(資料1) 第6回条例検討会議のまとめについて 【委員発言要旨】  (条例原案について)  ・合理的配慮の具体例をいくつか明記すべきだ。県の条例案では事前的改善措置という項目でそれが挙げられている。  ・第2条第3号について。「何人も」としたうえで,「促進」ではなく端的に「必要がある」とすべきだ。  ・第3条第4号について。「するように努めないこと」と規定することで,合理的配慮をしなければならないという色合いが薄まるのではないか。  ・第7条について。「市及び事業者」とすることで,市民は差別していいとなりはしないか。また,市民を規定しなければ,市民の相談はどこを根拠に応じるのか。第6条と第7条の間に,「何人も」を主語にして差別禁止の条文を置くべきだ。  ・第8条について。営業の自由を根拠に事業者は努力義務としているが,「負担が過重でないとき」という要件があるのになぜ営業の自由を問題視するのか。  ・この条例は,新しい概念をどれだけ普及させられるかが大事なのであって,規制するための条例ではない。事務局は規制に過敏になっているのではないか。法と同じで条例をつくる意味があるのか。原案では,取締規定のようになっていて,市民の普及に資さないのではないか。  ・第7条第1号アについて。まるで障害者支援施設が不当な差別的取扱いを行っているように見えるので,削除していただきたい。  ・第7条第3号について。つくる会の条例案を参考に,より詳細に規定していただきたい。  ・新潟市の議事録を見ると,「何人も」にした方が合理的配慮の考えが進むということで「何人も」としている。市民に浸透させるために「何人も」とすべきだ。  ・地域コミュニティの分野での差別も多いため,条例に規定すべきだ。    (相談体制について)  ・基幹相談支援センターが窓口となるとのことだが,専門相談員はどこにぶら下がるのか。また,人員は足りるのか。 【ご意見提出シートで出された意見】  (条例原案について) ・第3条第4号「障がいを理由とする差別について」。事業者に対し合理的配慮の提供を努力義務とするならば,合理的配慮をしなかった場合,それを差別と決めつけるのは無理があると考える。   障害者差別解消法は,第8条で,事業者に対し「不当な差別的取扱い」と「合理的配慮をするよう努めなければならない」とを併記している。しかし,事業者の合理的配慮の不提供は法律違反になるとか,不当な差別になるとは明確に規定していない。   したがって,「障がいを理由とする差別」の内容に合理的配慮のくだりを書き入れる際は,慎重な表現が求められる。むしろ,第4号は全文削除する方がいいと思う(仙台市の条例を参照)。   以上の考え方から,第10条,第12条の「障がいを理由とする差別」は,「障がいを理由とする不利益取扱い,合理的配慮」と具体的に表記する方が分かりやすいのではないか。   一方,合理的配慮は,障がいの特性,社会的障壁の除去が求められる具体的場面や状況,今後の技術の進展によって変化する可能性がある。   このため,市は合理的配慮の提供に関する情報を集積し,事業者に対し必要な情報の提供を行うという考え方をどこか適当なところに書き入れるよう提案する。単に「啓発」という言葉でまとめてしまうよりは,丁寧に表記すべきと考える。  ・第7条第1号アについて。「障害者支援施設」を削除すべきとの意見があったが,この条例は障がい者のための条例なので,障害者支援施設でいいと思う。 福祉サービス施設とは,母子寮や育児院,児童相談所などの施設も入るのではないか。  (【資料4】第8条の「特にご意見をいただきたい事項」について)  ・アについて。『意思の表明がない場合であっても社会的障壁の除去を必要としていることが明白である場合』とあるが,明白というのは理解しにくいと思う。明白の規定を定義できないのであれば条例化はできないのではないか。 イについて。意思の疎通のない状況での合理的配慮は難しいのではないか。その場合は,気遣い,心くばりの範囲を超えることはできないのではないか。   ウについて。(ア)意思の表現が困難な場合に対話はできるのかについては,対話ができるのは意思の疎通ができる場合になるのではないか。   エについて。市,事業者ともに努力義務でいいのではないか。 ※そもそも,意思の疎通ができない障がい者が,介助者なしで行動することがあるのか。もし,意思の疎通ができない場合は,保護をするか,あるいは介助者(保護者)を探すといったことになるのだろうか。一般的に,危険な状態といえるのではないか。 ・内閣府の基本方針を素直に読めば,意思の表明が困難な障がい者が,家族,介助者等を伴っていない場合,意思の表明がない場合でも自主的な合理的配慮をするのが望ましいとの考え方を示していると理解できる。   「建設的対話」はあくまで手段の一つと考えるべきで,知的障がい者や難病の人がスムーズなコミュニケーションを取れない状況も考えられる。意思疎通がないから建設的対話はできないとか,合理的配慮の概念になじまないと決めつける必要はないであろう。   障がい者との意思疎通がなくても,@段差があるところに携帯スロープを用意しておく,A車いすの人も取りやすいよう商品の陳列を工夫する,B手話ができる人を商品売り場に配置する,など様々な社会的障壁の除き方はある。   合理的配慮は,努力義務と位置づけていいと思う。ただし,配慮をしなければ,何らかのペナルティを課すというものではなく,特に事業者に対しては,できる範囲でいろいろと工夫して,障壁を取り除くよう促すことがこの条例の本来の目的ではないか。   よって,「意思の表明があった場合において」と限定せず,「または意思の表明がない場合であっても,当該障がい者が社会的障壁の除去を必要としていることが明白な場合には」を付け加えて表記するのが妥当と考える。  第2項の事業者についても同様の表記にそろえるのがいいと考える。 第7回条例検討会議の進め方について 次回(第8回)が最後の会議となりますので,今回は,条例原案を修正する必要があるかどうか,あるとすればどのような修正をすべきかについて,可能な限り多くの委員の皆様のご意見をいただきたいと考えております。