法務省委託事業「ココロンセンターだより」92号 発行:令和5年6月(夏季号) 発行元:福岡市人権啓発センター 所在地:〒810-0073福岡市中央区舞鶴2丁目5番1号健康づくりサポートセンター(あいれふ)8階 メールアドレス:jinkenkeihatsu.CAB@city.fukuoka.lg.jp 電話番号:092-717-1237(代表)、092-717-1247(人権啓発相談室) FAX番号:092-724-5162 CONTENTS「主な内容」 1ページ 人権総合講座(ココロンセミナー)【前期】 2ページ 令和4年度 人権総合講座(ココロンセミナー)実施報告 3ページ 参加者の感想 4ページ 人権啓発指導員コラム、新着図書紹介 1ページ 人権総合講座(ココロンセミナー)【前期】 ココロンセミナー 考えてみませんか? あなたの人権 わたしの人権 福岡市人権啓発センターでは、人権問題を身近に考えていただくためのセミナーを年6回開催しています。 今回、前期3回(7、8、9月)の受講者を募集します。 あなたの身の回りにある人権について学んでみませんか? 第1回セミナー 年月日:令和5年7月22日(土曜日) 時間:14時~16時 テーマ:同和問題 演題:被差別部落の歴史から学ぶ、全九州水平社創立100年を迎えて 講師:福岡市史編纂委員会 近世専門委員 竹森 健二郎さん 第2回 年月日:令和5年8月26日(土曜日) 時間:14時~16時 テーマ:犯罪被害者 演題:犯罪被害に遭って、今、思うこと 講師:犯罪被害者遺族 宮元 篤紀さん 第3回 年月日:令和5年9月9日(土曜日) 時間:14時~16時 テーマ:更生保護 演題:信じ続ければ、応えてくれる 講師:福岡県協力雇用主会会長 野口 義弘さん 各回、会場、定員等、申込方法は共通です。 ■会場:福岡市中央区舞鶴2丁目5番1号 あいれふ10階「講堂」 ■定員等:各回60人 事前申込要(先着) 受講料無料 ■申込方法:ホームページの申し込みフォームから。または電子メール・FAX・はがきの場合は、件名「ココロンセミナー第〇回申し込み」とし、氏名・連絡先(電話番号・メールアドレス)を必ず記載してください。 ■お問い合わせ:〒810-0073 福岡市中央区舞鶴2丁目5番1号 あいれふ8階 福岡市人権啓発センター事業推進係 電話番号:092-717-1237 FAX番号:092-724-5162 メールアドレス:jinkenkeihatsu.CAB@city.fukuoka.lg.jp ★講師プロフィール 竹森 健二郎さん 竹森 健二郎さんの写真 福岡市史編纂委員会 近世専門委員。 1982年、福岡部落史研究会に勤務し、1987年、同会事務局長に就任、2003年に福岡県人権研究所主任研究員となる。退職後、2018年まで全国部落史研究会事務局長を務め、現在に至る。福岡を中心として、江戸時代から戦後部落解放運動までの被差別部落の歴史や歴史理論などの研究に取り組む。著書は「福岡における「賤民廃止令」をめぐる被差別部落の動向と地域社会」(『部落解放研究』第202号)など多数。 宮元 篤紀さん 宮元 篤紀さんの写真 平成19年11月、佐賀県武雄市の病院に入院していた夫(当時34歳)を暴力団関係者と間違われて射殺された。理不尽な犯罪の犠牲者となったが、残された家族の生活を支えるなど厳しく辛い経験を乗り越え、同じような事情や思いの被害者・遺族のカになりたいとの強い思いから、被害者支援活動を始める。全国での講演活動を行うほか、中学・高校生への「命の大切さを培う」学校講演活動にも積極的に取り組んでいる。 野口 義弘さん 野口 義弘さんの写真 1995年、有限会社野口石油を創立し、福岡保護観察所の協力雇用主に登録。2009年、特定非営利法人福岡県就労支援事業者機構常務理事を務め、2010年、福岡県協力雇用主会会長に就任し、現在に至る。「社会に受け皿がなければ、非行を繰り返して本当の悪人になってしまう。どんな子でも雇用してくれる場があれば、働く喜びを知り、自信を持たせることで必ず更生出来る。」との思いから、28年間にわたり、不登校や保護観察中などの少年少女たち約170人以上を、自らが経営するガソリンスタンドで雇用し、非行少年の社会復帰を支援し続けている。 1ページは以上です。 2ページ 令和4年度 人権総合講座(ココロンセミナー)実施報告 令和4年度 人権総合講座(ココロンセミナー)を開催しました。 