第3次福岡市食育推進計画 平成28年度から32年度 はじめに  食は生命の源であり,おいしく楽しく食べることは,私たちに喜びや楽しみを与えてくれます。  福岡市では,「食育で 明るい未来 元気な福岡」をキャッチフレーズに,平成18年度に「福岡市食育推進計画」,平成23年度に「第2次福岡市食育推進計画」を策定し,市民の皆さまや関係団体の皆さまとともに食育の推進に取り組んでまいりました。  この10年の間に,地域や学校,保育所等における食育は着実に推進され,進展してきましたが,「朝食の欠食」などの若い世代における課題は依然として見受けられます。 また,多様化する家族形態や単身世帯への対応,健康寿命の延伸や食品ロスの削減に向けた積極的な関わりなど,従来からの取組みだけでは解決できない課題も出てまいりました。  このたび策定した計画は,これらの課題の解決に向け,今後5年間(平成28年度から32年度)において,市民の皆さまをはじめ,地域,保育所,幼稚園,学校,職場,関係団体,行政が,それぞれの役割に応じて食育の推進を行う際の「共通の道標」となるものです。  「食育って自分に関係するのかな」  「食育は大事だけど,具体的に何をしたらいいのかしら」  そんな時,この計画を開いてみてください。  自分にできることがきっと見つかります。  食育の推進は,それぞれが主体的に,そして連携しながら取り組むことが重要です。  福岡市に住む全ての市民が,食育の実践を通して生涯すこやかに過ごせるよう,これからも一層のご理解とご協力をお願いいたします。  最後に,この計画の策定にあたり,熱心にご議論いただきました福岡市食育推進会議及び検討部会の委員の皆さま,パブリックコメントやアンケート調査にご協力くださいました市民の皆さまをはじめ,全ての関係者の皆さまに心から感謝申し上げます。 平成28年5月      福岡市長 たかしま そういちろう 目次 第1 計画の基本的な考え方 1頁  1 計画策定の経緯 1頁  2 計画の位置づけ 2頁  3 計画期間 2頁 第2 福岡市における食育の現状と課題 5頁  1 第2次福岡市食育推進計画の評価 5頁  2 食生活の現状 10頁  3 課題と今後の展開 18頁 第3 第3次福岡市食育推進計画の目指す姿 21頁  1 基本理念 21頁  2 基本目標及び重点課題 21頁  3 目標ごとの目指す姿 22頁  4 ライフステージに応じた目指す姿 27頁  5 具体的な目標値 33頁 第4 計画推進のための具体的な取組み 45頁  1 家庭,地域(関係団体),行政の役割 45頁  2 具体的な取組み 46頁 コラム  ・食育の日・食育月間 3頁  ・健康日本21福岡市計画 3頁  ・保育所における食育 7頁  ・「きょうしょく」と「こしょく」 16頁  ・脂質の「量」と「質」 23頁  ・「ふくおかさんちのうまかもん」でPR 24頁  ・食事のマナー 25頁  ・福岡の郷土料理 26頁  ・高齢期の食事のポイント 28頁  ・上手な「外食」「なかしょく」の選び方 31頁  ・朝食で元気な一日を始めましょう 32頁  ・野菜の上手なとり方 35頁  ・減塩のポイント 36頁  ・食品表示でしっかり確認を! 39頁  ・和食;日本人の伝統的な食文化 47頁  ・学校における食育 51頁 事例  ・福岡市民の健康を歯と口から守る集い 19頁  ・中村学園女子中学校・中村学園女子高等学校の「スーパー食育スクール」 41頁  ・三苫校区の「三世代ふれあい郷土料理伝承会」 53頁 資料編 55頁  ・用語集 55頁  ・福岡市食育推進会議条例 59頁  ・福岡市食育推進会議委員名簿 60頁  ・福岡市食育推進計画検討部会委員名簿 61頁  ・第3次福岡市食育推進計画策定過程 62頁  ・「福岡市民の食育に関するアンケート」調査の概要 63頁  ・第3次福岡市食育推進計画策定に係る市民意見募集の概要 63頁  ・食育基本法(概要) 64頁  ・食生活指針 65頁 第1 計画の基本的な考え方 1 計画策定の経緯 2 計画の位置づけ 3 計画期間 1頁 1 計画策定の経緯 まる1 国の動向  近年の我が国の食をめぐる状況の変化に伴い,国民が生涯にわたって健全な心身を培い,豊かな人間性を育むための食育が喫緊の課題となっていることから,食育に関し,基本理念を定め,国,地方公共団体等の責務を明らかにするとともに,食育に関する基本的事項を定めることにより,食育に関する施策を総合的かつ計画的に推進し,現在及び将来にわたる健康で文化的な国民の生活と豊かで活力のある社会の実現に寄与することを目的として,平成17年6月に食育基本法が公布され,同年7月に施行されました。  また,食育基本法では食育推進計画を作成することと定められており,平成18年3月に平成18年度から22年度までの5年間を対象とする「食育推進基本計画」が決定されました。その後,平成23年3月には,過去5年間の食育に関する取組みの成果と課題を踏まえ,「第2次食育推進基本計画」(計画期間:平成23年度から27年度)が決定されました。 まる2 福岡市の動き  福岡市では,食育基本法第18条第1項に基づく市町村食育推進計画として,平成19年3月に「福岡市食育推進計画」(計画期間:平成18年度から22年度)を,平成23年8月に「第2次福岡市食育推進計画」(計画期間:平成23年度から27年度)を策定しました。  第2次計画では,具体的な施策の方向性として「家庭・地域における食育の推進」「学校・保育所・幼稚園等における食育の推進」「生産者と消費者との交流や農林漁業の活性化」「食文化の継承と国際交流」「安全安心な食生活」を設定し,市民をはじめ,家庭,地域,保育所,幼稚園,学校,職場,関係団体,行政などが,それぞれの役割に応じて主体的に活動し,市民運動として連携・共働して様々な取組みを行ってきました。  各区においては,保健福祉センターを中心に関係団体とネットワークを構築し,定期的に事例報告や意見交換を行い,地域の特性に応じた食育を推進してきました。 また,計画の進捗状況については,毎年福岡市食育推進会議において,取組状況や成果指標の推移などを報告し,さらなる推進のために意見交換を行ってきました。 まる3 次期計画の策定趣旨  第2次計画が平成27年度に終了するため,その成果や課題を整理した結果,朝食の欠食や野菜摂取量の不足など,依然として食を取り巻く課題は残っていることがわかりました。これらの課題解決に加え,健康寿命の延伸,食品ロスへの対応,食文化の継承といった国全体としての食育推進の方向性などを加味しながら,引き続き福岡市の食育に関する取組みを総合的かつ計画的に進めるため,第3次食育推進計画を策定しました。 2頁 2 計画の位置づけ  本計画は,食育基本法の目的・基本理念を踏まえ,同法第18条に基づく市町村食育推進計画として位置づけます。食育に関する基本的な事項について定めるものであり,福岡市における各個別の計画との整合性を保つこととします。  かっこ第3次福岡市食育推進計画の体系図を掲載しています。  福岡市における,各個別の計画として,福岡市保健福祉総合計画,健康日本21福岡市計画,第4次福岡市子ども総合計画,福岡市農林業総合計画,福岡市水産業総合計画,福岡市消費者教育推進計画,福岡市食育に関する全体指導計画,福岡市食の安全安心の確保に関する基本方針等があります。 3 計画期間  本計画の期間は平成28年度から平成32年度の5年間とします。 なお,社会情勢の変化等によって,計画の期間内であっても必要に応じて随時適切に見直しを行います。 3頁 コラム 毎月19日は「食育の日」,毎年6月は「食育月間」です。  「食育の日」「食育月間」は,食育推進運動を継続的に,また重点的かつ効果的に実施するために,「食育推進基本計画」により定められました。  福岡市では,「食育月間」にあわせ,区役所等でパネル展示を行ったり,市政だよりや学校給食の献立表などを通じた普及啓発を行っています。  食育の日には,日頃の食生活を見直したり,家族や仲間と食卓を囲んだり,また,郷土料理に挑戦するなど,「食育の実践」に取り組んでみませんか。 健康 日本21福岡市計画  福岡市では,平成13年度に健康づくり全般に関する計画として,「健康日本21福岡市計画」を策定し,企業,大学,NPO,市民団体,医療機関等とともに,家庭,学校,地域,職場など,福岡市のあらゆる場で健康づくりを進めています。  平成25年度からは,それまでの成果や課題,平成24年7月に厚生労働省から出された「健康日本21(第2次)」の方向性を踏まえ,「健康寿命の延伸」「生活習慣病の発症予防・重症化予防」「ライフステージに応じた健康づくり」などを基本方針に掲げた第2期の「健康日本21福岡市計画」を策定し,市民の自主的な健康づくりを支援する取組みを進めています(計画期間:平成25年度から32年度)。 4頁 第2 福岡市における食育の現状と課題 1 第2次福岡市食育推進計画の評価 2 食生活の現状 3 課題と今後の展開 5頁 1 第2次福岡市食育推進計画の評価 かっこ1 目標値の達成状況  第2次福岡市食育推進計画では,前計画に引き続き,共通の目標を掲げ,その達成を目指して市民,行政,関係団体が様々な取組みを行ってきました。その結果,数値目標全体(24項目)のうち約6割が「目標値に達した」(4項目)と「目標値に達していないが改善傾向にある」(11項目)に該当しました。  しかしながら,「朝食を毎日食べる人の割合(小学生,中学生,若い世代の女性)」「食事バランスガイド等の指標を参考に食生活を送っている人の割合」「野菜を毎食食べる市民の割合」など,特に適切な食生活の実践に関する項目においては改善が見られませんでした。 図表1 朝食を毎日食べる人の割合の推移 幼児  策定時 89.6%,平成24年度 94.4%,最終値 94.7% 小学生  策定時 91.1%,平成24年度 90.8%,最終値 89.0% 中学生  策定時 86.6%,平成24年度 85.7%,最終値 84.1% 高校生  策定時 77.2%,平成24年度 79.0%,最終値 80.2% 20歳代男性  策定時 42.6%,平成24年度 55.6%,最終値 57.5% 30歳代男性  策定時 59.3%,平成24年度 67.3%,最終値 63.0% 20歳代女性  策定時 63.6%,平成24年度 63.2%,最終値 53.2% 30歳代女性  策定時 79.7%,平成24年度 84.7%,最終値 70.5% 図表2 野菜を毎食食べる市民の割合の推移 平成23年度30.8%,平成25年度30.3%,最終値25.5% 6頁 「第2次福岡市食育推進計画」成果指標の現状 朝食を毎日食べる人の割合 幼児  第2次計画策定時 89.6%,現状値 94.7%,平成27年度目標値 100% 小学生  第2次計画策定時 91.1%,現状値 89.0%,平成27年度目標値 100% 中学生  第2次計画策定時 86.6%,現状値 84.1%,平成27年度目標値 100% 高校生  第2次計画策定時 77.2%,現状値 80.2%,平成27年度目標値100% 20歳代男性  第2次計画策定時 42.6%,現状値 57.5%,平成27年度目標値 70% 30歳代男性  第2次計画策定時 59.3%,現状値 63.0%,平成27年度目標値 70% 20歳代女性  第2次計画策定時 63.6%,現状値 53.2%,平成27年度目標値 90% 30歳代女性  第2次計画策定時 79.7%,現状値 70.5%,平成27年度目標値 90% 体型 肥満(BMI25以上) 30代から50歳代男性  第2次計画策定時 30.2%,現状値 31.3%,目標値 15%以下 40歳以上の女性  第2次計画策定時 15.6%,現状値 16.1%,目標値 15%以下 低体重(やせ)(BMI18.5未満) 18から20歳代女性  第2次計画策定時 31.5%,現状値 18.0%,目標値 15%以下 食育を実践している市民の割合(20歳以上) 第2次計画策定時 65.2%,現状値 65.4%,目標値 80% 食事バランスガイド等の指標を参考に食生活を送っている人(20歳以上) 第2次計画策定時 57.0%,現状値 52.1%,目標値 60% 野菜を毎食食べる市民の割合(20歳以上) 第2次計画策定時 数値無し,現状値 25.5%,目標値 50% 福岡市栄養成分表示の店事業の協力店舗数(福岡市健康・食育サポート店を含む) 第2次計画策定時 133店,現状値 587店,目標値 300店 食生活改善推進員が活動している校区数 第2次計画策定時 99校区,現状値 113校区,目標値 130校区 小学校給食のざんさいの割合(主食を含む) 第2次計画策定時 2.3%,現状値 1.4%,目標値 2%以下 中学校給食のざんさいの割合(主食を含む) 第2次計画策定時 11.1%,現状値 10.7%,目標値 10%以下 バランスのよい食事を摂ることを心がけている高校生の割合 第2次計画策定時 63.6%,現状値 68.2%,目標値 80% 福岡市の農林水産業を守り育てていくべきと思う市民の割合 第2次計画策定時 72.5%,現状値 74.3%,目標値 80% 学校給食への市内産農水産物利用割合(重量ベース) 米 第2次計画策定時 16.3%,現状値 21.9%,目標値 20% 野菜 第2次計画策定時 10.8%,現状値 11.8%,目標値 15% 水産物 第2次計画策定時 1品目,現状値 1品目,目標値 2品目 食に対して「安心」「どちらかといえば安心」を感じる市民の割合 第2次計画策定時 46.4%,現状値 61.0%,目標値 50% 7頁 コラム 食育は,毎日の生活や遊びの中で!! 保育所における食育  「保育所で食育をしています」,「乳幼児期の食育をしています」と言ったときに皆さんは,「クッキングをする」,「野菜を栽培する」,「毎回の給食に出てくる食品を赤・黄・緑のグループに分類する」などを思い浮かべられるのではないでしょうか。これらは,食育の目標を達成するための手段の一つです。  それでは,乳幼児期の食育の目標ってなんでしょう。難しい言葉で言うと「『食を営む力』の育成に向け,その基礎を培うこと」です。これから成長する中でいろいろな知識や望ましい食習慣を身につけていきますが,その土台を乳幼児期にしっかり作りましょうということです。  