福岡市障がいを理由とする差別を解消するための条例検討会議報告書 平成29年5月 福岡市障がいを理由とする差別を解消するための条例検討会議 はじめに  本条例検討会議は,「福岡市障がいを理由とする差別をなくし障がいのある人もない人も共に生きるまちづくり条例(仮称)」の制定を検討するに当たり,障がい当事者,有識者,市民等の幅広い意見を聴くことを目的として設置され,平成28年8月から平成29年3月までの間に合計8回の会議を開催し,委員18人により条例に規定する基本的な事項について議論してまいりました。  具体的には,第1回会議において,差別事例の報告と条例の基本的な方向性についての議論を行った後,第2回会議から第5回会議では条例骨子案について,第6回会議から第7回会議では条例原案について,各委員から様々な質問,意見・要望を述べていくという形で,議論を重ねてまいりました。  この報告書は,本条例検討会議で重ねられた議論を踏まえ事務局がとりまとめた条例原案を記した上で,会議において,条例原案のそれぞれの項目について各委員から示された意見及びそれに対する対応や考え方をとりまとめたものです。  条例原案の項目の中には,各委員の意見が一致したもの,あるいは概ね一致したものだけではなく,一致しなかったものもあります。しかし,何れの項目についても,各委員において真摯に議論を重ね,多くの問題点や問題解決に有益な視点などを示すことができたのではないかと考えております。  福岡市におかれましては,本条例検討会議における議論を十分に踏まえ,ユニバーサル都市・福岡にふさわしい条例の制定に向け鋭意取り組まれますようお願いするとともに,施策を推進されることを期待するものであります。     平成29年5月19日           福岡市障がいを理由とする差別を解消するための条例検討会議                            会長  山 下 義 昭 条例検討会議委員の想い  福岡市では,みんながやさしい,みんなにやさしい「ユニバーサル都市・福岡」をまちづくりの目標像として掲げ,市政の柱として推進しています。 この条例は,障がいを理由とする差別を解消するための基本理念を掲げ,施策の基本事項を定めることで,共生社会の実現を目指すものであり,「ユニバーサル都市・福岡」の目標達成に向け,大きな役割を果たすものであると思います。    平成28年4月に障害者差別解消法が施行されましたが,障がい者が置かれた状況にはまだまだ困難なものがあります。何人も,障がいを理由とするあらゆる差別を行ってはならないことは,本来,法律や条例に規定するまでもなく当然のことですが,現実には,障がい者と交流する機会の不足等により,障がいや障がい者に対する理解が進まず,知らず知らずのうちに障がい者にとって不利益な取扱いをしたり適切な配慮をしなかったりすることがあるのではないでしょうか。  本条例検討会議では,そのような実態を踏まえ,以下のような基本的立場を共有したうえで検討を進め,原案に盛り込むこととしました。 @ 障がいを理由として不当な差別的取扱いを行うことは重大な人権侵害であること。  「福岡市に障がい者差別禁止条例をつくる会」のアンケート結果にもあるように,障がいのある人が障がいを理由として不利益な取扱いを受けているという実態があります。  そのため,第2条(基本理念)において,何人も不当な差別的取扱いをしてはならない旨を規定し,施策全体に通底する考え方として示しました。  また,事業者に関しては,第7条(不当な差別的取扱いの禁止)において,障がい者との関係が深い分野について,禁止事項を例示列挙として示しました。 A 障がい者との交流を通じた相互理解を深めること。  市民には,まず障がいや障がい者を理解してもらうことが重要であり,また,障がいの種類が異なる障がい者同士の相互理解も必要です。 第9条(啓発活動等)において,市が啓発活動を行うことに加え,第10条(交流の推進)を規定したところです。 B 障がい者への合理的配慮の考え方を広く事業者や市民に啓発することが重要であること。 合理的配慮の考え方は,障害者基本法,障害者差別解消法で出てきた新しい概念であり,委員においても一定の認識に至るまで時間を要したほどであり,市民にはまだまだ浸透していない状況です。 このため,特に合理的配慮に関しては,上記Aの啓発活動等に加え,第12条(表彰)において,功績のあった事業者を表彰する仕組みを規定しました。 C 差別をする側とされる側とに分けた対立構造とするのでなく,相互の立場を踏まえた建設的な対話を行うことが重要であり,それを踏まえた相談体制を構築すること。  対立構造ではなく建設的な対話を行うためには,まず,障がいを理由に差別を受けた人と,差別をしたと言われた人(事業者等)が,誰かに気軽に相談し,対話を求めることができる環境が必要です。  そのために,第11条(相談体制の充実)において,市が体制の充実を図ることとしたところです。 D 差別に関する紛争が発生してしまった場合に備えて,実効性のある紛争解決手段を構築すること。   差別に関する紛争が発生しても,上記Cのとおり,相互の立場を踏まえて建設的対話により解決されることが基本ですが,実効性を確保するための体制整備も必要です。 そのため,第3章第2節(差別に関する相談等)では,障害者差別解消法において各主務大臣にある事業者への指導権限を福岡市に併せて付与し,たらいまわしのない相談・指導体制の充実を図ることとしております。 また,特に悪質で指導に従わない事業者に対応するため,法にはない公表という手段を設けたところですが,これについては,あくまで極めて例外的な手段であると考えています。  検討会議として,この条例の中でもっとも大切にしたいと考えているところは,相談体制の充実です。「ユニバーサル都市・福岡」の条例として,最も基本的な考え方は,市民の障がいの理解が進むことであり,そのためには交流や対話が必要であり,対話は相互の立場を踏まえた建設的なものであるべきということです。そして,そのような対話を促進するのは,福岡市の実情に合った相談体制をしっかり構築することです。 具体的には,C,Dで述べたとおりで,条例原案の条文としては詳細に記述していませんが,検討会議では,相談体制の在り方については議論に時間をかけたところです。その内容は後述の考え方に要点を記載していますので,条例の施行に向けては,それらの考え方を踏まえ,全国のモデルとなるような相談体制の整備を行っていただきたいと思います。  行政はもとより,事業者や市民ひとりひとりが,様々な場面で「何かお手伝いすることがありますか。」という素直な気持ちから,障がい者に対する配慮を自然に行えるようになることを望む気持ちは,委員全員の共通の想いです。  条例は,「ユニバーサル都市・福岡」を実現するための手段の一つであり,他の法令や福祉施策等と有機的に連携することで,みんながやさしい,みんなにやさしいまちづくりが推進されなければなりません。 今後,市,事業者及び市民全員が一体となって,障がいを理由とする差別のない世の中を目指して努力を続けていくことが必要であり,この条例がその一助となれば幸いであると考えています。  個々の委員の意見については,後述の条文における考え方をご参照いただきたいと思いますが,報告書に書ききれなかった委員意見等もありますので,公開されている会議資料や議事録等をご参照いただければ幸いです。 