市人権啓発センターでは、市民を対象に、人権に関する様々な問題について総合的に学んでもらう機会を提供するため、毎年度、人権総合講座(ココロンセミナー)を開催しています。 令和4年度は、合計6回のココロンセミナーを、あいれふ10階講堂(第4回以外)と、ふくふくプラザ(第4回)で、開催しました。 第1回 開催日:令和4年7月16日(土曜日) テーマ:同和問題 講師:公益財団法人反差別・人権研究所みえ常務理事兼事務局長 松村 元樹さん、松村 元樹さんの写真 演題:『無関心』でいられても、『無関係』でいられない人権・部落問題 参加数:46人 第2回 開催日:令和4年8月27日(土曜日) テーマ:外国人 講師:作家・詩人 寮 美千子さん、寮 美千子さんの写真 演題:なっちゃんの花園~在日二世のおばあちゃんの人生~ 参加数:38人 第3回 開催日:令和4年9月17日(土曜日) テーマ:子ども 講師:大阪歯科大学医療保健学部教授 濱島 淑惠さん、濱島 淑惠さんの写真 演題:知っておきたい「ヤングケアラー」のこと~子どもの人権を守るために何ができるか~ 参加数:45人 第4回 開催日:令和5年1月28日(土曜日) テーマ:障がい者 講師:熊本学園大学社会福祉学部教授 東 俊裕さん、東 俊裕さんの写真 演題:災害と障害 講演後、障がい当事者とその家族と東先生とのパネルディスカッション 参加数:36人 第5回 開催日:令和5年2月18日(土曜日) テーマ:性的マイノリティ 講師:NPO法人カラフルチェンジラボ 濱田 貴士さん、濱田 貴士さんの写真 演題:LGBTQの存在をもっと身近に 参加数:32人 第6回 開催日:令和5年3月18日(土曜日) テーマ:高齢者 講師:元 北九州市教育委員会社会教育主事 中嶋 正信さん、中嶋 正信さんの写真 演題:人間関係を良くするためには 参加数:31人 計228人 2ページは以上です。 3ページ 参加者の感想 それぞれの回に、30名を超える参加者がありました。 アンケートで回答いただいた参加者の感想をお知らせいたします。 第1回 テーマ:同和問題、演題:『無関心』でいられても、『無関係』でいられない人権・部落問題 ・特権についてのこと等を分かりやすく説明していただきありがとうございました。また、自分自身を振り返ることを今後も継続することが大切だと改めて感じております。「アンコンシャスバイアス」職場でも共有したいと思います。(60代) 第2回 テーマ:外国人、演題:なっちゃんの花園~在日二世のおばあちゃんの人生~ ・人権の話ということで身構えていましたが、聞きやすい講話でした。私もこれまでの人生で在日の方や被差別の方にお会いしたことがなく見当もつきません。知らないうちに差別的な発言をしないように、これからも知っておきたいと思いました。(40代) 第3回 テーマ:子ども、演題:知っておきたい「ヤングケアラー」のこと~子どもの人権を守るために何ができるか~ ・今まできいたヤングケアラーの講演の中で一番わかりやすかったです。何か支援をしなければと思っていましたが、話を聞くということを一番当事者が求めていることだとわかりました。当事者のビデオ(本人の思いをきく)をみることができてよかったです。(40代) 第4回 テーマ:障がい者、演題:災害と障がい ・初めて参加しました。社会的弱者の方がこれだけ困っていたのか、社会からないがしろにされていいたとは…。自分自身視野が狭く…。気づきませんでした。 災害で突然なだれなどは一瞬にして死亡になるが、浸水でゆっくり水かさが増す、どれだけ怖い思いをして亡くなっていくのか胸が痛くなりました。避難所も、二次避難所にいけない仕組みでおどろきました。課題が山積でこれから少しでも心を寄せ、周りの人を助けていきたいです。(年代不明) 第5回 テーマ:性的マイノリティ、演題:LGBTQの存在をもっと身近に ・教師として働いております。様々な子と関わる仕事の為、私自身色々な方に会って勉強したいと思い参加させて頂きました。今日のお話を聞いて濱田さんの経験されたつらい思いを知り、自分の発言や行動、1つ1つに気を付けていきたいと思いました。本当にありがとうございました。(30代) 第6回 テーマ:高齢者、演題:人間関係を良くするためには ・4月から新しい環境に身を移すので、今日の人間関係についてのお話をきいて改めて自分の中で心構えが出来ました。「自分のせいにしすぎない」「1人で頑張りすぎない」など"適度な頑張り方のススメ"はとても励まされました。