保育所では「食育により,食べることが楽しみで,食事を家族やお友達・先生と一緒に食べることが楽しいと思う子どもを育てること」を目標に,毎日の生活や遊びの中で様々な取組みを行っています。 月齢・年齢に応じた働きかけを 授乳の時期  ゆったりとした心地のよい雰囲気の中で「おなかがすいていたね,おいしいね」など子どもに話しかけながらミルクを飲ませるようにしています。 離乳食の時期  一人ひとりの子どもの食べ方の発達に合わせて,保護者とお話ししながら食品や形,硬さを変えていくようにしています。子どもの食べたい,触りたいという気持ちを大切にし,手づかみ食べやスプーンを持たせるようにしています。上手に飲み込める,噛みつぶせるようになるなど食べる力の発達を促す介助をすることを心がけています。 幼児食の時期  お茶碗を持って食べると食べやすいことやお箸の正しい持ち方,正しい姿勢などを伝え,また,誕生会など異年齢の子どもたちと一緒に食べることにより,みんなで仲良く食べるための食事マナーを知らせるようにしています。 好きな食べ物を増やそう!  ご家庭での食の悩みの一つに子どもの好き嫌いがありますが,子どもには初めて見る食べ物・知らない食べ物について警戒するという動物的な反応が備わっていますので,食わず嫌いの場合がよくあります。初めて出てくる料理の時には,「わあ,おいしそうね」などの声を掛け,安心して食べられる環境を作っています。栽培活動や食材を見たり触ったりする活動は,その食材が子どもにとって身近な安心できる食べ物となる役割を果たしています。ちょっと苦手なピーマンでも自分で収穫したものを給食室で茹でてもらうと全部食べています。また,給食担当者が,食材を見せて今日の給食に入っているから探してねというと「見つけた」と言って喜んで食べています。  日頃の遊びの中では,粘土でいろいろな食べ物を作ったり,ままごと遊びをしたり,お散歩では田んぼやお店を見に行ったり,お店やさんごっこをしたり,食べ物クイズをしたり,さまざまな食に関わる遊びをしています。 8頁 玉ねぎ栽培の取組み  毎日お水やりなどのお世話をして大切にみんなで育てた玉葱を収穫し,給食室で蒸してもらい食べてみました。 家庭での取組みをサポート  家庭とのつながりでの食育の取組みでは,給食だよりやレシピを配ったり,食事の相談を受けたりしていますが,家庭での食事の時間を大切にできるよう,ノーテレビデーの取組みなどもおこなっています。 もりもりカードの取組み  保護者と子どもが一緒に,「朝食を食べる」、「食事の時にテレビを消して会話を楽しむ」、「家族全員で食べる回数を増やす」など、家庭で挑戦することを決めて,できたら子どもが毎日「もりもりカード」にシールを貼っていきます。  食育は,毎日の生活や遊びの中で培われ,適切に援助することにより食べる力が育まれますので,保育所では,子どもにていねいに関わっていくことを大切にし,食育を進めています。 9頁 かっこ2 食育推進の取組状況  施策の分野ごとの取組状況は次の通りです。 まる1 家庭・地域における食育の推進  各区保健福祉センターや公民館等を中心に,離乳食教室,マタニティスクール,各種料理教室,介護予防教室などを通じて,世代に応じた適切な食生活の実践を目指した取組みを行いました。また,食育月間のパネル展示などの普及啓発活動も行いました。 まる2 学校・保育所・幼稚園等における食育の推進  PTAなどの保護者と連携・協力しながら取組みを行いました。学校では学習と関連付けた給食献立が作成され,給食を生きた教材として活用しています。保育所や幼稚園等では,栽培活動などの食に関する体験を積み重ねています。 まる3 生産者と消費者との交流や農林漁業の活性化  酪農体験や漁業体験といった農林漁業の体験や,「福岡魚食普及推進協議会」による魚料理教室,市内産野菜の産地見学と料理教室など,消費者が生産者のもとで一緒に調理等を行う体験型の教室等を行いました。 まる4 食文化の継承と国際交流  学校給食等での郷土料理の提供や,食生活改善推進員等による行事食や郷土料理をテーマにした料理講習会など,福岡の食文化の普及啓発を行いました。 まる5 安全安心な食生活  食品取扱施設の監視指導の実施とともに,市民向け情報誌の発行による,正しい知識の普及啓発を行いました。また,各区保健福祉センターを中心に,市民,食品関連事業者,行政による意見交換会(リスクコミュニケーション)も行いました。 10頁 2 食生活の現状  福岡市民の食育に関する現状について調査した結果は次の通りとなりました。(平成27年「市民の食育に関するアンケート調査」結果より) かっこ1 健康づくりのための食生活の実践 栄養バランス等に配慮した食生活を実践している人の割合はおおむね全国並み  1日に2食,主食・主菜・副菜がそろっている場合,それ以下と比べて,栄養素摂取量(たんぱく質,脂肪エネルギー比,ミネラル,ビタミン)は適正になると言われています。主食・主菜・副菜をそろえて食べることが1日に2回以上あるのは週に何日あるか尋ねたところ,「ほぼ毎日」と回答した人の割合は43.9%で,おおむね全国並み(42.8%)の結果となりました。  一方,年代別に見ると,20代30代で「ほぼ毎日」と回答した人の割合は25.9%で,60代以上の割合の半分以下でした。また,単身世帯で「ほぼ毎日」と回答した人の割合は25.9%で,他の家族構成と比べると約20ポイント低い結果でした。  主食・主菜・副菜をそろえて食べない理由としては,「手間が煩わしいから」「時間がないから」と回答した人が男女ともに上位でした。 図表3 主食・主菜・副菜を3つそろえて食べることが1日に2回以上あるのは,週に何日か(年代別) 全体  ほぼ毎日 43.9%,週に4から5日 20.6%,週に2から3日 21.1%,ほとんどない 13.7%,無回答 0.6% 20代  ほぼ毎日 22.6%,週に4から5日 22.6%,週に2から3日 32.1%,ほとんどない 21.9%,無回答 0.7% 30代  ほぼ毎日 27.8%,週に4から5日 22.4%,週に2から3日 29.0%,ほとんどない 20.8%,無回答 0.0% 40代  ほぼ毎日 35.3%,週に4から5日 18.7%,週に2から3日 29.4%,ほとんどない 15.9%,無回答 0.8% 50代  ほぼ毎日 40.4%,週に4から5日 20.4%,週に2から3日 20.8%,ほとんどない 18.4%,無回答 0.0% 60代  ほぼ毎日 52.5%,週に4から5日 22.1%,週に2から3日 14.9%,ほとんどない 9.9%,無回答 0.6% 70代以上  ほぼ毎日 64.2%,週に4から5日 19.4%,週に2から3日 10.9%,ほとんどない 5.0%,無回答 0.6% 11頁 図表4 主食・主菜・副菜を3つそろえて食べることが1日2回以上あるのは,週に何日か(家族構成別) 単身  ほぼ毎日 25.9%,週に4から5日 19.6%,週に2から3日 28.7%,ほとんどない 25.9%,無回答 0.0% 夫婦のみ  ほぼ毎日 52.3%,週に4から5日 21.9%,週に2から3日 16.7%,ほとんどない 8.4%,無回答 0.7% 親子2世代(親と同居)  ほぼ毎日 40.0%,週に4から5日 23.0%,週に2から3日 21.0%,ほとんどない 14.5%,無回答 1.5% 親子2世代(子と同居)  ほぼ毎日 47.1%,週に4から5日 20.8%,週に2から3日 21.2%,ほとんどない 10.5%,無回答 0.4% 親子3世代  ほぼ毎日 47.6%,週に4から5日 12.7%,週に2から3日 19.0%,ほとんどない 20.6%,無回答 0.0% 図表5 主食・主菜・副菜をそろえて食べることができない理由 手間が煩わしい 43.3% 時間がない 35.2% 量が多くなる 20.2% 食費の余裕がない 18.6% 外食が多い 16.9% 必要性を感じない 8.6% 12頁 塩分を取り過ぎないようにしている30代男性は約3割  生活習慣病予防や改善のために,ふだんから食生活にどの程度気をつけて実践しているかを調査したところ,「塩分を取り過ぎないようにしている」について,30代男性の62.5%の人が「あまりしていない」「ほとんどしていない」と回答しました。 図表6 塩分を取り過ぎないようにしているか 全体 いつもしている 28.4%,時々している 35.2%,あまりしていない 23.6%,ほとんどしていない 9.4%,無回答 3.4% 30代男性 いつもしている 8.3%,時々している 24.0%,あまりしていない 41.7%,ほとんどしていない 20.8%,無回答 5.2% よく噛んで食べている人の割合は全体の半分以下  ふだんよく噛んで食べているか尋ねたところ,51.1%の人が「よく噛んでいない」「どちらかといえばよく噛んでいない」と回答しました。  また,食べる速さについては,67.3%の人が「速い」「どちらかといえば速い」と回答しました。 図表7 ふだんよく噛んで食べていますか よく噛んでいる 8.9%,どちらかといえばよく噛んでいる 39.4%,どちらかといえばよく噛んでいない 44.3%,よく噛んでいない 6.8%,無回答 0.6% 図表8 ふだん食べるのが速いですか 速い 21.9%,どちらかといえば速い 45.4%,どちらかといえばゆっくり 26.7%,ゆっくり 5.3%,無回答 0.7% 13頁 かっこ2 食生活の状況 1日の全ての食事を1人で食べる人の割合は70代以上で約2割  1日の全ての食事を1人で食べることがあるか尋ねたところ,全体の約15%の人が「ほとんど毎日」と回答しました。中でも,70代以上の女性は28.4%で,性別年代別の中で最も高い割合でした。 図表9 1日の全ての食事を1人で食べることがあるか 全体 ほとんどない 61.0%,週に1日程度ある 8.3%,週に2から3日ある 9.0%,週に4から5日ある 5.7%,ほとんど毎日 14.8%,無回答 1.2% 70代以上(女性) ほとんどない 51.7%,週に1日程度ある 5.7%,週に2から3日ある 7.4%,週に4から5日ある 3.4%,ほとんど毎日 28.4%,無回答 3.4% 行事食や郷土料理を作ったり食べたりしている人の割合は全体の約6割  季節や地域の行事のときに行事食や福岡の郷土料理を作ったり食べたりしているかを調査したところ,58%の人が「している」「どちらかといえばしている」と回答しました。  一方,家族構成別でみると,単身世帯では40.5%にとどまり,親子2世代(子と同居)では64.1%,親子3世代では69.9%となりました。 図表10 行事食や福岡の郷土料理を作ったり食べたりするか 全体  している 21.1%,どちらかといえばしている 36.9%,どちらかといえばしていない 13.2%,ほとんどしていない 24.6%,どちらともいえない 2.7%,無回答 1.4% 単身  している 10.8%,どちらかといえばしている 29.7%,どちらかといえばしていない 13.3%,ほとんどしていない 40.9%,どちらともいえない 2.8%,無回答 2.4% 夫婦のみ  している 24.7%,どちらかといえばしている 35.3%,どちらかといえばしていない 14.7%,ほとんどしていない 22.2%,どちらともいえない 1.1%,無回答 2.0% 親子2世代(親と同居)  している 23.0%,どちらかといえばしている 37.5%,どちらかといえばしていない 11.5%,ほとんどしていない 25.0%,どちらともいえない 3.0%,無回答 0.0% 親子2世代(子と同居)  している 21.2%,どちらかといえばしている 42.9%,どちらかといえばしていない 12.7%,ほとんどしていない 19.5%,どちらともいえない 2.8%,無回答 0.9% 親子3世代  している 30.2%,どちらかといえばしている 39.7%,どちらかといえばしていない 9.5%,ほとんどしていない 15.9%,どちらともいえない 3.2%,無回答 1.6% 14頁 安全な食生活を送るための実践割合は,男性より女性の方が高い  「食品を買うときや食べるときに『消費期限』など容器包装に記載されている表示を確認する」「食事の前に,しっかりと手を洗うこと」など,安全な食生活を送るためのポイント7項目について尋ねたところ,9割以上の人が7項目中4項目以上について「いつも実践している」「時々実践している」と回答しました。男女別にみると,全ての項目において女性のほうが実践割合が高い結果となりました。 図表11 食品を買うときや食べるときに「消費期限」など容器包装に記載されている表示を確認すること 男性 いつも実践している 69.2%,時々実践している 19.5%,あまり実践していない 6.9%,ほとんど実践していない 2.4%,無回答 2.1% 女性 いつも実践している 85.2%,時々実践している 10.9%,あまり実践していない 1.6%,ほとんど実践していない 0.9%,無回答 1.3% 図表12 食事の前に,しっかりと手を洗うこと 男性 いつも実践している 51.1%,時々実践している 31.9%,あまり実践していない 12.5%,ほとんど実践していない 3.0%,無回答 1.4% 女性 いつも実践している 68.7%,時々実践している 23.1%,あまり実践していない 5.1%,ほとんど実践していない 1.3%,無回答 1.7% 15頁 福岡産の農水産物を購入するようにしている人の割合は7割  ふだん野菜や魚などの農水産物について,福岡産(市内産・県内産)のものを買うようにしているか尋ねたところ,全体の70.2%の人が「いつも買っている」「できるだけ買うようにしている」と回答しました。  一方,福岡産のものを買わない理由としては「福岡産かどうかわからない」「欲しいときに福岡産のものがない」といった回答が上位でした。 