目 次 第1 「福岡市障がいを理由とする差別をなくし障がいのある人もない人も共に生きるまちづくり条例(仮称)」原案の考え方及び委員意見 ・・・・・・・・・・1 第2 条例検討会議の検討経過 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29   第3 条例検討会議委員名簿 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30 付録 差別事案が発生した場合のフローチャート ・・・・・・・・・・・・・・31 第1 「福岡市障がいを理由とする差別をなくし障がいのある人もない人も共に生きるまちづくり条例(仮称)」原案の考え方及び委員意見 条例原案 条例名 福岡市障がいを理由とする差別をなくし障がいのある人もない人も共に生きるまちづくり条例 【考え方】  福岡市の市政の柱の一つである「ユニバーサル都市・福岡」の趣旨を踏まえ,条例原案の題名を「福岡市障がいを理由とする差別をなくし障がいのある人もない人も共に生きるまちづくり条例(仮称)」としています。 【委員意見】 ○ 条例名を「差別をなくし障がいのある人もない人も共に生きる」としていただきたい。 目次 目次  前文  第1章 総則(第1条―第6条)  第2章 障がいを理由とする差別の禁止(第7条・第8条)  第3章 障がいを理由とする差別を解消するための施策等   第1節 基本的な施策(第9条―第12条)   第2節 差別に関する相談等(第13条―第18条)  第4章 福岡市障がい者差別解消推進会議(第19条―第24条)  第5章 福岡市障がい者差別解消審査会(第25条―第30条)  第6章 雑則(第31条・第32条)  附則 前文 すべて人は,障がいの有無にかかわらず,平等に,かけがえのない個人として尊重され,地域社会で自らの個性と能力を発揮しながら心豊かに生活する権利を有している。 しかしながら,現実には,日常生活の様々な場面で,障がいのある人が障がいを理由として不利益な取扱いを受けているという実態がある。また,障がいのある人が,自己実現を求め,自分の望むような社会参加をしたいと願っても,それを困難にしている物理的な問題に加え,障がいや障がいのある人に対する誤解,無理解,偏見などに基づく社会的障壁が存在し,障がいのある人の社会参加の妨げとなっている。障がいのある人の多くがこのような不利益な取扱いや社会的障壁のために,自ら望むあり方で生きることを諦めざるを得ず,日常生活の様々な場面において家族等に依存することを余儀なくされ,その家族等を失えばたちまち生活自体が困難になってしまう状況にあり,家族の不安もまた非常に深刻かつ切実である。 日本国憲法においては,個人の尊重と法の下の平等がうたわれており,我国では,障害者の権利に関する条約の批准や障害者基本法の改正,障がいを理由とする差別の解消の推進に関する法律の制定など,障がいを理由とする差別の解消に向けた様々な取組みがなされてきた。 福岡市においても,国際社会や国の動向を踏まえた取組みを進めてきたが,障がいを理由とするいかなる種類の差別もない社会を実現するためには,市,事業者及び市民が一体となって努力していくことが必要である。 このような認識のもと,障がいを理由とする差別の解消の推進に向けた基本理念を明らかにし,障がいの有無にかかわらず,すべての人が個人として尊重される社会の実現を目指して,この条例を制定する。 【考え方】  条例制定時の社会背景や条例の必要性等を前文という形で残すとともに,差別の解消に向けた福岡市としての強い決意を示すため,前文を置いています。  障がい者の置かれている実態やこれまでの条約や法令の制定を踏まえ,今後,福岡市が市民や事業者と一体となって差別解消に取り組んでいく決意を述べています。    【委員意見】 ○ 前文,目的,基本理念の文言・趣旨が重複しないよう留意願いたい。 ○ 「憲法,障害者権利条約,障害者基本法,障害者差別解消法に則る」旨を規定すべきだ。 ○ 「共生社会の実現」に近い言葉を入れるべきだ。人それぞれが持つ個性を認め合い,助け合う社会を共に作りあう,考慮しあう社会(まちづくり)が必要である。 ○ 「福岡市は,人としての尊厳と価値を具現化するために障がいのある人の完全な社会参加と平等な権利保障を目指す」旨を規定すべきだ。 第1章  総則 第1条  (目的) 第1条 この条例は,障がいを理由とする差別を解消するための基本理念を定め,市の責務並びに事業者及び市民の役割を明らかにするとともに,その実現のための施策の基本となる事項を定めることにより,障がい者が,社会を構成する主体の一員として,自らの意思で社会のあらゆる分野における活動に参画し政策決定に関わることができる環境を構築し,もってすべての人が相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することを目的とする。 【考え方】  条例の立法目的を簡潔に表現し,条例全体の解釈・運用の指針とするため,目的規定を置きます。共生社会の実現を究極の目的とし,その手段として,基本理念や施策の基本的事項を定めることを規定しています。 障がい者の権利が当然に擁護されるべきとの趣旨を含めるため,前文,第1条及び第2条を通じて,障がい者が障がいを理由として不利益な取扱いを受けてきたという実態と,障がい者の人権が障がい者でない者と同等に保障されるべきであるという根本原則を述べています。 また,社会的障壁の除去のために「合理的配慮」を行うことが促進される必要があることについては,第2条に規定しています。 【委員意見】 ○ 障がい者の救済の仕組みという観点と,障がい者が普通の市民生活を享受できるようにするという観点から,「権利擁護」という文言を入れるべきだ。また,条例ができた後の差別解消の進展に寄与するという意味で,「合理的配慮」の文言も入れていただきたい。 ○ 障がい者の権利が守られていないという実態があるので,権利を保障するというスタンスで条例をつくり,それを目的にすべきだ。 ○ 権利擁護に関する規定は,基本理念に入れてはどうか。 ○ 目的規定は「共生社会の実現」をシンプルに表現して,それ以外の大事なポイントを基本理念に書くべきだ。 ○ 「自立」に関するとらえ方が,障がいのある人とそうでない人の間で理解の内容が異なるため,骨子案の「社会を構成する一員として社会活動に参加し」に,「自立した日常生活を営み」を加えていただきたい。 ○ 「自らの意思で社会のあらゆる分野における活動に参画」の後に,「政策決定に関わる」旨の文言を規定すべきだ。 第2条  (基本理念) 第2条 障がいを理由とする差別の解消の推進は,次に掲げる基本理念(以下「基本理念」という。)に基づき行うものとする。  (1) すべての障がい者が,障がい者でない者と等しく,基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んぜられ,その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有すること。  (2) 何人も,不当な差別的取扱いにより障がい者の権利利益を侵害してはならないこと。  (3) 社会的障壁の除去のためには,合理的配慮を行うことが促進される必要があること。  (4) 何人も,障がい者との交流を通じて障がい又は障がい者に対する理解を深めていくこと。  (5) 障がいを理由とする差別に関する紛争が発生した場合には,相手方の立場を踏まえた建設的な対話を行うことにより解決することを基本とすること。  (6) すべての障がい者は,どこで誰と生活するかについての選択の機会が保障され,地域社会において他の人々とともに暮らす権利を有すること。  (7) すべての障がい者は,言語(手話を含む。)その他の意思疎通のための手段及び情報の取得又は利用のための手段を選択する機会が保障される権利を有するとともに,障がい者に対しては,コミュニケーション及び意思決定の支援並びにこれらの選択の機会を保障する必要があること。  (8) 女性である障がい者は,障がいに加えて女性であることにより複合的に困難な状況に置かれている場合があること,及び児童である障がい者に対しては,年齢に応じた適切な支援が必要であることを踏まえること。  (9) 非常災害時において障がい者の安全を確保するため,非常災害に備えた地域における支援体制の整備及び非常災害発生時における適切な支援が求められること。 【考え方】  障害者権利条約や障害者基本法の理念を踏まえつつ,交流を通じて理解を深め,建設的対話による相互理解の気運を醸成するなど,「ユニバーサル都市・福岡」実現を目指すために,前文や第1条(目的)のほか,本条で基本理念を規定し,条例全体に通底する基本原理(強調したい理念や方針)を規定しています。 【委員意見】 ○ 「全ての障がいのある人は,社会,経済,文化その他あらゆる分野の活動に参画する機会が保障されること。」という規定を入れるべきだ。 ○ 「全ての障がいのある人は,言語(手話を含む)その他の意思疎通のための手段についての選択の機会が保障されるとともに,情報の取得または利用のための手段についての選択の機会が保障されること。障がいのある人には,コミュニケーション,意思決定支援及びその選択の機会の保障の必要性があること。」という規定を入れるべきだ。 ○ 「障がいを個人の責任によるものではなく,社会環境との相互作用によるものであり,発展する概念であるという社会モデルの考えに立つこと。」という規定を入れるべきだ。 ○ 社会モデルについての考えが差別解消の背景にあることは間違いないが,社会モデルという考え方は一つの立場であり,障がいをどう捉えるかについては,医療は医療の立場からの捉え方がある。基本理念の中で,正面から社会モデルの立場を宣言した場合,他の立場を否定するように受け取られかねないので,抵抗がある。 ○ 社会モデルの考え方は差別解消法の精神的支柱の一つであり,この考え方を後退させるような発言や記述はすべきでない。 ○ 「救済」,「参画の保障」,「政策決定」の文言を入れていただきたい。 ○ 共生社会の実現のため,@障がいのある人は,障がいのない人と同等の権利を有している,A何人も,障がい者に対して,障がいを理由として差別的取扱いをしてはならない,B差別解消の推進のため,障がいのある人とない人が交流し,相互理解を深める,の3つの要素を最低でも盛り込むべきだ。 ○ 「建設的な対話」と規定することにより,差別に対する市民の意識の醸成を押さえつけるものであってはならない。 ○ 義務規定又は基本理念として,目指すべき方向性を示すという意味で,不当な差別的取扱いと合理的配慮を分けずシンプルに「何人も差別をしてはならない。」と規定すべきだ。 ○ 条例は法で解決できないものを解決するために規定すべきであり,メッセージ性が重要である。また,早期に合理的配慮の考え方を浸透させるためにも,本条に「何人も合理的配慮を行う必要がある」旨を規定するべきだ。 ○ 障害者差別解消法では,個人の思想や言論を規制するおそれのあるため,一般私人については法による規制対象とはしておらず,本条例でも同様に考えるべきだ。合理的配慮は,何らかの作為を求めるものであり,それは個人の思想や言論に入り込むおそれのあるものである。何人も合理的配慮をすべきであることはそのとおりだが,それは道徳的にそうであるということであり,法と道徳とは区別すべきである。  第3条  (定義) 第3条 この条例において使用する用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。  (1) 障がい 身体障がい,知的障がい,精神障がい,発達障がい,難病その他の心身の機能の障がいをいう。  (2) 障がい者 障がいがある者であって,障がい及び社会的障壁により継続的,断続的又は周期的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。  (3) 社会的障壁 障がいがある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物,制度,慣行,観念その他一切のものをいう。  (4) 障がいを理由とする差別 客観的に正当かつやむを得ないと認められる特別の事情がないにもかかわらず,不当な差別的取扱いを行い,又は合理的配慮をしないことをいう。  (5) 不当な差別的取扱い 正当な理由なく,障がいを理由として,障がい者でない者と異なる不利益な取扱いをすることをいう。  (6) 合理的配慮 障がい者の性別,年齢及び障がいの状態に応じた社会的障壁の除去のための必要かつ合理的な現状の変更又は調整をいう。  (7) 事業者 市内で事業を行う者(国,独立行政法人等,地方公共団体(地方公営企業法(昭和27年法律第292号)第3章の規定の適用を受ける地方公共団体の経営する企業を除く。)及び地方独立行政法人を除く。)をいう。  (8) 独立行政法人等 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成25年法律第65号。以下「法」という。)第2条第5号に規定する独立行政法人等をいう。  (9) 地方独立行政法人 法第2条第6号に規定する地方独立行政法人をいう。  (10) 自治組織 町内会,自治会その他の市内の一定の区域に住所を有する者の地 縁に基づいて形成された団体をいう。 【考え方】  条例の中で用いる用語の意義を明確にし,解釈上の疑義をなくすため,定義規定を置いています。 障害者差別解消法は,障害者基本法と同様に障害者権利条約の考え方を反映したものであるとされていることから,本条例においては,障害者差別解消法との整合性を考慮した定義の仕方としています。 障害者差別解消法では,合理的配慮の不提供も「差別」に当たるとされており,本条例においても,「不当な差別的取扱い」と「合理的配慮の不提供」を差別と定義しています。 【委員意見】 ○ 障がいを定義する際に,発達障がいや難病を個別に規定していただきたい。 ○ 「障がい」の定義を,社会モデルの考え方に立った条約の定義にあわせた形(「身体障がい,知的障がい,精神障がい,発達障がい,難治性疾患その他の心身の機能障がい及び社会的障壁によって,継続的又は断続的に日常生活又は社会的に相当な制限を受ける状態」)にすべきだ。 ○ 「自立」に関するとらえ方が,障がいのある人とそうでない人の間で理解の内容が異なるため,用語の定義に「自立」を加えるべきだ。 ○ 差別解消法にはない「差別」の定義を入れるべきだ。 ○ 差別の定義に「合理的配慮の不提供」を含めるべきだ。 ○ 事業者の合理的配慮は努力義務であり,障害者差別解消法でも事業者の合理的配慮の不提供が「差別」に当たるとか「違法」になるとは明確に規定していないのではないか。「障がいを理由とする差別」の内容に合理的配慮を入れるのは慎重に考えるべきだ。  第4条  (市の責務) 第4条 市は,基本理念にのっとり,障がい及び障がい者に対する理解の促進を図るとともに,障がいを理由とする差別の解消に関する施策を策定し,及びこれを実施するものとする。 【考え方】  基本理念を踏まえ,障がい及び障がい者に対する理解の促進と差別解消に関する施策を市が策定・実施することを定めています。 【委員意見】 ○ 「市民に対し,差別のない地域社会を作るための施策や啓発などをはじめとする積極的な取組みについて責任をもつこと」を規定すべきだ。 ○ 「市が率先して合理的配慮を提供する」旨を規定すべきだ。 ○ 「現在の制度や施策についても,差別解消の視点から見直しを行うこと」を規定すべきだ。 ○ 「市は,障がいを理由とする差別の解消に関する施策を推進するため,予算の範囲内において,必要な財政措置を講ずるものとする。」旨を規定すべきだ。 ○ 合理的配慮の提供推進に係る市の助成を謳い込むべきだ。 ○ 障がいを理由とする差別を解消するための施策の推進の具体的な内容を謳い込むべきだ(例:教育,保育,療育,就労支援,情報及び意思疎通の支援,地域生活の支援,防災対策,政策形成過程への参画の推進)  第5条  (事業者の役割) 第5条 事業者は,基本理念にのっとり,障がいを理由とする差別の解消のための取組みを積極的に行うとともに,市が実施する障がいを理由とする差別の解消に関する施策に協力するよう努めるものとする。 