中嶋さんのような人生の先輩からのメッセージは説得力がありますし、心を打たれます。(30代) ココロンセミナーの写真2枚 3ページは以上です。 4ページ 人権啓発指導員コラム、新着図書紹介 4ページ上部(人権啓発指導員コラム) 日々の中で人権感覚を そんなつもりはなかった。そういう意味で言ったんじゃないのに…など、無自覚に人を傷つけてしまったり、あるいは、その人だけをターゲットに無視するなどの行為に至ったり…。いじめや嫌がらせという意味のハラスメントが、近年関心度の高い人権問題となっている状況があります。パワハラ、セクハラ、マタハラ、カスハラ等々「ハラ」と名の付くものが実に多く、その陰で精神的に追い詰められ、辛い思いをしながら過ごしている方々が数多くいます。 こうした行為をなくしていこうと、防止に向けた様々な取組や事例も紹介されるようになってきていますが、その際、どんなことを意識しておかないといけないのか、しっかり考えておく必要があるのだろうと思っています。 防止に関する知識や技能、人の気持ちを想像する力など多くのことが関連しているとは思うのですが、もしかしたら、自分も誰かを傷つけているかもしれないという意識や被害を受けている場面に気づいて許せないとするような感覚。あるいは、人が大切にされているような所や頑張っているような所を見て、いいなあと感じる感覚。こうした人権感覚を日ごろから意識しておくことが、人の心に寄り添った言動につながっていくのではないか…と、近年のハラスメント情報を耳にしながら思っています。(中村) コンビニで 「この、野球のチケットをお願いします」。そう言って私は番号を書き込んだメモを店員に渡した。店員は「わかりました」と応え、慣れた様子でレジに打ち込む。すると、目の前の画面が予約したチケット情報に変わり、「間違いなかったらタッチしてください」と声がかかる。それで、確認して『OK』を押すと、直ちに店員は奥にある機械に向かい、チケットを取り出してきた。 そして今度はレシートを見せ、「ここにサインをお願いします」とペンを差し出す。うなずいて従うと、店員はチケットを素早く専用袋に入れ、「どうもありがとうございました」と言ってそれを渡してくれた。 コンビニ店員としては当たり前の対応だ。でも、私は感心していた。どこの国の青年だろう。日本語も、機械操作も、客の接待も上手い。留学生なら、当然、学校にも通っているはずだ。こんなに早い時間から働いているのか。現金だけでなく多様化する決済の対処はもちろん、宅配便の送付や公共料金の支払いも受け付けるのだろう。すごいなあ。 名札に書かれた名前を見て、勝手に『留学生アルバイト』と決めつけ想像を巡らせた。自分の思い込みで人を見てはならぬと承知しているが、その店員の接客は、その日の私を、朝からとても清々しい気持ちにさせた。(大戸) 4ページ上部は以上です。 4ページ下部(新着図書紹介) ココロンセンターライブラリー新刊紹介! 人権問題に関する書籍、まんが、絵本、DVDを入荷しました。貸出を行っています。ぜひ、ご利用ください。 書籍「いつでも君のそばにいる」 「リト@葉っぱ切り絵」さんが、葉っぱで作り出した絵本みたいな切り絵作品集です。 彼は「ADHD(注意欠陥・多動性障害)」と気づき、サラリーマンを辞めました。そこで出会ったのがネット上にあった「leaf art」でした。その後、次々と作品を生み出していきます。 最後のページには、「リト式葉っぱ切り絵メソッド」として、切り絵アートの作り方が紹介されています。一つ一つの繊細な作業に、感嘆してしまいます。ぜひ読んでみてください。 書籍「いつでも君のそばにいる」の画像 著者:リト@葉っぱ切り絵 発行社:講談社 書籍「炎上CMでよみとくジェンダー論」 CMは短く、企業のメッセージ性が強く表れています。昔ながらの「男が外で働き、女性は家を守る」というライフスタイルのままでは、現在の「女性も働く」という視点でみると炎上になります。時代背景も考慮して、役割分担をどのように考えるかによって受け取る側の印象は違います。わたしたちの置かれている環境を、様々なCMの事例からわかりやすく、ユーモアを交えながら語っています。日本だけではなく、海外のCMについても言及しています。 社会における「当たり前」を今一度考えさせられる一冊です。 書籍「炎上CMでよみとくジェンダー論」の画像 著者:瀬地山 角 発行所:光文社 4ページ下部は以上です。 これで「ココロンセンターだより」92号は終わりです。