図表13 農水産物について,なるべく市内産や県内産のものを買うようにしているか いつも買っている 8.6%,できるだけ買うようにしている 61.6%,あまり買わない 24.9%,買わない 3.1%,無回答1.9% 図表14 市内産や県内産のものを買わない理由(複数回答可) 市内産・県内産かどうかわからない 36.4%,欲しいときに市内産・県内産のものがない 29.3%,よく利用する店で売っていない 24.7%,どこで入手できるのかわからない 23.1%,価格が高い 18.9%,安全性が担保されているかわからない 2.9%,品質が他の地域のものより劣る 1.6% 16頁 コラム 「共食」と「こしょく」  「こしょく」という言葉を耳にした時,みなさんはどのような「字」の「こしょく」を想像しますか?  近年,核家族化やライフスタイルの多様化などによって,家族みんなが集まって食事をする機会が減っており,一人で食事をとる「孤食」も増えています。また,家族が同じ食卓についていても,それぞれが違うものを食べる「個食」も見られます。その他,同じものしか食べない「こしょく」,食欲があまりなく食べる量が少ない「こ食」など,様々な「こしょく」が言われています。  家族や仲間と食卓を囲んで一緒に食事をとることは,コミュニケーションを深め,食の楽しさを実感するだけでなく,色々な種類の食べものを食べることや,食欲が出ていつもよりしっかり食べることにつながり,心と体を元気にしてくれます。また,食事のマナーや挨拶など,食の基本を身につける機会にもなります。  小さなお子さんや学校に通うお子さんがいらっしゃるご家庭は,家族がそろいやすい時間帯(朝食や週末)は食卓を囲み,「おいしかった?」「今度どんな料理を作ろうか」など,食事について一緒に考える機会にしてみてはいかがでしょうか。また,一人暮らしの方も,お友達を誘って一緒に食事をしたり,地域の食事会やイベントに参加するなど,「だれかと一緒に食べる」機会を増やしてみませんか。 17頁 かっこ3 食生活の自己評価,関心のある情報 20から50代の半分以上の人が自分の食生活を「少し問題がある」「問題が多い」と評価  自分の現在の食生活について,4段階(「大変良い」「良い」「少し問題がある」「問題が多い」)で評価してもらったところ,20から50代の半分以上の人が「問題がある」と評価しました。一方,70代以上の約7割以上の人は「大変良い」「良い」と評価しました。  また,朝食をほとんど食べないと回答した人の中でみると,自分の食生活を「問題がある」と評価した人の割合は78.3%にのぼりました。 図表15 自身の現在の食生活をどのように思うか 全体  大変良い 7.3%,良い 46.2%,少し問題がある 38.5%,問題が多い 7.1%,無回答 0.9% 20代  大変良い 5.8%,良い 33.6%,少し問題がある 46.7%,問題が多い 13.1%,無回答 0.7% 30代  大変良い 3.7%,良い 41.2%,少し問題がある 45.3%,問題が多い 9.8%,無回答 0.0% 40代  大変良い 3.6%,良い 37.3%,少し問題がある 48.0%,問題が多い 10.3%,無回答 0.8% 50代  大変良い 2.4%,良い 42.8%,少し問題がある 45.6%,問題が多い 8.8%,無回答 0.4% 60代  大変良い 6.3%,良い 51.3%,少し問題がある 35.8%,問題が多い 4.8%,無回答 1.8% 70代以上  大変良い 16.4%,良い 60.1%,少し問題がある 20.5%,問題が多い 1.8%,無回答 1.2% 図表16 朝食の摂取状況と食生活の自己評価 朝食をほとんど毎日食べる  自身の食生活は大変良い 8.8%,良い 53.2%,少し問題がある 32.7%,問題が多い 4.2%,無回答 0.0% 週に4から5日食べる  大変良い 0.0%,良い 28.6%,少し問題がある 56.0%,問題が多い 14.3%,無回答 1.1% 週に2から3日食べる  大変良い 0.0% 良い 21.8% 少し問題がある 65.4% 問題が多い 12.8% 無回答 0.0% ほとんど食べない  大変良い 2.7% 良い 19.0% 少し問題がある 57.6% 問題が多い 20.7% 無回答 0.0% 18頁 食に関する情報で関心があるのは「健康づくりや食生活改善に役立つ情報」  食に関するどのような情報に関心があるか尋ねたところ,男女ともに「健康づくりや食生活改善に役立つ情報」が上位となりました。しかしながら,関心のある情報は世代によって違い,20から30代は「健康づくりや食生活改善」より「料理の作り方など調理に関する情報」が上位となり,60代以上では「食の安全や健康被害に関する情報」に関心を持つ人の割合が高くなりました。 図表17 食に関する情報で関心があるもの(3つまで回答可) 全体  健康づくりや食生活改善に役立つ情報 58.9%,食の安全や健康被害に関する情報 55.5%,地域の産物や旬の食材に関する情報 39.4%,料理の作り方など調理に関する情報 51.1%,お箸の使い方など食事のマナーに関する情報 9.1%,郷土料理や行事食など伝統的な料理に関する情報 17.7% 20代  健康づくりや食生活改善に役立つ情報 50.4%,食の安全や健康被害に関する情報 41.6%,地域の産物や旬の食材に関する情報 21.9%,料理の作り方など調理に関する情報 62.0%,お箸の使い方など食事のマナーに関する情報 16.8%,郷土料理や行事食など伝統的な料理に関する情報 13.9% 30代  健康づくりや食生活改善に役立つ情報 51.4%,食の安全や健康被害に関する情報 44.5%,地域の産物や旬の食材に関する情報 31.4%,料理の作り方など調理に関する情報 58.4%,お箸の使い方など食事のマナーに関する情報 16.3%,郷土料理や行事食など伝統的な料理に関する情報 23.3% 40代  健康づくりや食生活改善に役立つ情報 56.7%,食の安全や健康被害に関する情報 50.4%,地域の産物や旬の食材に関する情報 42.5%,料理の作り方など調理に関する情報 50.0%,お箸の使い方など食事のマナーに関する情報 12.7%,郷土料理や行事食など伝統的な料理に関する情報 22.2% 50代  健康づくりや食生活改善に役立つ情報 65.2%,食の安全や健康被害に関する情報 59.2%,地域の産物や旬の食材に関する情報 44.8%,料理の作り方など調理に関する情報 46.8%,お箸の使い方など食事のマナーに関する情報 6.4%,郷土料理や行事食など伝統的な料理に関する情報 17.6% 60代  健康づくりや食生活改善に役立つ情報 61.5%,食の安全や健康被害に関する情報 61.5%,地域の産物や旬の食材に関する情報 43.6%,料理の作り方など調理に関する情報 56.1%,お箸の使い方など食事のマナーに関する情報 3.3%,郷土料理や行事食など伝統的な料理に関する情報 14.6% 70代以上  健康づくりや食生活改善に役立つ情報 64.5%,食の安全や健康被害に関する情報 66.6%,地域の産物や旬の食材に関する情報 44.9%,料理の作り方など調理に関する情報 40.8%,お箸の使い方など食事のマナーに関する情報 2.9%,郷土料理や行事食など伝統的な料理に関する情報 13.5% 3 課題と今後の展開  第1次食育推進計画に続く計画として,様々な関係団体等が様々な形で食育を推進してきた結果,地域,学校,保育所等における食育は着実に推進され,進展してきました。  しかしながら,若い世代では他の世代と比べて「朝食を毎日食べる」「野菜を毎食食べる」「主食・主菜・副菜をそろえて食べる」人の割合が低いなど,以前からの課題は残りました。また,70代以上の約2割がほとんど毎日全ての食事を一人でとっているといった実態も明らかになりました。  一方,市政アンケートなどでは「食育は子どもが対象であり,自分には関係ない」「具体的にどのようなことをしたらよいのか分からない」といったご意見もいまだ見受けられます。  今後の食育の推進にあたっては,これら各世代の課題と背景を明確にし,様々な関係団体がさらに連携しながら,市民一人ひとりが食育推進のための活動を実践するとともに,市民が実践しやすい環境づくりにも取り組むことが必要と考えます。 19頁 事例 ライフステージに合わせた食育体験を協働で実施 福岡市民の健康を歯と口から守る集い  歯と口の健康は,私たちが健康で質の高い生活を営む上で,とても重要な役割を果たしています。  毎年6月の「歯と口の健康週間」(6月4日から6月10日)は,歯と口の健康に関する正しい知識を広く普及啓発するとともに,歯の病気の予防・早期発見・早期治療を行って,健康の保持増進に役立てることを目的としています。この週間にあわせて実施されている「福岡市民の健康を歯と口から守る集い」(主催:福岡市,福岡市教育委員会,福岡市歯科医師会)は,歯科保健は食育の基盤であることを踏まえ,食育月間(6月)行事としても実施されています。  平成27年度は,ライフステージに合わせた食育体験を通して食べることを考えようと,歯科医師会,栄養士会,歯科衛生士会,言語聴覚士会,食生活改善推進員協議会が協働し,それぞれの得意分野を活かした「健こうプランニングエリア」を設けました。  会場では,栄養士会による「よく噛んで食べるおやつ」や「介護食」の試食,食生活改善推進員協議会による野菜350gの計量や「古代米」の咀嚼回数の計測,歯科衛生士会による,こうくう機能を向上させるための家庭でできるお口のトレーニング体験など,子どもから高齢者までが楽しみながら様々な体験を行い,参加者からは「一度に多くの体験ができ,歯と口の健康を考えるとてもよい機会になった」との声が聞かれました。 20頁 第3 第3次福岡市食育推進計画の目指す姿 1 基本理念 2 基本目標及び重点課題 3 目標ごとの目指す姿 4 ライフステージに応じた目指す姿 5 具体的な目標値 21頁 1 基本理念  家庭,地域,学校,職場などとの連携のもと,子どもから高齢者までのすべての市民が食に関する適切な判断力を養い,心身の健康増進を図るとともに,福岡の豊かな農林水産物の活用を通し,食の大切さへの理解を深めることにより豊かな人間性を育むことを目指します。 2 基本目標及び重点課題 基本目標 かっこ1 食を通じた健康づくりをすすめましょう  市民がいくつになっても生き生きと暮らしてくことを実現するために,健康寿命の延伸につながる食育を推進します。 かっこ2 ふくおかでとれる食材を日々の食事に活かしましょう  福岡の食材を通じ,食に関する関心と理解を深め,環境に配慮した食生活を送る市民を増やすための食育を推進します。 かっこ3 食を楽しみ,ふくおかの食文化を伝えましょう  豊かな人間性を育み,福岡の郷土の伝統や文化のよさを継承・発展させるために,家族や仲間と食を楽しみ,時代に応じた食文化を伝える市民を増やすための食育を推進します。 重点課題 かっこ1 ライフステージに応じた食育の推進  食育は乳幼児から高齢者まで,全ての人に関わりますが,課題や推進における役割は世代によって違います。生涯にわたって大切な心と体を育み,質の高い生活を送るため,それぞれのライフステージで大切にしたい食育の取組みを推進します。 かっこ2 一人ひとりの実践と,関係団体のネットワークの充実  食育の取組みは,個人,各団体それぞれが主体的に行うことが大切ですが,様々な関係団体が連携することで,その取組みはより深く効果的に行われることが期待されます。より多くの市民が食育に関心を持ち,市民の食育推進をサポートする関係団体のネットワークが充実するための取組みを推進します。 22頁 3 目標ごとの目指す姿 かっこ1 食を通じた健康づくりをすすめましょう  「食」は,生命を維持し,子どもたちが健やかに成長し,また,人々が健康で幸福な生活を送るために欠かせない営みです。市民の食生活の現状においては,野菜摂取不足等の栄養の偏り,朝食の欠食に代表されるような食習慣の乱れなどが依然として見られます。これらに起因する肥満や生活習慣病の予防・改善は福岡市における課題であり,加えて,若い女性のやせ,高齢者の低栄養傾向などの健康面での問題にも目を向ける必要があります。  少子高齢化が進む中,子どもから高齢者までのすべての市民が生き生きと心豊かに生活できる活力ある社会を実現していくには,市民一人ひとりが生活習慣病の発症・重症化の予防や改善に向けて,健全な食生活を実践できるように支援するとともに,健康寿命の延伸につながる減塩等の推進やメタボリックシンドローム,肥満・やせ,低栄養の予防や改善など,食育を推進していくことが重要です。 目指す姿 充実した朝食を毎日食べている 推進したいこと ・朝食を食べること ・主食,主菜,副菜がそろった朝食を食べること 目指す姿 バランスのよい食事をとっている 推進したいこと ・主食,主菜,副菜がそろった食事をとること ・バランスのよいお弁当や外食が提供されること 目指す姿 生活習慣病の予防や改善のために,食生活に気をつけ,実践している 推進したいこと ・適正体重を知り,肥満ややせに気をつけること ・定期的に健診を受けること ・個人にあった食事や運動の指導が受けられる場が提供されること ・ライフステージに応じた課題を知り,取組みを実践すること ・エネルギー量や食塩使用量に配慮された外食や惣菜が提供されること 目指す姿 食塩の取り過ぎに気をつけ,実践している 推進したいこと ・減塩を心がけ,実践すること ・食塩含有量の多い食品を知ること ・外食や惣菜に食塩相当量が表示されること 目指す姿 よく噛んで食べている 推進したいこと ・歯と口のケアを実践すること ・よく噛んで食べることのメリットを知ること ・よく噛んで食べるための調理方法などを知ること ・食べ物による窒息事故について知ること 目指す姿 食の安全に関する正しい知識を持ち,実践している 推進したいこと ・食の安全に関する正しい知識を身につけること ・食品の表示をよく確認すること ・科学的根拠に基づく情報が提供されること ・食品関係事業者による食の安全が担保されること 23頁 コラム 脂質の「量」と「質」  「脂質」は,体内でエネルギー源として利用されるだけでなく,細胞膜の構成成分であり,脂溶性ビタミン(A,D,E,K)などの吸収を助ける働きがあるなど,私たちが生きていく上で欠かせない栄養素です。しかしながら,炭水化物やたんぱく質よりも,1g当たり2倍以上のエネルギー価を持つことや,構造によって体内での働きが異なることから,適正な体重を維持したり,生活習慣病を予防するには,脂質の取り方の工夫が必要です。  