【考え方】  「ユニバーサル都市・福岡」は,行政だけで実現できるものではなく,民間事業者にも一定の協力を求めていく必要があり,その役割を規定しています。 【委員意見】 ○ 事業者にも「責務」とすることで,市と同じ責務を事業者にも求められるのではないかという不安があるため,本条は「責務」ではなく「役割」にしていただきたい。  第6条  (市民等の役割) 第6条 市民及び自治組織は,基本理念にのっとり,障がいを理由とする差別をなくすよう努めるとともに,すべての人が相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の構築に寄与するよう努めるものとする。 【考え方】  市民に加えて,町内会などの自治組織においても,共生社会実現への努力を求めることとしております。 【委員意見】 ○ 市民の責務は,「役割」や「努力」という文言でなるべくソフトにしていただきたい。 ○ 地域コミュニティにおける差別も多いので,地域コミュニティに関する規定を設けるべきだ。 第2章 障がいを理由とする差別の禁止 第7条  (不当な差別的取扱いの禁止) 第7条 市及び事業者は,その事務又は事業を行うに当たり,次に掲げる取扱いその他の不当な差別的取扱いにより,障がい者の権利利益を侵害してはならない。  (1) 福祉サービスの分野における次に掲げる取扱い   ア 第三者の生命,身体又は財産を保護するためやむを得ない場合その他の客観的に合理的な理由がある場合を除き,障がいを理由として,福祉サービスの提供を拒否し,若しくは制限し,又はこれに条件を付すること。   イ 福祉サービスの利用に関する適切な相談及び支援が行われることなく,障がい者の意思に反して,障害者支援施設(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)第5条第11項に規定する障害者支援施設をいう。)その他の福祉サービスを行う施設における生活を強制すること。  (2) 医療の分野における次に掲げる取扱い   ア 第三者の生命,身体又は財産を保護するためやむを得ない場合その他の客観的に合理的な理由がある場合を除き,障がいを理由として,医療の提供を拒否し,若しくは制限し,又はこれに条件を付すること。   イ 他の法令に特別の定めがある場合を除き,障がい者の意思に反して,入院その他の医療を受けることを強制し,又は自由な行動を制限すること。  (3) 教育,療育及び保育の分野における次に掲げる取扱い   ア 客観的に合理的な理由がある場合を除き,障がいを理由として,教育,療育若しくは保育を行うことを拒否し,若しくは制限し,又はこれらに条件を付すること。   イ 障がい者若しくはその保護者(学校教育法(昭和22年法律第26号)第16条に規定する保護者をいい,同条に規定する保護者のない場合における里親(児童福祉法(昭和22年法律第164号)第27条第1項第3号の規定により委託を受けた里親をいう。)その他の政令で定める者を含む。)の意見を聴かず,若しくは意思を尊重せず,又はこれらの者に必要な説明を行わずに,障がい者が就学する学校(学校教育法第1条に規定する小学校,中学校,中等教育学校(前期課程に限る。)又は特別支援学校(小学部及び中学部に限る。)をいう。)を決定すること。  (4) 雇用の分野における次に掲げる取扱い   ア 業務の性質上やむを得ない場合その他の客観的に合理的な理由がある場合を除き,障がいを理由として,障がい者の応募若しくは採用を拒否し,若しくは制限し,又はこれらに条件を付すること。   イ 合理的配慮を行ってもなお業務の遂行が困難な場合その他の客観的に合理的な理由がある場合を除き,障がいを理由として,賃金,労働時間,配置,昇進,教育訓練,福利厚生その他の労働条件について障がい者でない者と異なる不利益な取扱いをすること,又は解雇し若しくは退職を強制すること。  (5) 建物及び公共交通機関の分野における次に掲げる取扱い   ア 建物の構造上やむを得ないと認められる場合その他の客観的に合理的な理由がある場合を除き,障がいを理由として,不特定多数の者の利用に供される建物の利用を拒否し,若しくは制限し,又はこれに条件を付すること。   イ 旅客施設(高齢者,障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成18年法律第91号)第2条第5号に規定する旅客施設をいう。)若しくは車両等(同条第7号に規定する車両等をいう。)の構造上やむを得ないと認められる場合その他の客観的に合理的な理由がある場合を除き,障がいを理由として,公共交通機関(交通機関の用に供する電車,バス,船舶,タクシー及び飛行機をいう。)の利用を拒否し,若しくは制限し,又はこれに条件を付すること。  (6) 情報の提供及び意思表示の受領の分野における次に掲げる取扱い   ア 障がい者から情報の提供を求められた場合において,当該情報の提供により他の者の権利利益を侵害するおそれがあると認められる場合その他の客観的に合理的な理由がある場合を除き,障がいを理由として,情報の提供を拒否し,若しくは制限し,又はこれに条件を付すること。   イ 障がい者が意思を表示する場合において,その選択した意思表示の方法によっては当該意思を確認することに著しい支障がある場合その他の客観的に合理的な理由がある場合を除き,障がいを理由として,意思表示の受領を拒否し,若しくは制限し,又はこれに条件を付すること。  (7) 商品の販売等及び不動産の売買等の分野における次に掲げる取扱い   ア 客観的に合理的な理由がある場合を除き,障がいを理由として,商品の販売若しくはサービス(福祉サービスを除く。)の提供を拒否し,若しくは制限し,又はこれらに条件を付すること。   イ 建物の構造上やむを得ないと認められる場合その他の客観的に合理的な理由がある場合を除き,障がいを理由として,不動産の売買,賃貸,転貸若しくは賃借権の譲渡を拒否し,若しくは制限し,又はこれらに条件を付すること。 【考え方】 市及び事業者について,不当な差別的取扱いをしてはならない旨を規定し,特に障がい者との関係が深い分野について,禁止事項を例示列挙として示しました。 第2条第2号(基本理念)には,「何人も,不当な差別的取扱いにより障がい者の権利利益を侵害してはならない」旨の規定を置いておりますが,具体的な禁止事項を定める本条においては,対象を「市及び事業者」としております。 不当な差別的取扱いの禁止の対象を「市及び事業者」としたのでは,市民は差別してもよいと解釈されるおそれがあるとの意見もありましたが,何人も不当な差別的取扱いをしてはならないことは,理念としてはそのとおりであるとしても,具体的に一般市民を対象として規定し,民法・刑法などの一般法以上に行動を制約することは,他の法令とのバランスを欠くものとなるとの考えもあり,本条ではこのように整理しています。 【委員意見】 ○ 不当な差別的取扱いの禁止の対象を「市及び事業者」としたのでは,市民は差別してもよいと解釈されるおそれがある。本条の対象を「何人も」とするか,あるいは第2条の基本理念にある「何人も不当な差別的取扱いをしてはならない」旨の規定を本条の前に独立して置くべきだ。 ○ 「障がい者に対し差別をしないこと」を全ての市民に共通のルールとして理解してもらうため,「何人も差別をしてはならない」と規定し,不当な差別的取扱いの禁止及び合理的配慮の提供を義務規定とすべきだ。 ○ 九州の代表として,ユニバーサル都市・福岡にふさわしい条例とするため,不当な差別的取扱いの禁止の対象を「何人も」とすべきだ。 ○ 障害者差別解消法と同じ枠組み(「不当な差別的取扱いの禁止」は行政機関・事業者が義務,「合理的配慮の提供」は行政機関が義務,事業者が努力義務)では,条例をつくる意味があるのか。 ○ 「何人も」という規定については,基本理念に記載されていればよいと思う。 ○ いわゆる宣言規定と実際に行政権限を発動していく規定とは,分けて書くべきだ。例えば,児童虐待防止法や障害者虐待防止法では,「何人も虐待してはいけない」という規定があるが,これは宣言規定であり,実際に行政権限を発動する際の根拠規定とはなっていない。 ○ 障がいを理由とする差別に限らず,あらゆる差別的取扱いによって人格権を侵害するようなことがあれば,民法上の不法行為や刑法上の処罰の対象となり得るものであり,何人も,差別的取扱いをして人格権を害するということはすでに法律で制約を受けている。本条は,そのように法的に保護されているものに上乗せをするという意味である。   仮に本条で不当な差別的取扱いの禁止の対象を「何人も」とした場合,人種差別,宗教差別,性的傾向による差別など,他にも様々な差別がある中で,障がいを理由とする差別についてのみ,市民は上乗せして制約を受けることとなるが,それはバランスが取れないのではないか。また,条例により市民に差別的取扱いの禁止や合理的配慮の義務付けをすることは,個人の思想,言論の自由に踏み込む制約となることに留意すべきである。市民個人に対するこのような制約は,民法や刑法での一般的制約を超えて条例で課すべきものではない。 ○ 社会生活領域ごとに分けることについては,ガイドラインで規定すればいいのではないか。 ○ 学校現場では,知的理解は進んでいるがなかなか行動が伴わないという実態があり,教育の在り方を再度考えていかなければならないと感じている。 第8条  (合理的配慮) 第8条 市は,その事務又は事業を行うに当たり,障がい者及びその家族その他の関係者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において,その実施に伴う負担が過重でないときは,障がい者の権利利益を侵害することとならないよう,合理的配慮をしなければならない。 2 事業者は,その事業を行うに当たり,障がい者及びその家族その他の関係者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において,その実施に伴う負担が過重でないときは,障がい者の権利利益を侵害することとならないよう,合理的配慮をするように努めなければならない。 【考え方】  障害者差別解消法を踏まえ,社会的障壁を除去するための合理的配慮を行わないことは,障がいを理由とする差別であるとし,市及び事業者に法的義務または努力義務を課しています。この条文に関してはさまざまな意見が出ており,次ページの各委員の意見を踏まえ,以下のとおり整理しました。  民間事業者についても法的義務にすべきであるとの強い意見もありましたが,一方で,民間事業者における合理的配慮の提供には様々なことが考えられ,何をしなければならないのかが具体的場面等によって異なるため,一律に義務付ける規定とすることは,様々な法的問題が生じることが懸念されるとの意見もあり,義務規定とはしておりません。  今後,合理的配慮の概念が浸透し,事業者がなすべきことが明確になった段階では,義務付けることを検討する必要があります。 また,「何人も」合理的配慮の提供を行うべきである旨の規定を盛り込むべきであるとの強い意見もありましたが,一般市民による障がい者への配慮に関しては,条例で強制することが,必ずしも適切かつ効果的な手法ではないとの考えもあり,また,一般市民の思想信条に踏み込むことになるのは適当でないとの考えもあることから,今回の条例原案では市民の行動を直接規制する規定は盛り込んでおりません。  なお,「意思の表明があった場合において」という規定について,意思表明が困難な場合で必要性が明白な場合は,合理的配慮の提供を義務とすべきであるとの意見もありましたが,建設的対話を通じてその具体的内容が定まっていく合理的配慮について,障がい者やその家族等からの意思の表明がない場合にこれを義務付けることは,現実の場面での必要性はあるにしても条例で規定することは困難との考えもあり,規定していません。  ただし,意思表明の主体を「障がい者及びその家族その他の関係者」とし,障害者差別解消法より広く捉えることとしました。 【委員意見】 ○ 社会の重要な構成者である事業者については,市と同様のレベルの対応を求めるべきであり,事業者の合理的配慮の提供は一律に義務とすべきだ。 ○ 条例としてのメッセージを強く打ち出すべきであり,マイノリティの権利擁護を行うという視点からも,事業者の合理的配慮の提供は一律に義務とすべきだ。義務規定であっても,本条例は,罰則によって取り締まったり規制する条例ではなく,違反しても罰せられないのではないか。 ○ 障害者基本法では,「何人も,障害者に対して,障害を理由として,差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない。」と規定されており,その範囲は福岡市で生業を営むすべての市民・事業者なのだから,「何人も」に対し「合理的配慮」を求める・促す文言にすべきだ。 ○ 「負担が過重でないとき」という要件が負担を拡大解釈しないための歯止めになっているはずだから,事業者の合理的配慮の提供は義務としても問題はないはずだ。 ○ 障害者雇用促進法においては,雇用主の被用者に対する合理的配慮の提供は義務となっているが,これは,障害者権利条約において「職場において合理的配慮が障害者に提供されることを確保すること」とされていること,障がい者の自立や社会参加にとって極めて重要な分野であること,労働者と事業者とは雇用契約における継続的な関係にあるとともに,一般に労働者は事業者の指揮命令下にあること等の理由がある。   一方,障害者差別解消法の場合,「事業者」には個人事業主やボランティア団体,NPO法人など,同種の行為を反復継続して事業を行っている者が広く含まれる。そうすると,雇用関係などにないため,事業者にとっては障がい者がどのような人か分からないわけであり,要は他人の関係で,かつ雇用関係のような指揮命令下にはもちろんない。法的に義務を課すとすれば,あらかじめどのような義務なのかというのが想定できなければならないところ,契約関係にもない事業者と障がい者の間で義務の内容を特定するのは困難である。 また,事業者の障がい者に対する影響は,雇用関係の場合に比べ非常に小さい。 さらに,事業者の経済活動との調整をどうするのかという法的な問題もある。 合理的配慮の提供を義務とすることにより,条例としてのメッセージを強く打ち出すべきだとの意見については,合理的配慮の提供は,本来お互いに話をして,納得をしながら建設的に進めていくというものであり,それを義務規定のような形にして,メッセージ的な意味を持たせることは問題がある。本来,義務規定でないのに義務規定のような形にした場合,濫用されるおそれも考慮に入れなけれければならない。 ○ 合理的配慮の提供については,市は義務,事業者は努力義務とし,市民は対象とすべきでない。 ○ 障がい者本人が意思表明をすることが難しい場合は,その本人を支援する人が,本人のため意思表明ができることを明示すべきだ。 ○ 事業者は,「過度な負担」を理由に配慮を断ることができることを明示すべきだ(この場合,配慮を求めた本人にその理由を説明すること)。 ○ 障がい者の意思の表明が困難で,代弁者もいない場合もあるため,「合理的配慮の提供が必要と認識できる場合」についても合理的配慮をすべき旨を規定すべきだ。 ○ 意思の表明がない場合にまで合理的配慮を義務づけるのは難しいのではないか。 ○ 条例原案は技術面の議論に終始し,合理的配慮のメッセージ性が薄まったことが残念である。 ○ 合理的配慮の提供は,親切(善意)から生じるものではなく,社会のルールとして定着しなければならないものだと思う。 