に表れています。ですから、令和5年度のスローガンを次のように決定しました。 「『楽しい』とみんなが笑える 地域でありたい」(令和4年度中学生作品) (※原案は“クラスでありたい”→許可を得て“地域”に変更) 校区全体も、このスローガンに乗って、いかにみんなが楽しく参加できるかを考え、仲の良いコミュニティづくりをめざしているところです。その中心的存在として、人尊協が率先して「参加して良かった」「楽しかった」と言ってもらえるような、笑顔あふれる活動をつくっていきたいと思っています。 (大原校区人尊協 前田之雄研修部長、永沼朋子会計の取材で構成しました)  前田之雄研修部長、永沼朋子会計の写真 3ページは以上です。 4ページ 人権啓発指導員コラム、新着DVD紹介、表彰 4ページ上部(人権啓発推進指導員のコーナー) 夢に描いた社会のデザイン 美術館で働く友人の影響で、絵などあまり興味のなかった私が、最近はあちこちの美術館に行くのが楽しみの一つとなっている。と言ってもたいした知識はなく、のんびりと好きな作品を見つけるのが楽しい。 6月、「モダンデザイン」の父と称されるイギリスのデザイナー、ウイリアム・モリスの展覧会を見に行った。樹木や草花や鳥などをモチーフにしたモリスのお洒落なデザインを好きな人も多いと思う。私も素敵なデザインのグッズを購入したいという思いで向かったが、そこで、19世紀に生きた彼が平等な社会への変革に献身したことを知った。 デザイン商会を立ち上げたものの、美を享受するのが少数の金持ちのみであり、労働者は貧困にあえいでいる現実に矛盾を感じたモリス。弱者を犠牲にした富であってはならないと、すべての人が幸せに生きるための労働のあり方を実現するために全国を駆け回ったというのだ。 現代社会でも悪質な長時間労働やパワハラなど職場での人権問題が後を絶たない。「ビジネスと人権」という新しい概念も生まれているが、これは最近になって始まったことではなく、長い歴史の中でいろいろな人々の思いが受け継がれてきたものなのだ。 人の命を尊び、誰もが幸福を感じることができるようにと願ったモリスの考えは、ヨーロッパだけでなくアメリカにも影響を与えた。 一人の芸術家が夢に描いた社会のデザインに触れた充実した時間。これからも、美術館は私にとって楽しい学びの場所になりそうだ。(吉田) 「距離感」とハラスメント 近頃、「これはセクシュアルハラスメントではないか」といったニュースが流れるたびに、「そんなつもりではなかった」「嫌ならそう言ってくれればしないのに」…こんな言葉で否定する人が多い。いずれも立場のある男性だ。 セクハラは、他の者を不快にさせる性的な言動であり、受け手または通常人が不快と感じるか否かで判断される。また、上司と部下の関係にあるなど職務上の地位や関係性により、はっきりと断れない場合が多い。もちろん、年齢、性別を問わず加害者にも被害者にもなりうる。改正男女雇用機会均等法(2022年4月施行)では「見逃したり見て見ぬふりをした責任は企業にある」とし防止対策を強化することが示されてもいるのに、なぜ?と思う発言だ。 インタビューで「肩や頭をポンポンするのは、激励だ」という人がいたが、そもそも距離感がおかしい。パーソナルスペースを侵害しているのである。パーソナルスペースは、人にとって保障されるべきもので、逆に侵入されると不快感や嫌悪感をもつ。 エドワード・ホール(米文化人類学者)は、4つの空間に分け、仕事上など非個人的な関係で形成される空間は「社会距離(1~3.5m)」、最も近い空間を「密接距離(45㎝以内)」とし、恋人や家族など親密な関係にしか維持できない、いわゆる「ゼロ距離」で、親しくない人に侵入されると恐怖心や警戒心をもつこともある、と言っている。 パーソナルスペースは性別、年齢、国民性などにより個人差が大きい。特に男性と女性では大きな違いがある。人によって心地よい距離感はさまざまであることを理解し、場合によってはハラスメントにつながることを心に留め、他者とのよりよい関係性をつくりたいものだ。(北村) 4ページ下部(ココロンセンターライブラリーおすすめDVD、表彰) 研修等にも使えるおすすめのDVDを紹介します。 ○誰ひとり取り残さないための職場の人権シリーズ①よかったら“想い”を聴かせて 「ハラスメント」をはじめとした職場における6つの人権テーマで、相手の思いを聴くこと・自分の想いを伝えること・お互いを受け止めあうことの大切さを考えていきます。職場の誰ひとり取り残さないために、自分も相手も大切にするためにはどういったコミュニケーションが必要なのか?職場の人間関係で印象に残っているエピソードをお互いに話し合い、考えを深める構成になっています。一つ一つのエピソードが川柳でまとめられており、人権テーマがとても身近に感じられる人権啓発ドラマです。 企画・制作:東映株式会社 コンテンツ事業部門 教育映像部 DVDの写真 人権擁護委員が表彰されました 多年にわたって人権擁護活動に御尽力いただいた下記人権擁護委員の方が、令和5年5月26日(金曜日)、福岡県人権擁護委員連合会総会の日をもって表彰を受けられました。 福岡県人権擁護委員連合会長表彰 岡 多惠子(おか たえこ)様(東区)、冨森 玲子(とみもり れいこ)様(東区) 4ページ下部は以上です。 これで「ココロンセンターだより」93号は終わりです。