まずは食事全体に占める脂質の摂取量を適量にしたうえで,乳製品や肉類に偏らず,魚を食べたり,調理には植物性油脂を使用するなど,「量」と「質」に留意しながら用いましょう。(詳しくは,「日本人の食事摂取基準」をご参照ください。) かっこ2 ふくおかでとれる食材を日々の食事に活かしましょう  私たちの食べものは,生産,加工,流通と,たくさんの方々の手によって支えられています。市民の多くは「食」との関係が消費のみにとどまる「消費者」ですが,生産者と交流することや農林漁業の体験をすることで,自然の恩恵や生産者等への感謝の念や食への理解を高めるなどの効果が期待されています。  福岡は,その豊かな自然の恵みにより,農産物や魚介類,またそれらを活かした加工品の生産地です。福岡産の食べ物を知り,積極的に利用することは,農林漁業の活性化や食料自給率の向上,安易な食料廃棄の抑制につながります。 目指す姿 福岡産のものを積極的に利用している 推進したいこと ・福岡でとれる農林水産物を知ること ・家庭の食事で福岡産農林水産物を積極的に利用すること ・給食や飲食店等で福岡産農林水産物を積極的に利用すること ・福岡産農林水産物を入手する機会が増えること 目指す姿 農林漁業体験をしたことがある 推進したいこと ・農林漁業体験の場の提供が増えること ・様々なコミュニティにおいて農林漁業体験を取り入れていること 目指す姿 環境に配慮した食生活を送っている 推進したいこと ・安易に食べ物を捨てないこと ・買い物の前に在庫を確認すること ・作り過ぎないこと,飲食店で注文し過ぎないこと ・残さず食べること ・小分け商品やばら売りなど,適量購入の場が増えること 24頁 コラム 「ふくおかさんちのうまかもん」でPR  福岡市では,平成27年4月に施行された「ふくおかさんちのうまかもん条例」により,福岡市内で生産された農林水産物及びその加工食品等を「ふくおかさんちのうまかもん」と位置づけ,その生産と利用を拡大するため,市内外に積極的にPRすることとなりました。  その一環として,「ふくおかさんちのうまかもん」を販売・提供する事業者を認定し,認定された事業者を専用ホームページで紹介したり,ロゴマークがついたのぼりや盾などのPRグッズを配布するなど,PRを支援する取組みを実施しています。  平成28年3月末現在で39件の事業者を認定しており,今後も「ふくおかさんちのうまかもん」の認知度向上のため,積極的に認定事業者を増やしていきます。  ふくおかさんちのうまかもんホームページ  http://umakamon.city.fukuoka.lg.jp/ 25頁 かっこ3 食を楽しみ,ふくおかの食文化を伝えましょう  近年,核家族化やひとりおや世帯,高齢者の一人暮らしなどが増え,誰かと一緒に食べる「共食」の機会が減っています。家族だけでなく友人や同僚,ご近所のかたなどと,会話を楽しみながらゆっくり食べる食事は,食の楽しさを実感し,心と体を元気にしてくれます。また,あいさつや食べ方といった食や生活に関する基礎を習得する機会になるとともに,博多雑煮やがめ煮といった地域や家庭で受け継がれてきた料理や味を伝承していくことに繋がります。 目指す姿 家族や仲間と楽しく食事をしている 推進したいこと ・家族で食卓を囲む機会を増やすこと ・地域や職場の人と一緒に食事をする機会に参加すること ・共食の場の提供が増えること 目指す姿 行事食や郷土料理を取り入れ,次世代に伝えている 推進したいこと ・家庭で行事食や郷土料理を取り入れること ・給食や飲食店等で行事食や郷土料理が提供されること ・行事食や郷土料理について学ぶ場が提供されること ・次の世代へ行事食や郷土料理を伝えること 目指す姿 食事の基本的マナーが身についている 推進したいこと ・「いただきます」「ごちそうさま」の挨拶をすること ・給食を通じて,正しいマナーを身につけること ・家庭において正しいマナーが実践され,伝えられること ・次の世代へ正しいマナーを伝えること コラム 食事のマナー  食器や箸の持ち方,並べ方,食事中の姿勢など,基本的なマナーを習得し,楽しい雰囲気でみんなと一緒に会食できるようになることは,相手を思いやることに繋がり,豊かな人間関係を作る能力を身につけることにもなります。 正しい箸の持ち方  上の箸は人差し指と中指で持って,親指を添えます。下の箸は親指のつけ根にはさんで,薬指で支えます。下の箸は動かさず,上の箸を動かしてつかみます。 26頁 コラム 福岡の郷土料理 がめ煮  鶏肉に里芋やゴボウ,レンコン,ニンジンなどを醤油で煮込んだ代表的な家庭料理ですが,もともとはお正月やお祭り,結婚式などのお祝いの席に出される料理でした。  「がめ煮」という名前の由来にはいくつか説があります。鶏肉や野菜などいろいろな材料を使うので,博多弁の「がめる」イコール「寄せ集める」から名前がついたという説。また,豊臣秀吉が朝鮮に出兵するときに博多に立ち寄り,スッポンをつかまえて野菜と煮たことから,スッポンの博多弁「がめ」からきたという説があります。 博多雑煮  お正月に欠かせない雑煮は各地域によって,餅の形や具材,味付けなどが異なり,それぞれの地域の特徴を表す郷土料理の一つです。  「博多雑煮」の特徴は,焼きあご(とびうお)でとった出汁に,ブリと茹でた丸餅を入れます。  そのほかに,かつおな,かまぼこ,里芋,大根,椎茸,ニンジンなどたくさんの具を入れ,塩や醤油で仕上げます。特にかつおなは福岡に古くから伝わる野菜で,ブリとともに博多雑煮には欠かせない具材です。 おきゅうと  海藻の「エゴノリ(おきゅうとぐさ)」をさらして水煮し,薄く流し固めた江戸時代から親しまれてきた伝統の味です。短冊状に切り,ポン酢やゴマ,ネギなどをかけて食べるのが一般的ですが,トマトやナス,キュウリなどと一緒に,マリネ液(レモン汁,オリーブオイル,醤油)で和えていただくのもおすすめです。 27頁 4 ライフステージに応じた目指す姿  食育の推進にあたっては,市民一人ひとりが自分のライフステージの課題を認識し,取組みを進めることが重要です。 かっこ1 乳幼児期(0歳から就学前)  乳幼児期は,食に関する体験を積み重ねることで,食べることを楽しみながら,将来の目指す姿の基本を身につける時期です。周囲の大人にはその環境を整えることが求められます。 かっこ2 学齢期(6から15歳)  学齢期は,教科や学習,給食といった学校教育全体を通じて様々な知識と望ましい食習慣,基本的な調理技術を身につけていきます。なかでも学校給食は,全ての児童生徒に共通する身近で栄養バランスのとれた理想的な食事であり,実際に見たり食べたりするという「生きた教材」として,給食の時間のみならず教科等の指導においても活用することが重要です。学校で学んだことを家庭で実践しながら,自分に合った食生活を営む力を育てていきます。 かっこ3 青年期(概ね16から24歳)  青年期は,他の世代に比べ朝食欠食の割合が高く,野菜(副菜)の摂取量が少ないといった傾向が見られ,また若い女性のやせの問題など,食に関する課題の多い年代です。  進学や就職で生活環境が大きく変わる時期ですが,生涯にわたり健全な食生活を実践することができるように,さらに食に関する知識を深め,実生活の中で自ら活かしていくことが必要です。 かっこ4 成人期(概ね25から39歳)  成人期は青年期に引き続き,朝食の摂取や野菜(副菜)の摂取量が少ない傾向が見られます。特に男性は食への関心も低く,食事の速さやよく噛んで食べているかといった「食べ方」にも課題が見られます。健全な食生活を実践するためには,自分自身の生活習慣を見直し,食に関する情報を積極的に入手したり,自分のライフスタイルにあった「朝食を食べる工夫」「野菜を食べる工夫」などを見つけることも重要です。  また,家庭や地域での活動においては次世代の子どもたちと一緒に食に関する経験を深め,食に関する知識などを伝えていく役割が加わります。 かっこ5 壮年期(概ね40から64歳)  壮年期は,メタボリックシンドロームや生活習慣病など体調の変化が気になる時期です。定期的な健診を通してメタボリックシンドロームや生活習慣病の予防や改善につながる食を通じた健康づくりを実践していきます。また,家庭や職場,地域において,食育推進の中心的な役割を担っていくことが重要です。 28頁 かっこ6 高齢期(概ね65歳以上)  高齢期になると,以前と比べ「食べる量が減った」「味を感じにくくなった」「食事の準備がしにくくなった」など,食生活における様々な変化が起こります。そしてその変化は個人によって大きく異なります。  高齢期は,日々の生活の質を向上させ,健康寿命を延伸するために,個々の特性に応じながら,「低栄養予防」や「こうくう機能の低下予防」などに努めます。また,高齢者の周囲にいる人たちも,その特性を理解し,支援することが必要です。  一方,自分の経験や知識を積極的に次世代に伝える役割も期待されます。世代を超えた交流を通して,食事のマナーや行事食について伝承していくだけでなく,自分自身が食を楽しむ機会とするなど,食を通じた豊かな生活の実現を目指します。 コラム 高齢期の食事のポイント  これからの超高齢社会においては,健康寿命の延伸や介護予防の視点から,「過栄養」だけではなく,後期高齢者が陥りやすい「低栄養」の問題の重要性が高まっています。  高齢になると,「買い物に行けないため必要な食料がそろえられない」「一人暮らしで食事の準備が面倒である」「義歯など,こうくう内に問題がある」「咀嚼能力や消化吸収力が低下するため十分な栄養素が取れない」など,「低栄養」になりやすい要因が増えてきます。  「低栄養」は,筋肉量の減少や身体機能の低下につながり,それに伴い活動量全体が減ることで,さらに食欲や食事摂取量が低下し,ますます「低栄養」状態が進むという悪循環をまねきます。  「低栄養」を予防し,いつまでも生き生きと生活するために,食生活においては次の事に気をつけましょう。  まる1 1日3食きちんと食べる  まる2 主食・主菜・副菜をそろえる  まる3 動物性のたんぱく質(肉,魚,卵)を十分にとる  まる4 食欲がない時は,おかずから食べる,少しずつ食べる,間食で補うなど工夫する  まる5 家族や友人と会食する機会をつくる  まる6 定期的に歯(義歯)や,こうくう内の点検をする 29頁 ライフステージに応じた食育の取組 乳幼児期(概ね0歳から就学前) 早寝・早起きをはじめとする規則正しい生活リズムを身につける こどもの成長や心身の状況(体調やアレルギー)に合わせた食事が提供されている よく噛んで食べることを身につける 保護者と一緒に歯のケアを行う 正しい手洗い方法を身につける 食べ物のことを話題にする 栽培,収穫,調理を通して,食べ物や生産者と触れ合う 好きな食べ物を増やす 家族や仲間と一緒に食べる楽しさを味わう 行事食や郷土料理を知る いただきます,ごちそうさまの挨拶など,最低限のマナーを身につける 学齢期(小中学生の頃) 朝食を食べる習慣を身につける 学校の学習や日々の生活を通して正しい知識や望ましい食習慣,基本的な調理技術を身につける よく噛んで食べる 保護者と一緒に歯のケアを行う 食の安全に関する正しい知識を身につける 福岡でとれる農林水産物を知る 栽培,収穫,調理を通して,食べ物や生産者と触れ合う 安易に食品廃棄を行わない 食糧事情や食糧問題に関心を持つ 家族や仲間と楽しく食べることができる 行事食や郷土料理を知る 食事のマナーや正しい配膳方法を身につける 30頁 青年期(概ね16歳から24歳) 規則正しい生活リズムを維持し,充実した朝食を心がける 主食・主菜・副菜をそろえた食事を心がける 適正体重を知り,肥満ややせに気をつける 外食や,なかしょくを上手に利用する 食塩を多く含む食品を知り,食塩を取り過ぎないような食生活を送る よく噛んで食べる 定期的にこうくうケアを行う 科学的根拠に基づく食の安全に関する知識を日常に活かす 福岡でとれる農林水産物を積極的に利用する 栽培,収穫,調理を通して,食べ物や生産者と触れ合う 安易に食品廃棄を行わない 食糧事情や食糧問題に関心を持つ 家族や仲間と楽しく食べることができる 行事食や郷土料理を知る 食事のマナーや正しい配膳方法を身につける 成人期(概ね25歳から39歳) 規則正しい生活リズムを維持し,充実した朝食を心がける 主食・主菜・副菜をそろえた食事を心がける 適正体重を知り,肥満ややせに気をつける 外食や,なかしょくを上手に利用する 食塩を多く含む食品を知り,食塩を取り過ぎないような食生活を送る よく噛んで食べる 定期的にこうくうケアを行う 科学的根拠に基づく食の安全に関する知識を日常に活かす 福岡でとれる農林水産物を積極的に利用する 栽培,収穫,調理を通して,食べ物や生産者と触れ合う 安易に食品廃棄を行わない 食糧事情や食糧問題に関心を持つ 家族や仲間と一緒に食事を楽しむ 行事食や郷土料理を生活に取り入れ,次世代に伝える 食事のマナーなどを次世代に伝える 壮年期(概ね40歳から64歳) 規則正しい生活リズムを維持し,充実した朝食を心がける 主食・主菜・副菜をそろえた食事を心がける 定期的な健診を通して,自分の体と食事の管理をする 外食や,なかしょくを上手に利用する 食塩を多く含む食品を知り,食塩を取り過ぎないような食生活を送る こうくう機能の維持向上を心がける 定期的にこうくうケアを行う 科学的根拠に基づく食の安全に関する知識を日常に活かす 福岡でとれる農林水産物を積極的に利用する 栽培,収穫,調理を通して,食べ物や生産者と触れ合う 安易に食品廃棄を行わない 食糧事情や食糧問題に関心を持つ 家族や仲間と一緒に食事を楽しむ 行事食や郷土料理を生活に取り入れ,次世代に伝える 食事のマナーなどを次世代に伝える 高齢期(概ね65歳から) 3食欠かさず食べる 主食・主菜・副菜をそろえた食事を心がける 定期的な健診を通して,自分の体と食事の管理をする 外食や,なかしょくを上手に利用する 食塩を多く含む食品を知り,食塩を取り過ぎないような食生活を送る こうくう機能の維持向上を心がける 定期的にこうくうケアを行う 科学的根拠に基づく食の安全に関する知識を日常に活かす 福岡でとれる農林水産物を積極的に利用する 栽培,収穫,調理を通して,食べ物や生産者と触れ合う 安易に食品廃棄を行わない 食糧事情や食糧問題に関心を持つ 積極的に家族や仲間との食事を楽しむ 行事食や郷土料理を生活に取り入れ,次世代に伝える 食事のマナーなどを次世代に伝える 31頁 コラム 上手な「外食」「なかしょく」の選び方  「外食」「なかしょく」は,調理などの家事を軽減するだけでなく,普段自分の家庭では作らないような料理も食べることができるなどのメリットがあります。