第3章 障がいを理由とする差別を解消するための施策等 第1節 基本的な施策  第9条及び第10条  (啓発活動等) 第9条 市は,事業者,市民及び自治組織の障がい及び障がい者に対する理解を深めるために必要な啓発活動を行うとともに,事業者が障がいを理由とする差別の解消のための取組みを積極的に行うことができるよう,事業者に対し,情報の提供を行うものとする。  (交流の推進) 第10条 市は,障がい者と障がい者でない者の交流の推進に必要な施策を実施するものとする。   【考え方】 第2条第4号(基本理念)にあるように,差別を解消するためには,交流を通じて障がい及び障がい者に対する理解を深めることが重要であると考え,啓発活動及び交流の推進について,市の基本的施策として位置づけています。 【委員意見】 ○ 市の責務としての取組み,市の施策の推進としての福岡市の具体的な取組み,例えば,啓発活動及び交流の推進,教育・保育・療育,政策形成過程への参画の推進などを規定していただきたい。 ○ 差別をいかに起こさせないか,差別がいかにいけないことなのかを啓発していくことが重要だ。 ○ 何をどの程度行えば条例の効果が期待できるのか,市民に理解してもらえる啓発活動になるのかが気になる。 ○ 条例制定時には,市民や事業者の理解できる広報・啓発活動をお願いしたい。 ○ 市は合理的配慮の提供に関する情報を集積し,事業者に対し必要な情報の提供を行うという考え方を規定すべきだ。 ○ 差別をなくしたり,合理的配慮の提供を促進するには,条例に対する市民の理解を進めることが不可欠である。そのため,基本理念でも取り上げている障がい者との交流を通じて理解を深めていくという取組みを仕組みの一つの柱として謳うか,新しい項目を立ててほしい。 ○ この条例を市民に理解してもらうのは大変なので,啓発など重要な課題が残っていると思う。 ○ この条例を市民にどう啓発するかが重要であり,これからが我々委員の出番ではないかと思う。 ○ 今後,合理的配慮の事例を市民や事業者に伝えていくのが一番大事だと思う。 ○ 合理的配慮の考え方は難しいので,市民に啓発していく必要があると思う。  第11条  (相談体制の充実) 第11条 市は,基本理念にのっとり,障がいを理由とする差別に関する相談に的確に応じるための体制の充実を図るものとする。 2 市は,前項の体制を整備するに当たっては,当該体制が次の各号のいずれにも該当するよう考慮するものとする。  (1) 相談をする人にとって身近に相談窓口があること。  (2) 障がい及び障がい者に関し専門的知識を有する者が相談を受けること。 【考え方】  障がいを理由とする差別に関する紛争を防止・解決していくためには,双方の建設的対話によることを基本とすべきであると考え,相談体制を充実することとしております。 相談体制を整備するに当たっては,「身近さ」と「専門性」を両立させるように考慮することとし,詳細については,規則等に委任することとします。 基本的な考え方は,現在,差別の相談対応を行っている委託事業等を充実させて,第13条から第15条にある専門性のある相談を実施する体制を整備するとともに,身近な相談窓口として,前述の専門性のある相談に引き継ぐ等の体制を,区の基幹相談支援センター等と連携して構築することをイメージしており,条例の施行に当たり規則等を制定する場合においては,福岡市における相談支援等の現状に合致した独自の効果的な体制を,関係者が知恵を出し合って検討するよう要望します。 【委員意見】 ○ 相談体制を考えるに当たっては,「身近に相談できる窓口があること(身近さ)」と「専門性のある相談員がいること(専門性)」を両立させるような仕組みとすべきだ。 ○ 関係者双方の立場に立って,助言・調整できる調整力や制度の知識のある専門性ある相談員を配置すべきだ。また,差別に関しての相談は,多様な専門性が求められることを明記すべきだ。 ○ 相談する当事者は立場が弱く意思表示も困難が伴うため,相談窓口は複数設置すべきだ。 ○ 例えばハラスメント案件の場合,多くの相談窓口があり,そこで解決することが多い。相談窓口は多い方がよい。 ○ 相談を受ける相談員が,当該事例に一般化できる教訓が含まれることをきちんと把握して,推進会議に問題提起していくことが重要だ。 ○ 勧告や公表の是非を審議する審査会以外に,相談事例への丁寧な対応と専門性ある相談体制を担保しうる仕組みとして,相談に関する調整委員会等を設けるべきだ。 ○ 何のための相談なのか,相談体制を整備する目的は何か,どういう相談ができるのかなどが分かるような規定を置くべきだ。 ○ 相談体制について条例に書くのはいいが,果たしてマンパワーを確保できるのか。 ○ 最初から満点の相談体制をつくることは難しいと思う。今から私たちが育てていくというつもりで考えていくべきだ。 ○ 相談体制の整備に関する規則等の制定の際は,推進会議や差別解消支援地域協議会で案を練るべきだ。  第12条  (表彰) 第12条 市長は,合理的配慮をすることに関して功績のあった者に対し,表彰を行うことができる。 【考え方】  障がいを理由とする差別を解消するためには,合理的配慮の考え方を広めることが特に重要であると考え,啓発活動等に加え,合理的配慮の提供に功績のあった者に対し,表彰できることとしております。 第2節 差別に関する相談等 第13条から第15条  (相談) 第13条 障がい者及びその家族その他の関係者又は事業者は,市に対し,障がいを理由とする差別に関する相談(以下「特定相談」という。)をすることができる。 2 市は,特定相談を受けた場合は,必要に応じて次に掲げる対応を行うものとする。  (1) 必要な説明又は情報の提供  (2) 当該事案の関係者間の調整又はあっせん  (3) 関係行政機関に対する通告,通報その他の通知  (市長への申出) 第14条 特定相談をした障がい者及びその家族その他の関係者は,次の各号のいずれにも該当する場合は,市長に対し,その旨を申し出て,必要な指導又は助言をすることを求めることができる。ただし,当該申出をすることが障がい者の意思に反していることが明らかであるときは,障がい者の家族その他の関係者は,当該申出をすることができない。  (1) 事業者が第7条又は第8条第2項の規定に違反する取扱いを行ったことを理由として,特定相談がなされたとき。  (2) 事業者が前号の取扱いを是正する措置を講じないことにより,障がいを理由とする差別の解消の推進に支障が発生し,又は拡大するおそれがあるとき。 2 市長は,前項の規定による申出があったときは,当該申出に係る事実について必要な調査を行うことができる。 3 事業者は,前項の調査が行われるときは,これに誠実に協力しなければならない。 4 市長は,第1項の規定による申出があったときは,処理の経過及び結果を当該申出を行った者に通知するものとする。ただし,当該申出に係る事案が福岡市障がい者差別解消審査会に諮問されたときその他特別の理由があると認めるときは,この限りでない。  (指導又は助言) 第15条 市長は,前条第2項の調査の結果,当該申出に相当の理由があると認めるときは,必要な指導又は助言をするものとする。 【考え方】  紛争防止・解決の仕組みとして,第2節(第13条から第18条)において,相談窓口における調整・あっせん,市による助言・指導,勧告,公表の手続きを定めています。  相談については,障がい者のみならず事業者からの相談についても対応することとしています。 事業者が,第7条又は第8条第2項に違反した場合で,相談窓口による調整・あっせんでは解決できない事案ついては,申出に基づき市が調査を行い,市の行政指導により解決を図ることとします。 障害者差別解消法では,報告徴収,助言・指導,勧告の権限を主務大臣に置いていますが,条例制定により福岡市に権限を付与し,たらいまわしのない相談・指導体制の充実を図ることとしております。 