特に「なかしょく」は様々な種類のものが販売され,利用する方が増えているようです。  「外食」「なかしょく」を利用する際には,そのメリット・デメリットを考えながら,上手に選びましょう。 「外食」「なかしょく」選びのポイント ・「主食」「主菜」「副菜」がそろうように選ぶ  特に「副菜」(野菜を使った料理)を積極的に選びましょう。 ・同じものばかり選ばない  同じ食材,同じ調理方法,同じ味付けなど,同じものが重ならないように選びましょう。普段食べない料理を選ぶことで,たくさんの種類の食品を食べることにもつながります。 ・調味料は味を確認してから使う  「外食」「なかしょく」は味が濃い目のものが多いです。調味料などは,まずは味を確認してから使いましょう。 ・必要な量だけ購入する  なかしょくは必要な量だけ購入しましょう。外食の場合も,注文の際に量が調整できるか確認してみましょう。 ・表示を確認する  エネルギー量や栄養成分値が記載されている場合は,確認してから選びましょう。 栄養成分表示の例 栄養成分表示(1食あたり) 熱量 まるまるキロカロリー たんぱく質 まるまるグラム 脂質 まるまるグラム 炭水化物 まるまるグラム 食塩相当量 まるまるグラム 32頁 コラム 朝食で元気な一日を始めましょう  一日を元気に活動的に過ごすには,朝食をとることが不可欠です。  忙しい時など「たまに朝食を食べない」ことはあるかもしれませんが,福岡市においても「ほとんど朝食を食べない」人が若い人を中心に増えています。  朝食を食べない理由の多くが「時間が無い」「寝ていたい」であるように,「朝食を食べる」習慣をつけるには,一日の生活リズム全体を見直す必要があります。 朝食を食べるメリットは?  夜,眠っているときは体も脳も休んでいますが,エネルギーは使われています。特に脳のエネルギー源であるブドウ糖は長時間蓄えられないため,目覚めたばかりの時はエネルギー不足の状態です。  朝食を食べると,胃が働き出して体温が上がり,午前中から体も脳も活動状態になります。また,排便なども促され,体調が整えられます。 こんなことはありませんか? 朝はぎりぎりまで寝ている よく夜更かしをする 夜遅くまでお酒を飲むことがよくある 朝食をとるための生活のポイント 夜更かしは寝不足になり,深酒は目覚めを悪くします。深酒は避け,生活パターンを夜型から朝型に切り替えましょう。 こんなことはありませんか? 食事時間が不規則 夕食はお腹いっぱい食べる 夜食をよくとる 朝は食欲がない 朝食をとるための生活のポイント 夕食は,翌朝起きた時に「お腹がすいた」と感じられるくらいに,時間と量を調整しましょう。朝,水分をとると,胃腸が刺激されて食欲が出ます。 朝食ビギナーにオススメの朝食は?  食事は「主食,主菜,副菜をそろえてバランスよく」と言いますが,朝からそろえるのはかなりハードルが高いものです。まずは自分が口にしやすいものから始めてみましょう。朝食をとる場所も,「自宅」に固執せず,通勤・通学中に購入して会社や学校で食べたり,勤務先や学校近くの飲食店を利用したりと,自分のライフスタイルにあった朝食のとり方を見つけてみましょう。 まずは,果物や乳製品など食べやすいものから,徐々に主食・主菜・副菜を追加しましょう。 33頁 5 具体的な目標値  食育を市民運動として推進するためには,地域,学校,職場,行政など,多くの関係者の理解のもと,共通の目標を掲げ,その達成を目指して連携して取り組むことが有効です。また,その成果や達成度を客観的で具体的な目標値により把握できるようにすることで,より効果的で実効性のある施策の展開に繋がります。  第3次計画では,福岡市の現状や課題を踏まえながら,3つの基本目標に基づく目指す姿について,定量的な目標値を設定し,その達成に向けた取組みを推進していくこととします。  一方,食育は日常生活の中で繰り返し行われるものであり,定量的な目標値の設定が馴染まないものもあります。その場合は,取組状況の把握などを通して,今後の施策に繋げていくこととします。(目指す姿の「家族や仲間と楽しく食事をしている」「食事の基本的マナーが身についている」) 食育に関心を持っている市民の割合  食育を市民運動として推進し,成果をあげるためには,市民一人ひとりが自ら実践を心がけることが必要です。そのためには,まず多くの市民に関心を持ってもらうことが欠かせないため,3つの基本目標の共通事項として目標値に設定しました。 朝食を欠食する市民の割合  朝食は1日を元気で活動的に過ごすためにとても大切です。朝食を食べると体温が上がり,体も脳も活動状態になり,活発に働きます。また,脳のエネルギー源であるブドウ糖は約12時間しか蓄えられないとされており,夕食後,翌日の朝食を食べないでいると,脳はエネルギー不足となり集中力がなくなります。  今まで朝食を食べていない人が食べるようになるには,夜更かしをしない,夜食はとらない,朝早く起きるなど,生活リズム全体を見直すことが必要です。  また,現在朝食を食べている人は,どのようなものを食べているかを見直し,より充実した朝食を毎日とれるように工夫していくことが必要です。  第2次計画までは,「朝食を毎日食べる市民を増やす」ことを指標にしてきましたが,まずは「朝食を食べる(欠食しない)」習慣の市民を増やして,その後「栄養バランスのよい朝食を毎日食べる」市民を増やすこととし,第3次計画では「朝食を欠食する市民」を減らすことを目標値として設定しました。  小中学生については,「週に4〜5日食べない」「ほとんど食べない」場合を「欠食」とし,成人については,「朝食を食べるとは,エネルギー源となる食べ物,飲み物を飲食した場合のことをいい,砂糖・ミルクを加えないお茶類(日本茶・コーヒー・紅茶など),水及び錠剤・カプセル・顆粒状のビタミン・ミネラルしかとらない場合は,朝食を食べたことにはならない」と定義し,その上で,朝食について「週に2〜3日しか食べない」「ほとんど食べない」場合を「欠食」としました。 34頁 主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日に2回以上ほぼ毎日食べている市民の割合  平成27年9月に厚生労働省より通知された「健康な食事」に示されているとおり,主食・主菜・副菜を基本とすることは,多様な食品から必要な栄養素をバランスよくとることができるため,各世代に共通する目指すべき食事パターンと言えます。よって,第2次計画では「野菜を毎食食べる」ことを「バランスのよい食事」の指標の一つとしてきましたが,第3次計画では「主食・主菜・副菜を組み合わせること」を具体的な目標値として設定しました。  また,食事の栄養バランスについて世代ごとにみると,若い世代では野菜(副菜)の摂取量が少ない傾向にあり改善の必要があること,高齢期では低栄養予防のために野菜(副菜)だけでなく肉や魚などの主菜もきちんととることが必要であることから,若い世代(20から30歳代)と高齢者(70歳以上)についても目標値を設定しました。 生活習慣病の予防や改善のために,ふだんから食生活に気をつけ,実践している市民の割合  第2次計画までは生活習慣と関連の深い体型(肥満・やせ)を成果指標としてきましたが,肥満に関しては大きな変化が見られず,また,変化があった場合も,その要因が食生活の変化によるものかどうかの判断はつきにくいと言えます。  第3次計画では,生活習慣病の予防や改善のために,以下のような項目について,日常から望ましい食生活をどの程度実践しているかを具体的な目標値として設定しました。 ・食べ過ぎないようにしている(エネルギーを調整している) ・塩分を取り過ぎないようにしている(減塩をしている) ・脂肪(あぶら)分の量と質を調整している ・甘いもの(糖分)を取り過ぎないようにしている ・野菜をたくさん食べるようにしている  以上の食行動のうち3項目以上について「いつもしている」「時々している」場合を,「ふだんから実践している」と定義しました。  また,早い時期からの健全な食生活の実践をすすめるために,30から40歳代についても目標値を設定しました。 食塩を取り過ぎないように気をつけ,実践している市民の割合  食塩の取り過ぎは,高血圧,脳卒中,腎臓病,胃がん,骨粗鬆症などの疾患のリスクとなるため,減塩に対する取組みが重要です。減塩を推進するには,個人の取組みだけでなく,食品中の食塩の低減に取り組む食品企業の増加や,外食や惣菜などへの栄養成分の量(食塩相当量含む)や熱量の表示など,食環境の整備も必要です。  市民と食品関連事業者が一体となって取組みをすすめるために,生活習慣病の予防の取組みの中から,減塩に関して具体的な目標値を設定しました。 35頁 コラム 野菜の上手なとり方  一人暮らしの人や,外食が多い人,1日の食事の回数が少ない人は,野菜が不足しがちです。  野菜には,カリウムや鉄分などのミネラルや,ビタミン,食物繊維など,私たちの健康を維持するために必要な栄養素が含まれています。また,野菜はよく噛むことに繋がり,食べ過ぎ防止にも役立ちます。  健康のために1日に食べたい野菜の目安量は350g以上,料理にすると5皿です。  野菜を上手にとるコツをつかんで,毎食野菜を食べるようにしましょう。  野菜の処理が面倒,時間が無い,野菜を余らせてしまう場合は,冷凍保存や電子レンジを活用する 冷凍保存  時間があるときに野菜を下処理して冷凍したり,手間のかかる煮物などをまとめて作って,冷凍しておき,利用しましょう。また,市販の冷凍野菜なども活用しましょう。 冷凍の仕方 ニンジン,玉ねぎ,ピーマンは,なまのまま,薄切り,みじん切り,せん切りなどした後,1回分ずつラップに包み,全体をホイルで包んだ後,冷凍用保存袋に入れ冷凍する。 きのこ類は,なまのまま,石づきをとって,ほぐす,薄切り,一口大に切って,1回分ずつラップに包み,全体をホイルで包んだ後,冷凍用保存袋に入れ冷凍する。 ほうれん草や小松菜などの青菜類は,軽く茹で,しっかり絞った後,一口大に切り,1回分ずつラップに包み,全体をホイルで包んだ後,冷凍用保存袋に入れ冷凍する。 冷凍用保存袋に,食材名,日付を記入し,2週間程度で使い切りましょう 電子レンジの活用  かぼちゃやニンジン,ブロッコリーなど,一口大に切って耐熱容器などに入れ,ラップをかけてレンジで加熱すると,簡単にやわらかくなります。  自分で作ることはできない,外食が多い方は,野菜料理が食べられるお店や,野菜のお惣菜などが売っているお店を見つけておく  「丼もの」「麺類」など一品料理は野菜が不足しがちです。野菜料理を追加したり,主食・主菜・副菜がそろった定食メニューを選びましょう。 36頁 コラム 減塩のポイント  食塩は,私たちが生きていく上で不可欠なものであると同時に,料理においても大切な役割を持っています。しかし,食塩の取り過ぎは血圧を上昇させ,その状態が続くと血管が弾力を失い硬くなる「動脈硬化」が始まります。「動脈硬化」は心臓病や脳卒中などのリスクをあげます。また,食塩の取り過ぎは,胃がんのリスクも高めます。  このように「食塩の取り過ぎ」は様々な疾患につながるため,「食塩を取り過ぎない」ようにすることは,健康寿命の延伸につながる重要な取組みです。  毎日の食生活で減塩するコツをつかみましょう。 まる1 食塩含有量が多い食品や料理を知る  漬物,梅干し,ちくわやてんぷら,かまぼこなどの練り製品,ハムやソーセージなど肉加工品,魚の干物,塩サバや塩サケなどは食塩含有量が多い食品です。 まる2 ラーメンやうどんなどめん類の汁は残す  ラーメンの汁を全部残すと,全部飲んだ時と比べて食塩量を約3ぶんの1に減らせます。 まる3 汁物は具だくさんにする  野菜などの具をたくさん入れると,汁の量が少なくなるだけでなく,余分なナトリウムを排泄し,血圧を下げる作用があるカリウムもとる事に繋がります。 まる4 調味料は味をみてからつける。つける時は小皿を使い,片面だけにつける。  惣菜などは味が濃い場合が多いです。また,調味料は「かける」より「つける」方が使用量が少なくなります。 まる5 出汁を上手に利用する  昆布や鰹節,いりこなどで出汁をとってみましょう。市販の出汁には最初から食塩が添加されているものもあるので,表示をよく見て利用しましょう。 まる6 新鮮な食材を使う  新鮮な食材は,調味料を使わなくても,素材そのものの味で美味しくいただけます。 まる7 酸味・香り・うまみ・コクを取り入れる  トマトや季節のかんきつ類,酢などの酸味,カレー粉やコショウなどの香辛料,青じそやセロリ,海苔など香りのある食材,きのこや貝類などうまみを含む食材などを上手に使いましょう。また,油を使った料理やゴマ,ピーナッツなどはコクが出て,食塩量が控えめでもおいしく食べることができます。 まる8 食べる量を減らす  全体の食べる量が多いと,食塩の摂取量も多くなります。 37頁 よく噛んで食べている市民の割合  早食いと肥満の関係や,咀嚼力の低下と低栄養の関係など,食べ方と健康づくりは密接な関係があるため,具体的な目標値として新たに設定しました。 食の安全に関する正しい知識を持ち,実践している市民の割合  健全な食生活の実現のためには,食品の選び方や適切な保管方法などについての基礎的な知識を身につけるだけでなく,その知識を行動に反映させることが重要であるため,新たに具体的な目標値として設定しました。  なお,目標値の設定にあたっては,以下のような安全安心な食生活を送るための項目のうち,4項目以上について「いつもしている」「時々している」場合を,「実践している」と定義しました。  ・食品を買うときや食べるときに「消費期限」など容器包装に記載されている表示を確認すること  ・食品に表示されている「保存方法」や「使用方法」を守ること  ・なま肉や生魚を扱った包丁,まな板,トング,箸などの器具は,専用のものを使うか,他の調理に使用する場合にはよく洗うこと  ・なま肉,生魚,生卵をさわった後は,しっかり手を洗うこと  ・料理は,長時間,室温で放置しないこと  ・なまの状態(生食用として販売されているものは除く)や加熱が不十分な状態で肉を食べないこと  ・食事の前に,しっかりと手を洗うこと 市内産,県内産の農林水産物を買うようにしている市民の割合  身近な場所で生産される食べ物を知り,積極的に利用することは,農林漁業の活性化や食料自給率の向上,安易な食料廃棄の抑制につながるため,新たに具体的な目標値として設定しました。 学校給食における市内産農林水産物利用割合  学校給食に市内産の農畜産物・水産物を利用することは,地産地消を進めるだけでなく,児童・生徒や保護者,学校給食関係者が地元で生産される食材を知ることになり,生産者や自然の恵みに対する感謝の念を育むことに繋がります。  第2次計画においては,特に野菜について著しい増加は見られませんでした。これは福岡市の主な農産物であっても出荷時期が限られ年間を通して学校給食に使用することが出来ないことや,福岡市で生産されていない農産物も使用すること,また生産量に対して使用量が多いため全量を供給することが難しいことなど,やむを得ない事情もありました。  第3次計画における目標値の設定にあたっては,利用割合の算出方法について見直しを行い,野菜については,品目を市内の主な生産物で学校給食に使用されているものに絞り,重量ベースでの利用割合を目標値と設定しました。  また,市内産農畜産物については,学校給食用の加工品の開発や6次産業化が進んでまいりましたので,新たに目標値として設定しました。  水産物につきましては,新たに加工品も含めた品目数とし,2次計画と同様に2品目を目標値と設定しました。 38頁 「ふくおかさんちのうまかもん優先利用事業者」登録数  多くの市民が福岡産の農林水産物を利用するには,消費者に福岡産であることが分かりやすい形で提供される必要があるため,新たに具体的な目標値として設定しました。 農林漁業を体験したことがある市民(世帯)の割合  私達の食生活が自然の恩恵の上に成り立っていることや,食に関わる人々の様々な活動によって支えられていることについて理解を深めるなど,食に関する関心や理解の推進を図るためには,農林水産物の生産に関する体験活動が重要であるため,新たに具体的な目標値として設定しました。 食品ロスを軽減するために何らかの取組みを行っている市民の割合  まだ食べられるのに廃棄されている食品ロスについては,国全体で年間642万トン(平成24年度推計)発生していますが,その削減を進めるためには,国民一人ひとりが食品ロスの現状やその削減の必要性についての認識を深め,自ら主体的に取り組むことが求められているため,新たに具体的な目標値として設定しました。  なお,目標値の設定にあたっては,「食品ロス」という問題をある程度以上知っていて,かつ以下のような取組みを実践している場合と定義しました。  ・小分け食品,少量パック商品,バラ売りなど食べきれる量を購入する  ・冷凍保存を活用する  ・料理を作り過ぎない  ・飲食店等で注文し過ぎない  ・日頃から冷蔵庫などの食材の種類・量・期限表示を確認する  ・残さず食べる  ・「賞味期限」を過ぎてもすぐに捨てるのではなく,自分で食べられるか判断する  ・その他 ふだんの食事に行事食や郷土料理を取り入れている市民の割合  平成25年12月に「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコの無形文化遺産に登録されましたが,核家族化の進展や地域の繋がりの希薄化などにより,地域や家庭で受け継がれてきた行事食や郷土料理の継承は全国的な課題です。地域の行事と結びついた行事食や福岡の豊かな食材を用いた郷土料理など,先人から受け継がれてきた食文化を次世代に伝えるために,新たに具体的な目標値として設定しました。 39頁 コラム 食品表示でしっかり確認を  食品の包装やパッケージにのっている賞味期限や消費期限,原材料名,添加物,熱量(エネルギー),栄養成分などは,「食品表示法」(平成27年4月1日施行)に基づき表示されています。  表示にはどのような意味があるのかを知り,「食品表示」を上手に利用しましょう。 期限表示 消費期限とは,定められた方法により保存した場合において,品質の劣化にともない安全性を欠くおそれがないと認められる期限。 一般に品質が急激に劣化しやすい食品(弁当,調理パン,惣菜,生菓子など) 賞味期限とは, 定められた方法により保存した場合において,期待される全ての品質の保持が十分に可能と認められる期限。ただしこの期限を超えた場合であっても,これらの品質が保持されていることがあるものとされている。 一般に品質の劣化が比較的遅い食品(缶詰,即席めん類,冷凍食品,清涼飲料水など) アレルギー表示  特定のアレルギー体質を持つ消費者の健康危害の発生を防止するため,過去の健康危害等の程度,頻度から,特にアレルギーを起こしやすい食品や重篤な症状を引き起こしやすい食品について,表示をすることが義務付けられています。 必ず表示される7品目  卵,乳,小麦,落花生,えび,そば,かに 表示が勧められている20品目   いくら,キウイフルーツ,くるみ,大豆,バナナ,やまいも,カシューナッツ,もも,ごま,さば,さけ,いか,鶏肉,りんご,まつたけ,あわび,オレンジ,牛肉,ゼラチン,豚肉 栄養成分表示  どんな栄養成分がどのくらい含まれているのかを示しています。表示が義務付けられているのは,「熱量(エネルギー)」「たんぱく質」「脂質」「炭水化物」「食塩相当量」です。(対象は原則として,全ての加工食品と添加物です。) 40頁 具体的な目標値一覧 食育に関心を持っている まる1 食育に関心を持っている市民の割合 現状値 77.9%,目標値 90%以上 充実した朝食を毎日食べている まる2 朝食を欠食する市民の割合(小学生) 現状値 3.6%,目標値 0% まる3 朝食を欠食する市民の割合(中学生) 現状値 5.6%,目標値 0% まる4 朝食を欠食する市民の割合(20〜30歳代) 現状値 27.5%,目標値 18%以下 バランスのよい食事をとっている まる5 主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日2回以上ほぼ毎日食べている市民の割合 現状値 43.9%,目標値 55%以上 まる6 主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日2回以上ほぼ毎日食べている市民の割合(20〜30歳代) 現状値 25.9%,目標値 38%以上 まる7 主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日2回以上食べるのが週に3日以下の市民の割合(70歳代以上) 現状値 15.8%,目標値 10%以下 生活習慣病の予防や改善のために,食生活に気をつけ,実践している まる8 生活習慣病の予防や改善のために,ふだんから食生活に気をつけ,実践している市民の割合 現状値 71.8%,目標値 77%以上 まる9 生活習慣病の予防や改善のために,ふだんから食生活に気をつけ,実践している市民の割合(30〜40歳代) 現状値 62.6%,目標値 68%以上 食塩の取り過ぎに気をつけ,実践している まる10 食塩を取り過ぎないように気をつけ,実践している市民の割合 現状値 63.6%,目標値 70%以上 よく噛んで食べている まる11 よく噛んで食べる市民の割合 現状値 48.3%,目標値 54%以上 食の安全に関する正しい知識を持ち,実践している まる12 食の安全に関する正しい知識を持ち,実践している市民の割合 現状値 93.7%,目標値 95%以上 福岡産のものを積極的に利用している まる13 市内産,県内産の農林水産物を買うようにしている市民の割合 現状値 70.2%,目標値 77%以上 まる14 学校給食における市内産農林水産物利用割合(米) 現状値 21.9%,目標値 25% まる15 学校給食における市内産農林水産物利用割合(野菜主要品目) 現状値 31.1%,目標値 33% まる16 学校給食における市内産農林水産物利用割合(農畜産加工品) 現状値 4品,目標値 7品 まる17 学校給食における市内産農林水産物利用割合(水産物・加工品含む) 現状値 1品,目標値 2品 まる18 「ふくおかさんちのうまかもん優先利用事業者」登録数 現状値 39,目標値 1,300 農林漁業体験をしたことがある まる19 農林漁業体験をしたことがある市民(世帯)の割合 現状値 18.6% 目標値 25%以上 環境に配慮した食生活を送っている まる20 食品ロスを軽減するために何らかの取組みを行っている市民の割合 現状値 62.4% 目標値 80%以上 行事食や郷土料理を取り入れ,次世代に伝えている まる21 ふだんの食事に行事食や郷土料理を取り入れている市民の割合 現状値 58.0% 目標値 62%以上 41頁 事例 『3つの「わかる」で食のマイスターを目指す』 中村学園女子中学校・中村学園女子高等学校の「スーパー食育スクール」  「スーパー食育スクール」とは,学校が大学や企業,生産者,関係機関等と連携し,食育を通じた学力向上,健康増進,地産地消の推進,食文化理解など食育の多角的効果について科学的データに基づいて検証を行い,その成果を分かりやすく示し,普及啓発することで食育のより一層の充実を図ることを目的に,文部科学省が行っている取組みです。  福岡県内では,平成26年度・27年度に,中村学園女子中学・高等学校(学校法人中村学園)が指定を受け,『3つの「わかる」で食のマイスターを目指す』をテーマに,計画的・継続的な取組みが行われています。 3つの「わかる」と「食のマイスター」とは  「心でわかる(感情や情緒)」「頭でわかる(知識)」「身体でわかる(体験)」の3つを食に関する指導の目標とし,各項目について学年ごとの「食のマイスター到達目標」を設定し,栄養教諭や各教科担当者,クラス担任,保護者による評価や,アンケート調査を行い,意識や行動の変容,取組みの効果について検証しています。 中学3学年の目標 3つの「わかる」で食のマイスターを目指す A.心でわかる(感情や情緒)  食物を大切にし,食物の生産等に関わるすべての人々への感謝の心を育む 到達目標例  食事を好き嫌いせず,残さず食べることができる。  協力して衛生的に給食の準備や食事の後片付けができる。  正しく箸を持つことができる。 B.頭でわかる(知識)  心身の成長や健康の保持増進の上で望ましい栄養や食事の取り方を理解し,自らの食生活の課題を解決する力を身につける 到達目標例  食に関する課題について知り,自分の意見を発表することができる。  食事と健康の関わりを理解できる。清涼飲料水に含まれる糖質について理解できる。 C.身体でわかる(体験)  農業・漁業体験や調理実習,食品加工などの体験を通じて調理技術を身につける。 到達目標例  基本的な材料の切り方ができる。  栽培した作物を使い,料理を作ることができる。  自分の身体データを知っている。 42頁 高校3学年の目標 3つの「わかる」で食のスーパーマイスターを目指す 到達目標例  生活習慣病について知り,自分の食生活を見直すことができる。  出汁をとる事ができる。  食事の大切さを知り,3食きちんと食事を取ることができる。 具体的な取組み スクールランチ  食育の一環として給食を実施。行事食献立や風邪予防,夏バテ予防などのテーマ給食や,給食の過ごし方(給食ができるまでや箸の使い方,正しい手洗いなど)の指導を行い,食への関心を高めるとともに,完食率の向上を目指しています。 教科横断型の取組み  様々な教科の中で「食」に関する題材を取り上げ,「知識」を深めるとともに,自らの食生活の課題や共通の課題を解決するために必要な力を身につけています。 例 食の世界遺産(中学2年生・国語)  教科書「食の世界遺産」の学習を通して,食に関する伝統を受け継ぐことの意味について考えたのち,夏休みを利用して後世に受け継ぐべき日本の食文化について調べ,後日発表会を開き,報告しました。 外部の専門家等と協力した取組み ・外部講師による「食育講演会」 ・JAの協力のもと農業体験 ・地元の和菓子メーカーとオリジナル商品の開発 44頁 第4 計画推進のための具体的な取組み 1 家庭,地域(関係団体),行政の役割 2 具体的な取組み 45頁 1 家庭,地域(関係団体),行政の役割 かっこ1 家庭の役割  家庭は市民一人ひとりが食育を実践する場であり,それぞれのライフステージに応じた食育を推進していく必要があります。  また,特に食に関する情報や知識,伝統や文化などを次世代に伝えつなげる重要な場でもあります。保護者は自ら「食」について意識を高め,健全な食生活を実践するとともに,子どもの発達段階に応じて,食に関する基本所作の実践や基礎の理解,健全な食習慣を身につけさせる役割が期待されます。 かっこ2 地域(関係団体)の役割  地域(関係団体)には,日常的な活動を通じた食育推進の取組みや,様々な機会を活用した家庭や個人への積極的な働きかけなどが期待されます。  情報提供の充実,体験活動やイベント等の実施など,家庭での食育推進を支援するとともに,他の団体との連携強化や,組織内で食育推進の担い手を育成していくなど,体制の強化も必要です。 家庭や個人の食育推進を支援する関係団体とは,教育,保育,社会福祉,医療及び保健の関係者,農林漁業の関係者,食品の製造,加工,流通,販売,調理等の関係者,消費者団体,ボランティア団体,料理教室やその他の食に関わる活動等の関係者,民間団体など かっこ3 行政の役割  地域(関係団体)と同様に,家庭や個人の食育推進を支援することはもとより,関係者の自発的な食育推進活動が相互に緊密な連携協力を図りながら展開されるように支援するなど,地域ネットワークの中心としての役割を果たします。  特に学校においては,栄養バランスのとれた学校給食を「生きた教材」として,給食の時間や各教科,道徳の時間など,教育活動全体を通して食に関する指導を進めるとともに食べる時間の適切な確保に努めます。