なお,調整・あっせん,助言・指導という表現は,法との整合性を踏まえたものとして整理しました。 また,調整・あっせん,助言・指導を市が独断で行うものではなく,第4章に規定する福岡市障がい者差別解消推進会議またはその部会(相談部会)での意見を踏まえて実施することを想定するものです。 条例の施行に当たっては,この考え方を踏まえて,相談体制の整備と併せて,このような推進会議等による助言・調整機能の確保について,関係者による十分な検討を行うよう要望します。 【委員意見】 ○ 障がい者及び事業者双方が相談できる仕組みとすべきだ。 ○ 「指導」という表現は頭ごなしに従わせるというイメージがあり,警戒感を与えかねないので,もう少しソフトな表現にすべきではないか。 ○ 障害者差別解消法においても「助言,指導,勧告」と規定しており,「指導」とすることに特段の問題はないと考える。 ○ 助言,あっせんは行政行為として,相談活動とは峻別されるべきだ。実際の相談窓口等での運用の場面で,当該行為が調整,あっせん,指導,助言のいずれの行為なのか分からなくならないよう,適切に取扱いがなされるべきである。 第16条から18条  (審査会への諮問) 第16条 市長は,前条の指導又は助言(当該指導又は助言が,第7条の規定に違反することを理由として行われた場合に限る。)を行った場合において,当該指導又は助言を受けた事業者(以下「特定事業者」という。)が正当な理由なく当該指導又は助言に従わなかったときは,福岡市障がい者差別解消審査会に諮問することができる。  (勧告) 第17条 市長は,次の各号のいずれかに該当する場合は,特定事業者に対し,障がい者の権利利益を侵害しないための具体的な措置を示して勧告することができる。  (1) 福岡市障がい者差別解消審査会が勧告の必要があると認めるとき。  (2) 特定事業者が正当な理由なく第29条に規定する出席要求に応じず,又は虚偽の説明をし,若しくは資料を提出したとき。  (3) 特定事業者が当該指導又は助言に従わないことにより,障がいを理由とする差別の解消の推進に支障が発生し,又は拡大するおそれがあり,これらを防止するため緊急の必要があると認めるとき。 2 前項の規定による勧告については,福岡市行政手続条例(平成7年福岡市条例第56号)第2章及び第3章の規定は,適用しない。  (公表) 第18条 市長は,前条の規定による勧告を受けた者が,正当な理由なく当該勧告に従わないときは,その旨を公表することができる。 2 市長は,前項の規定による公表をしようとする場合には,あらかじめ,当該公表をされるべき者に対しその理由を通知し,意見を述べる機会を与えなければならない。 【考え方】  第15条に規定する行政指導では解決できないような悪質な事案について,障害者差別解消法において各主務大臣にある事業者への指導権限を福岡市に併せて付与します。  さらに,極めて悪質なケースが発生した場合の条例の実効性を確保する必要があることから公表についての規定も設けています。  勧告・公表については,本条例の趣旨は対話を促進することであることなどから条例に規定することは適当でないとの意見もありましたが,福岡市障がい者差別審査会での専門的かつ公正な審議により,公表される事業者側の手続保障を担保することは可能と考えられることから,公表についての規定を設けています。  なお,公表はあくまで例外的な手段であり,基本的には,調整・あっせん,指導・助言等の段階で解決が図られるべきです。 【委員意見】 ○ 公表については,他都市の条例の多くも規定しており,入れるべきだ。 ○ ほとんどの案件は相談の段階で解決すると考えられるが,指導や勧告でも改善されないような極めて悪質な事業者に対し,最後の一手として,公表の規定は設けておくべきだ。 ○ 公表の規定は入れるべきでない。本条例の趣旨は対話であり,公表を入れると条例の趣旨自体が曲がる可能性がある。公表という手段が共生社会の実現という目的と合致するのか。 ○ 勧告を繰り返しても改善されない場合,公表することには反対しない。ただし,その前の調整,あっせん,指導,助言に力を注ぎ,問題解決を図ることが重要である。公表はあくまで最後の手段と考えたい。 第4章 福岡市障がい者差別解消推進会議 第19条及び第20条  (設置) 第19条 市長の附属機関として,福岡市障がい者差別解消推進会議(以下「推進会議」という。)を置く。 2 推進会議は,法第17条第1項に規定する障害者差別解消支援地域協議会を兼ねるものとする。 3 推進会議は,障がいを理由とする差別の解消に関する重要な施策に関し,市長に対し,意見を述べることができる。    (所掌事務) 第20条 推進会議は,次に掲げる事務を行う。  (1) 障がいを理由とする差別の解消に関し必要と認められる事項について調査審議すること。  (2) 法第18条第1項に規定する事務  (3) 前2号に掲げるもののほか,障がいを理由とする差別を解消するために必要な事務 【考え方】  障害者差別解消法で地方公共団体が置くことができるとされている「障害者差別解消支援地域協議会」を福岡市の附属機関として設置し,法に規定する事務のほか,差別の解消に関する重要施策に関し,市長に意見を述べることができることとしています。 【委員意見】 ○ 差別をなくしていく仕組みや市民の理解を深めるための施策を検討する場として,推進会議を設置すべきだ。 ○ 推進会議が障害者差別解消法第17条の地域協議会を兼ねるという考えに賛成だ。 ○ 事業者の案件に限定することなく,行政機関による差別案件についても取り扱う必要があると考える。 第21条から第24条  (組織及び委員) 第21条 推進会議は,委員30人以内をもって組織する。 2 委員は,障がい者及び福祉,医療,教育,雇用その他障がい者の権利の擁護について優れた識見を有する者のうちから,市長が任命する。 3 委員は,職務上知ることができた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も,また同様とする。  (部会) 第22条 推進会議は,必要に応じて,部会を置くことができる。  (調査権限) 第23条 推進会議は,必要があると認める場合には,会議に参考人の出席を求め,意見を聴くことができる。  (推進会議への委任) 第24条 この章に定めるもののほか,推進会議の組織及び運営に関し必要な事項は,推進会議が定める。 【考え方】  推進会議は,障がい者の権利擁護についての有識者等を委員とすることとします。 また,推進会議の機能として,相談体制の見直し等も重要な検討事項の一つとなることが想定されますが,そのためには,個別具体的な相談事例における対応の検討・課題整理を行い市に対して助言等を行う場が必要であると考え,相談部会等を設置できることとします。 【委員意見】 ○ 推進会議に,分野ごとのスモールグループをいくつか設けるべきだ。 第5章 福岡市障がい者差別解消審査会   第25条から第30条  (設置) 第25条 市長の附属機関として,福岡市障がい者差別解消審査会(以下「審査会」という。)を置く。  (所掌事務) 第26条 審査会は,第16条の規定による諮問に応じ,当該諮問に係る事案について調査審議を行う。  (組織及び委員) 第27条 審査会は,委員5人以内をもって組織する。 2 委員は,審査会の権限に属する事項に関し公正な判断をすることができ,かつ,法律または行政に関して優れた識見を有する者のうちから,市長が任命する。 3 第21条第3項の規定は,審査会の委員について準用する。  (専門委員) 第28条 審査会に,専門の事項を調査させるため,専門委員を置くことができる。 2 専門委員は,前項の専門の事項に関し優れた識見を有する者のうちから,市長が任命する。 3 専門委員は,当該専門の事項に関する調査が終了したときは,解任されるものとする。 