また,児童生徒の食生活の実態について情報提供するなど,家庭にも働きかけ,家庭での食に関する取組みを支援していきます。  また,他の世代より課題が多い若い世代(青年期・成人期)に対しては,より食育に関心を持つことができるように,インターネットやSNS(ソーシャルネットワークサービス)といった若い世代にとって効果的な情報提供や,学校や職場,食品関連事業者等と連携した働きかけなど,自ら食生活の改善等に取り組んでいけるような支援をしていきます。 46頁 2 具体的な取組み かっこ1 家庭での取組み 基本目標 食を通じた健康づくりをすすめましょう 具体的な取組例 規則正しい生活リズムの習慣化 朝食の習慣化(朝食を毎日食べる),朝食の充実 主食,主菜,副菜がそろった食事の準備 適塩の食事の準備 食べ物や体のことを話題にする こうくうケアの習慣化(食後の歯磨きなど) 家庭でできる食中毒予防の取組みの実施 基本目標 ふくおかでとれる食材を日々の食事に活かしましょう 具体的な取組例 家庭の食事での福岡産農林水産物の積極的利用 家庭菜園,農林漁業体験への参加 買い過ぎや作り過ぎに注意する 基本目標 食を楽しみ,ふくおかの食文化を伝えましょう 具体的な取組例 家族で食卓を囲む機会を増やす 親子や世代間におけるコミュニケーションを図る 家庭内での食事を通した食文化の継承(行事食や郷土料理を家庭で作る) 食前食後の挨拶の習慣化 箸の持ち方,姿勢,配膳,食べ方など正しいマナー・作法に気をつけて食事をする 「主食・主菜・副菜」は食事づくりや食べる場面で役立ちます。  1つの食品に含まれる栄養素は多種にわたり,それぞれの食品に含まれる栄養素の種類は食品によって異なります。  健康の保持・増進には,多様な食品を組み合わせて,必要な栄養素をとる事になります。主食・主菜・副菜を基本とすることで,多様な食品から,必要な栄養素をバランスよくとることができます。 主食 ごはん,パン,めん類などで,炭水化物を多く含み,エネルギーのもとになります。 主菜 魚や肉,卵,大豆製品などを使った料理で,たんぱく質や脂質を多く含みます。 食材や量,調理方法でエネルギーや栄養素量に大きく影響します。 副菜 野菜などを使った料理で,ビタミンやミネラル,食物繊維を多く含みます。 47頁 かっこ2 地域(関係団体)での取組み 基本目標 食を通じた健康づくりをすすめましょう 具体的な取組例 健康に配慮した商品やメニューの提供 外食や惣菜などへのエネルギー量や食塩使用量の表示 各種健診,保健指導,健康教育の実施 (利用者へ食事を提供している)施設等における給食の適切な栄養管理(アレルギーや体調不良等への配慮を含む) 食の安全を確保するための取組み(衛生管理,正しい表示など) 基本目標 ふくおかでとれる食材を日々の食事に活かしましょう 具体的な取組例 学校給食等や飲食店等における福岡産農林水産物の積極的利用 福岡産農林水産物の販売所の増加 農林漁業体験の機会の提供 少量でも買いやすい量での販売 基本目標 食を楽しみ,ふくおかの食文化を伝えましょう 具体的な取組例 地域や職場での共食の機会の提供 世代間におけるコミュニケーションの機会の提供 給食や地域のイベント等での行事食や郷土料理の提供 給食を通じての食に関する作法やマナーの習慣化 基本目標 その他 具体的な取組例 インターネットやSNS等を通じた情報提供 イベント,教室等を通じた普及啓発 保育や幼稚園教育を通じた推進(保護者対象含む) 関係団体とのネットワークづくりや情報の共有 各団体内における食育推進の担い手の育成 コラム 和食 日本人の伝統的な食文化  平成25年12月に,「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコの無形文化遺産に登録されました。  登録された「和食」とは,「自然を尊ぶ」という日本人の気質に基づいた「食」に関する「習わし」であり, まる1 多様で新鮮な食材と素材の味わいの活用 まる2 栄養バランスがよい健康的な食生活 まる3 季節に合った調度品や盛り付けで,季節の移ろいや自然の美しさを表現 まる4 年中行事と密接な関わり,といった特徴があります。  この登録をきっかけに,一人ひとりが,和食文化について考え,そのよさを再認識する機会とするとともに,食育の取組みを通じて,和食文化を未来に向けて守り伝えていくことが重要です。 48頁 かっこ3 行政 基本目標 食を通じた健康づくりをすすめましょう 具体的な取組例 健康に配慮した商品やメニューの提供や,外食や惣菜などへのエネルギー量や食塩使用量の表示の促進(登録事業等) 給食提供施設への支援 各種健診,保健指導,健康教育の実施 食の安全に関する正しい知識の情報発信 基本目標 ふくおかでとれる食材を日々の食事に活かしましょう 具体的な取組例 学校給食や市主催事業における福岡産農林水産物の積極的利用 福岡産農林水産物利用店舗の認定・登録事業 農林漁業体験の機会の提供 学校給食におけるざんさい量の減少 基本目標 食を楽しみ,ふくおかの食文化を伝えましょう 具体的な取組例 学校給食等での行事食や郷土料理の提供 地域や家庭での共食の機会やコミュニケーションの機会の促進 学校給食等を通じての食に関する作法やマナーの習慣化 基本目標 その他 具体的な取組例 インターネットやSNS等を通じた情報提供 イベント,教室等を通じた普及啓発 学校教育活動全体を通じた推進(保護者対象含む)(料理講習会,PTA主催給食試食会等) 学校と地域が連携した米づくりや味噌作り体験等(各教科等と関連させた取組み,家庭への発信) 関係団体とのネットワークの中心的役割 関係団体の取組事例などの情報収集と発信 食育推進の担い手の育成や支援 49頁 目指す姿と家庭,地域(関係団体),行政の具体的な取組み 目指す姿 充実した朝食を毎日食べている 具体的な取組み 家庭 ・規則正しい生活リズムの習慣化 ・朝食の習慣化,朝食の充実 地域(関係団体) ・健康に配慮した商品やメニューの提供 ・外食や惣菜などへのエネルギー量や食塩使用量の表示 ・給食提供施設における,適切に管理された給食の提供(栄養管理,衛生管理,アレルギーや体調等への配慮) ・各種健診や指導の実施 行政 ・健康に配慮した商品やメニューの提供や,外食や惣菜などへのエネルギー量や食塩使用量の表示の促進(登録事業等) ・給食提供施設への支援 ・各種健診,保健指導,健康教育の実施 ・食の安全に関する正しい知識の情報発信 目指す姿 バランスのよい食事をとっている 具体的な取組み 家庭 ・主食・主菜・副菜がそろった食事の準備 ・適塩の食事の準備 ・食べ物や体のことを話題にする 地域(関係団体) ・健康に配慮した商品やメニューの提供 ・外食や惣菜などへのエネルギー量や食塩使用量の表示 ・給食提供施設における,適切に管理された給食の提供(栄養管理,衛生管理,アレルギーや体調等への配慮) ・各種健診や指導の実施 行政 ・健康に配慮した商品やメニューの提供や,外食や惣菜などへのエネルギー量や食塩使用量の表示の促進(登録事業等) ・給食提供施設への支援 ・各種健診,保健指導,健康教育の実施 ・食の安全に関する正しい知識の情報発信 目指す姿 生活習慣病の予防や改善のために,食生活に気をつけ,実践している 具体的な取組み 家庭 ・主食・主菜・副菜がそろった食事の準備 ・適塩の食事の準備 ・食べ物や体のことを話題にする 地域(関係団体) ・健康に配慮した商品やメニューの提供 ・外食や惣菜などへのエネルギー量や食塩使用量の表示 ・給食提供施設における,適切に管理された給食の提供(栄養管理,衛生管理,アレルギーや体調等への配慮) ・各種健診や指導の実施 行政 ・健康に配慮した商品やメニューの提供や,外食や惣菜などへのエネルギー量や食塩使用量の表示の促進(登録事業等) ・給食提供施設への支援 ・各種健診,保健指導,健康教育の実施 ・食の安全に関する正しい知識の情報発信 目指す姿 食塩の取り過ぎに気をつけ,実践している 具体的な取組み 家庭 ・主食・主菜・副菜がそろった食事の準備 ・適塩の食事の準備 ・食べ物や体のことを話題にする 地域(関係団体) ・健康に配慮した商品やメニューの提供 ・外食や惣菜などへのエネルギー量や食塩使用量の表示 ・給食提供施設における,適切に管理された給食の提供(栄養管理,衛生管理,アレルギーや体調等への配慮) ・各種健診や指導の実施 行政 ・健康に配慮した商品やメニューの提供や,外食や惣菜などへのエネルギー量や食塩使用量の表示の促進(登録事業等) ・給食提供施設への支援 ・各種健診,保健指導,健康教育の実施 ・食の安全に関する正しい知識の情報発信 目指す姿 よく噛んで食べている 具体的な取組み 家庭 こうくうケアの習慣化 地域(関係団体) ・健康に配慮した商品やメニューの提供 ・外食や惣菜などへのエネルギー量や食塩使用量の表示 ・給食提供施設における,適切に管理された給食の提供(栄養管理,衛生管理,アレルギーや体調等への配慮) ・各種健診や指導の実施 行政 ・健康に配慮した商品やメニューの提供や,外食や惣菜などへのエネルギー量や食塩使用量の表示の促進(登録事業等) ・給食提供施設への支援 ・各種健診,保健指導,健康教育の実施 ・食の安全に関する正しい知識の情報発信 目指す姿 食の安全に関する正しい知識を持ち,実践している 具体的な取組み 家庭 ・家庭でできる食中毒予防の取組み等の実施 地域(関係団体) ・安全性確保のための取組みの実施 行政 ・健康に配慮した商品やメニューの提供や,外食や惣菜などへのエネルギー量や食塩使用量の表示の促進(登録事業等) ・給食提供施設への支援 ・各種健診,保健指導,健康教育の実施 ・食の安全に関する正しい知識の情報発信 目指す姿 福岡産のものを積極的に利用している 具体的な取組み 家庭 ・家庭の食事での福岡産農林水産物の積極的利用 地域(関係団体) ・給食や飲食店等における福岡産農林水産物の積極的利用 ・福岡産農林水産物の販売所の増加 行政 ・学校給食や市主催事業における福岡産農林水産物の積極的利用 ・福岡産農林水産物利用店舗の認定・登録事業 目指す姿 農林漁業体験をしたことがある 具体的な取組み 家庭 ・家庭菜園,農林漁業体験への参加 地域(関係団体) ・農林漁業体験の機会の提供 行政 ・農林漁業体験の機会の提供 目指す姿 環境に配慮した食生活を送っている 具体的な取組み 家庭 ・買い過ぎや作り過ぎへの注意 地域(関係団体) ・少量でも買いやすい量での販売 行政 ・学校給食におけるざんさい量の減少 目指す姿 家族や仲間と楽しく食事をしている 具体的な取組み 家庭 ・家族で食卓を囲む機会の充実 ・親子や世代間におけるコミュニケーションを図る 地域(関係団体) ・地域や職場でのきょうしょくの機会の提供 ・世代間におけるコミュニケーションの機会の提供 行政 ・世代間におけるコミュニケーションの機会の促進 目指す姿 行事食や郷土料理を取り入れ,次世代に伝えている 具体的な取組み 家庭 ・家庭の食事での行事食や郷土料理の継承 地域(関係団体) ・給食や地域のイベント等での行事食や郷土料理の提供 行政 ・学校給食等での行事食や郷土料理の提供 目指す姿 食事の基本的マナーが身についている 具体的な取組み 家庭 ・食前・食後の挨拶の習慣化 ・箸の持ち方,姿勢,配膳,食べ方など正しいマナー・作法による食事 地域(関係団体) ・給食を通じての食に関する作法やマナーの習慣化 行政 ・学校給食等を通じての食に関する作法やマナーの習慣化 目指す姿 情報提供・普及啓発・教育 具体的な取組み 地域(関係団体) ・ホームページ等を通じた情報提供 ・イベント,教室等を通じた普及啓発 ・保育や幼稚園教育を通じた推進(保護者対象含む) 行政 ・ホームページ等を通じた情報提供 ・イベント,教室等を通じた普及啓発 ・学校教育活動全体を通じた推進(保護者対象含む) 目指す姿 連携や人材育成に関すること 具体的な取組み 地域(関係団体) ・関係団体とのネットワークづくりや情報の共有 ・各団体内における食育推進の担い手の育成 行政 ・関係団体とのネットワークづくりの中心的役割 ・関係団体の取組事例などの情報の収集と発信 ・食育推進の担い手の育成や支援 51頁 コラム 学校における食育 学校給食を活かした食育  福岡市の学校給食は,成長期にある児童生徒の心身の健全な発達のため,栄養バランスのとれた豊かな食事を提供することにより,健康の増進,体位の向上を図ることはもちろんのこと,食に関する指導を効果的に進めるための教材としても重要な役割を担っています。  例えば,儀助煮,筑前煮などの郷土食や,白玉雑煮や月見だんごなどの行事食を提供するのに合わせて,メニューにちなんだ地域の伝統や文化を校内放送で伝えたり,食事のマナーやバランスよく食べることを身につけるために各クラスに配膳表を配付したりしています。  また,家庭配付献立表には,食に関する情報や食材の産地を掲載して,特に市内産野菜を使う場合は生産地区まで掲載することで身近なところで育てられた野菜が給食に使われていることなどもお知らせしています。 教科と関連させた取組み  学校では教科と関連させた食に関する指導なども積極的に行っています。たとえばある小学校の6年生の家庭科(題材名『くふうしよう たのしい食事』)では,栄養教諭と担任が一緒に連携して以下のような授業を行っています。 「弁当の日」の取組みを通して学ぶこと  1食分の献立を考えること  じゃがいもを使用して調理ができること(皮むき・炒める・茹でる)  調理に関心をもち,分量や手順を考えて調理の計画ができること  栄養バランスを考えた食事の課題解決を目指して,工夫したり,実践したりすること  家族の一員として,主体的に食生活に関わろうとすること 52頁 指導計画 気づく ご飯とみそ汁に合う料理の組み合わせ方について考え,教科書のおかずを参考にして,栄養バランスを考えながら1食分の献立を考える。 つかむ じゃがいも料理の計画をたてる。 じゃがいもの皮むき,調理実習をする。 追及する 1食分としての弁当の献立を考える。 栄養バランスのとれた弁当「栄養バランス弁当」とはどういうものか知る。 弁当作りの実習計画をたてる。 弁当作りの実習をする。 