4 第21条第3項の規定は,専門委員について準用する。  (調査権限) 第29条 審査会は,必要があると認める場合には,会議に関係者の出席を求め,説明若しくは意見を聴き,又は資料の提出を求めることができる。  (審査会への委任) 第30条 この章に定めるもののほか,審査会の組織及び運営に関し必要な事項は,審査会が定める。 【考え方】  差別事案に関し福岡市が勧告を行うべきかどうかについて,第三者の専門的な見地から公正な判断をしていく必要があると考え,その機能に特化した附属機関を設置することとします。  審査会は,法律・行政に関する有識者等の少人数の委員による臨時的・集中的な審議を行う機関とします。 【委員意見】 ○ 審査会の機能として,「勧告をするかどうかについて審議する」ことに特化するのはもったいないのではないか。推進会議と審査会の機能を一緒にすることはできないのか。 ○ 差別事案か否かのみを取り扱う審査会はやめていただきたい。専門家・当事者も入り相談事案に即して判例的に積み重ねていくべきであり,調整委員会の設置が望ましい。 ○ 推進会議のように,広く差別解消に関する問題を扱って,事実上,市長に政策提言を行うような機関と,審査会のように,市が勧告をすべきかどうかということを判定する機関とは分けるべきだ。 第6章 雑則  第31条  (罰則) 第31条 第21条第3項(第27条第3項及び第28条第4項において準用する場合を含む。)の規定に違反して秘密を漏らした者は,1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。 【考え方】  推進会議,審査会の委員については,公務員と同様の守秘義務を課します。  第32条  (規則への委任) 第32条 この条例に定めるもののほか,この条例の施行に関し必要な事項は,規則で定める。   附則    附 則  (施行期日) 1 この条例は,平成 年 月 日から施行する。  (準備行為) 2 市は,この条例の施行前においても,第11条の規定の例により,障がいを理由とする差別に関する相談体制を整備することができる 3 市長は,この条例の施行前においても,第21条第2項の規定により,推進会議の委員の任命に関し必要な行為をすることができる。 4 市長は,この条例の施行前においても,第27条第2項の規定により,審査会の委員の任命に関し必要な行為をすることができる。  (検討) 5 市は,この条例の施行後3年を経過した場合において,この条例の施行の状況を勘案し,必要があると認めるときは,この条例の規定について検討を加え,その結果に基づき必要な措置を講じるものとする。 【考え方】 障害者差別解消法やこの条例の施行状況を踏まえ,施行後3年の見直し・検討条項を附則として置きます。 障がい当事者も委員として参加することが想定される福岡市障がい者差別解消推進会議において,本条例の見直しに関する事項も検討していただくことが考えられます。 【委員意見】 ○ 条例の見直しの際には,障害者権利条約を基軸として,当事者の参画の下に見直すこととしていただきたい。 【条例原案や検討会議全般についての委員意見】 ○ 委員全員の意見は必ずしも一致はしていないが,この検討会議は各委員の視点を明らかにするためのものであり,そのような意味では有意義であったと思う。個人的には,条例原案に賛成である。 ○ この検討会議全体として,様々な立場から十分に議論ができたのではないかと思う。 ○ みんなが思いやりをもって声をかけられるような関係になればよいと思う。 ○ 条例原案の内容としては,もう少しソフトな,市民にやさしいものであればよかったと思う。 ○ つくる会の条例案の内容がもう少し反映された条例原案であればよかったと思う。 ○ 今後開催予定の,当事者を交えたタウンミーティングに期待している。 ○ ハード面は他の法令がカバーし,本条例はソフト面だけをカバーするという事務局の考え方には違和感がある。バリアフリー法があっても,現実的にはできていないので,差別解消法でさらに促進させようというのが法の精神ではないのか。 ○ 条例が,成熟した社会となる一里塚となってくれればと思う。 ○ 条例原案に一定の評価はしているが,相談体制のシステムづくりなど,改善の余地はある。福岡市条例の特徴だといえるものをつくっていただきたい。 ○ 条例原案は,障がい当事者の意見にも十分配慮したわかりやすいものとなっていると思う。 ○ 行政は良い条例原案をつくっていただいたと思う。 ○ この検討会議は,様々な方の意見を聴きながら,良い進め方をしていただいたと思う。条例原案の内容としても,違法な行政権の行使とならない範囲で精一杯の規定としていただいていると思う。 第2 条例検討会議の検討経過  平成28年8月30日に第1回条例検討会議を開催し,毎月1回のペースで検討を重ねてきました。検討会議では,条例が目指す基本的な方向性から検討を始め,条例骨子案や条例原案について,様々な議論を行ってきました。 ≪これまでの検討会議開催状況≫ 回 年月日          議事 第1回 平成28年8月30日   (1)会長・副会長の選任について                  (2)条例検討会議について                  (3)差別事例について                  (4)条例の基本的な方向性について 第2回 平成28年9月30日  条例骨子案について 第3回 平成28年10月26日  条例骨子案について 第4回 平成28年11月25日  条例骨子案について 第5回 平成28年12月21日  条例骨子案について 第6回 平成29年1月31日  条例原案について 第7回 平成29年3月1日  条例原案について 第8回 平成29年3月29日  報告書(案)について 第3 条例検討会議委員名簿   (敬称略 五十音順) 所属等                         氏名 東区自治組織会長会 会長             石川 孝治 福岡市に障がい者差別禁止条例をつくる会 世話人副代表 井上 純治 弁護士                         岩城 和代 福岡市民間障がい施設協議会 会長         椎葉 亮 社会福祉法人福岡市社会福祉協議会 常務理事     竹中 章 福岡市立小学校長会 副会長             時枝 豊実 福岡市に障がい者差別禁止条例をつくる会 事務局次長 友廣 道雄 福岡市に障がい者差別禁止条例をつくる会 世話人代表   中原 義 福岡商工会議所 専務理事             中村 仁彦 一般社団法人福岡市医師会 会長             長柄 均 ○ 西南学院大学人間科学部社会福祉学科 教授     野口 幸弘 福岡人権擁護委員協議会 副会長             原田 博治 西日本鉄道株式会社人事部人権推進課 課長     平野 敦彦 福岡市に障がい者差別禁止条例をつくる会 世話人     松田 慶子 福岡市に障がい者差別禁止条例をつくる会 世話人副代表 向井 公太 中央区男女共同参画連絡会 会長             安川 みつよ ◎ 福岡大学法科大学院 教授             山下 義昭 福岡市民生委員児童委員協議会 副会長         吉田 恒代 ◎会長,○副会長 付録 差別事案が発生した場合のフローチャート 差別事案発生   ↓   特定相談 → 問題解決  ・障がい者やその家族等の関係者,事業者が市に相談できる  ・市は,必要な説明や情報提供,関係者間の調整,関係行政機関への通知等を行う   ↓       紛争解決手続 ※障がい者やその家族等の申出により開始   申出   ↓       事実の調査   ↓     指導・助言 → 問題解決   ↓     審査会へ諮問   ↓    勧告 → 問題解決   ↓      公表   ↓     問題解決