給食のごはんとおかず1品(主菜又は副菜)を使用し,3品(主菜1・副菜2又は主菜2・副菜1)は各自が準備 生かす 家庭実践のために,実習計画の見直し改善を考える。 (課外)弁当の日の実践をする。(家族の一員として) 栄養バランス弁当とは,1食分の目安エネルギー量と同じ数値の容量のお弁当箱に,ごはんとおかずを主食3,副菜2,主菜1の割合になるように詰めると,量と内容のバランスがとれます。 例 高学年 弁当箱の容量 700ミリリットル ごはんの量 200グラム 弁当の日に子どもたちが作ってきた弁当の写真を掲載 学習してきたことを生かして,栄養バランス弁当を作ることができました。 53頁 事例 地域の特徴を活かした校区での取組み 三苫校区の「三世代ふれあい郷土料理伝承会」  三苫校区は東区の最北端に位置した,海に面した良好な自然環境が豊富な校区です。  近年は,集合住宅を中心とした宅地開発が進んでおり,人口は増加傾向にあります。保育所の整備などにより,若い世帯が居住しやすい環境づくりが進められていることもあり,若い世帯層が多く居住しており,高齢化率は比較的低く,出生率が高いことが特徴の校区です。  三苫校区食生活改善推進員協議会では,新しく転入してきた「若い世帯」と,以前から校区で生活している世帯との交流と食文化の伝承を目的に,「三世代ふれあい郷土料理伝承会」を開催しています。(共催:三苫校区社会福祉協議会)  公民館だよりや口コミでこの「郷土料理伝承会」を知り集まった参加者は,小学生のお子さんと保護者や80歳代のかたまで,世代も三苫校区に住んでいる年月も様々な皆さんです。  この日作った献立は,「博多雑煮」「から揚げ」「酢の物」の3品。  食生活改善推進員が中心に調理の指導を行い,野菜の切り方や魚の下ごしらえ,調味料の準備や味付けなど,子どもも大人も一緒に協力して,料理を作りました。出来上がった料理は,6年生が中心となって配膳しました。  試食の時には,それぞれの出身地の雑煮や食文化について紹介したり,食糧難の時代の話なども出て,子どもにとっても高齢者にとっても,とても楽しいひと時となりました。  参加した小学生からは「自分で作った博多雑煮が美味しかった」,保護者からは「博多雑煮は初めてだが,これからは子どもと作っていきます」といった声が聞かれました。 54頁 資料編  用語集  福岡市食育推進会議条例  福岡市食育推進会議委員名簿  福岡市食育推進計画検討部会委員名簿  第3次福岡市食育推進計画策定過程  「福岡市民の食育に関するアンケート」調査の概要  第3次福岡市食育推進計画策定に係る市民意見募集の概要  食育基本法(概要)  食生活指針 55頁  用語集(50音順に記載) 健康寿命  厚生労働省の定義では,「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」となっており,介護や支援などを受けずに,自立して日常生活を送ることができる期間のことをいう。 健康な食事  日本人の長寿を支える「健康な食事」について,厚生労働省において平成25年6月から「健康な食事」のあり方に関する検討が重ねられ,平成26年10月に検討会報告書として取りまとめられた。この検討会報告書を踏まえ,平成27年9月に「健康な食事」に関する考え方を整理したリーフレットが作成され,その中で「健康な食事」とは,健康な心身の維持・増進に必要とされる栄養バランスを基本とする食生活が,無理なく持続している状態を意味し,その実現においては,主食・主菜・副菜を組み合わせて食べることが重要であることが示された。 こうくう機能  日常生活を営むために不可欠な摂食(食べること)と構音(話すこと)と密接に関連するものであり,寿命の延伸や生活の質に大きく関係している。特に咀嚼(噛み砕くこと)機能の低下は,摂取できる食品の種類に大きな影響を与えていると考えられ,こうくう機能の低下は,虚弱高齢者や要介護高齢者では低栄養を招くリスク要因の一つとなる。 脂肪エネルギー比率  総エネルギー摂取量に占める脂質の割合。日本人の食事摂取基準(2015年版)では,脂質全体の食事摂取基準として,脂質,飽和脂肪酸,n-6系脂肪酸,n-3系脂肪酸について基準を設定している。1歳以上の目標量は,20から30%エネルギー 食育基本法  国民が生涯にわたって健全な心身を培い,豊かな人間性を育むことができるようにするため,食育を総合的,計画的に推進することを目的に,平成17年7月に施行されました。  食育基本法の中で「食育」は,次のように位置づけられている。 まる1 生きる上での基本であって,知育,徳育及び体育の基礎となるべきもの まる2 様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し,健全な食生活を実践することができる人間を育てること 56頁 食塩相当量  食品中のナトリウムの量を食塩の量に換算して示したもの。  日本食品標準成分表等には,ナトリウム量と食塩相当量が記載されているが,ナトリウム量から,以下の式を使って食塩相当量を求めることができる。   食塩相当量(グラム)イコール ナトリウム(ミリグラム)かける 2.54 わる 1000 食事バランスガイド  望ましい食生活についてのメッセージを示した「食生活指針」を具体的な行動に結びつけるものとして,1日に「何を」「どれだけ」食べたらよいかの目安を分かりやすくイラストで示したもの。平成17年6月に厚生労働省と農林水産省の共同により策定された。 食生活改善推進員  福岡市が実施する講座を修了して,食を通じた健康づくりに必要な知識や技術を修得した後,各区に組織された食生活改善推進員協議会に自ら入会して,食生活改善を目的に地域においてボランティア活動を行っている市民。 食品ロス  食べられるのに捨てられてしまう食品のこと。 食料自給率  国内の食料消費が,国産でどの程度賄えているかを示す指標のこと。その示し方については,単純に重量で計算することができる品目別自給率と,食料全体について共通の「ものさし」で単位をそろえることにより計算する総合食料自給率の2種類がある。このうち,総合食料自給率は,熱量で換算するカロリーベースと金額で換算する生産額ベースがある。 生活習慣病  食事や運動・喫煙・飲酒・ストレスなどの生活習慣が深く関与し,発症の原因となる疾患の総称。日本人の三大死因であるがん・脳血管疾患・心疾患,さらに脳血管疾患や心疾患の危険因子となる動脈硬化症・糖尿病・高血圧症・脂質異常症などは,いずれも生活習慣病であるとされている。 57頁 低栄養  健康的に生きるために必要な量の栄養素がとれていない状態。その中でも特に,たんぱく質とエネルギーが十分に取れていない状態のことを「たんぱく質・エネルギー欠乏(症)」といい,血清のアルブミン値が一定以下になっているか,また体重がどれくらいの割合で減少しているかといったことから判断される。 適正体重  体重は,ライフステージをとおして,日本人の主要な生活習慣病や健康状態との関連が強く,肥満は,がん,循環器疾患,糖尿病等の生活習慣病と関連があり,若年女性のやせは,骨量減少,低出生体重児出産のリスク等と関連があることが明らかになっている。健康日本21(第2次)では,肥満度:BMI(Body Mass Index)を用いて判定している。 BMIイコール体重[キログラム]割る(身長[メートル])の2乗により算出 BMI,18.5未満 低体重(やせ) BMI,18.5以上,25未満 普通体重(正常),適正体重者 BMI,25以上 肥満 なかしょく  惣菜店や弁当屋・コンビニエンスストア・スーパーなどでお弁当や惣菜などを購入したり,外食店のデリバリー(宅配・出前)などを利用して,家庭外で商業的に調理・加工されたものを購入して食べる形態の食事のこと。 日本人の食事摂取基準  健康な個人並びに集団を対象として,国民の健康の保持・増進,生活習慣病の予防のために参照するエネルギー及び栄養素の摂取量の基準を示すもの。対象には,高血圧,脂質異常,腎機能低下に関するリスクを有していても自立した日常生活を営んでいる者を含む。策定の対象とするエネルギー及び栄養素は,健康増進法に基づき,厚生労働大臣が定める。 農林漁業の6次産業化  農業を1次産業としてだけではなく,加工などの2次産業,さらにはサービスや販売などの3次産業まで含め,1次から3次まで一体化した産業として農業の可能性を広げようとするものである。  福岡市では,能古島産の甘夏を使用して開発された『ふくおかさんちのお気に入り「甘夏マーマレード」』を学校給食で提供している。 58頁 福岡魚食普及推進協議会  福岡市中央卸売市場鮮魚市場(長浜鮮魚市場)内で,魚食普及のため必要な事業及び福岡市が主催する魚食普及事業へ参加することにより,住民消費生活の向上並びに関係業界の健全な発展を期することを目的としている。  長浜鮮魚市場における卸売業者や仲卸業者,小売・加工業者,関連事業者などの市場関係業者と開設者(福岡市)で組織されている。 メタボリックシンドローム  内臓肥満に高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさり,心臓病や脳卒中などの動脈硬化性疾患をまねきやすい病態のこと。日本では平成20年(2008年)から「特定健診・特定保健指導」の中で,この考え方を取り入れ,内臓脂肪蓄積を診断するために「ウエスト周囲径」の測定が検査項目に加わった。なお特定健診・保健指導では,「内臓脂肪症候群」の名称を用いている。 ライフステージ  人の一生を幼年期・児童期・青年期・壮年期・老年期などと分けたそれぞれの段階のこと。 リスクコミュニケーション  消費者,事業者,行政担当者などの関係者の間で,食の安全に関する情報や意見をお互いに交換し,双方向の対話を図ろうとするもの。 59頁  福岡市食育推進会議条例 福岡市食育推進会議条例 平成18年3月30日 条例第23号 (設置) 第1条 食育基本法(平成17年法律第63号。以下「法」という。)第33条第1項の規定に基づき,福岡市食育推進会議(以下「推進会議」という。)を置く。 (所掌事務) 第2条 推進会議は,次に掲げる事務を行う。 1 法第18条第1項に規定する市町村食育推進計画を作成するとともに,関係機関等と連携し,その実施を推進すること。 2 前号に掲げるもののほか,食育の推進に関する重要事項について審議し,及び食育の推進に関する施策の実施を推進すること。 (組織) 第3条 推進会議は,会長及び委員30人以内をもって組織する。 (会長) 第4条 会長は,市長をもって充てる。 2 会長は,会務を総理し,推進会議を代表する。 3 会長に事故があるとき,又は会長が欠けたときは,会長があらかじめ指名する委員が,その職務を代理する。 (委員) 第5条 委員は,次に掲げる者をもって充てる。  かっこ1 食育に関して十分な知識と経験を有する者のうちから市長が任命する者  かっこ2 ほん市の職員のうちから市長が任命する者  かっこ3 その他市長が適当と認める者のうちから市長が任命する者 2 委員の任期は,2年とする。ただし,補欠の委員の任期は,前任者の残任期間とする。 3 委員は,再任されることができる。 (会議) 第6条 推進会議の会議は,会長が招集し,会長がその議長となる。 2 推進会議は,委員の過半数が出席しなければ,会議を開くことができない。 3  推進会議の議事は,出席した委員の過半数をもって決し,可否同数のときは,議長の決するところによる。 (部会) 第7条 推進会議に,特定の事項について調査し,及び審議させるため,部会を置くことができる。 (関係者の出席) 第8条 推進会議は,必要があると認めるときは,会議に関係者の出席を求め,説明又は意見を聴くことができる。 (庶務) 第9条 推進会議の庶務は,保健福祉局において処理する。 (委任) 第10条 この条例に定めるもののほか,推進会議の運営に関し必要な事項は,規則で定める。  附則  この条例は,平成18年4月1日から施行する。 60頁  福岡市食育推進会議委員名簿 福岡市食育推進会議委員 任期 平成27年2月1日から平成29年1月31日 議会 第1委員会 代表 くまがい 敦子 第2委員会 代表 しらべ たかし 第3委員会 代表 りゅう 康雄 学識経験者 学校法人中村学園大学 学長 甲斐 さとし 公立大学法人福岡女子大学 教授 早渕 仁美 関係団体 一般社団法人福岡市医師会 会長 江頭 啓介 一般社団法人福岡市歯科医師会 会長 くまざわ えいぞう 公益社団法人福岡県栄養士会 会長 おおべ まさよ 福岡県調理師連合会 会長 王 和雄 福岡市農業協同組合 代表理事組合長 おにき 晴人 福岡市食生活改善推進員協議会 会長 味園 弘美 福岡市小学校長会 代表 木村 まなみ 福岡市中学校校長会 代表 増川 郁子 福岡市PTA協議会 会長 ひだか 政治 一般社団法人福岡市保育協会 代表 山下 ひろこ 一般社団法人福岡市私立幼稚園連盟 会長 かきさこ 重正 特定非営利活動法人コンシューマー福岡 理事長 柴富 伸子 公益社団法人福岡市食品衛生協会 会長 南原 茂 地域代表 福岡市公民館館長会 副会長 山本 佑治 福岡市自治協議会等7区会長会 代表 青木 敏文 行政 福岡市 市長 たかしま そういちろう 福岡市 教育長 星子 明夫 福岡市 市民局長 井上 るみ 福岡市 こども未来局長 石橋 正信 福岡市 保健福祉局長 野見山 勤 福岡市 農林水産局長 椋野 清彦 福岡市 区長代表 梶原 信一 61頁  福岡市食育推進計画検討部会委員名簿 福岡市食育推進計画検討部会委員 任期 平成27年10月1日から平成29年1月31日 学識経験者 学校法人中村学園大学 学長 甲斐 さとし(部会長) 関係団体 一般社団法人福岡市歯科医師会 会長 くまざわ えいぞう 公益社団法人福岡県栄養士会 会長 おおべ まさよ 福岡県調理師連合会 会長 王 和雄 福岡市農業協同組合 代表理事組合長 おにき 晴人 福岡市食生活改善推進員協議会 会長 味園 弘美(副部会長) 福岡市PTA協議会 会長 ひだか 政治 一般社団法人福岡市保育協会 代表 山下 ひろこ 一般社団法人福岡市私立幼稚園連盟 会長 かきさこ 重正 特定非営利活動法人コンシューマー福岡 理事長 柴富 伸子 地域代表 福岡市自治協議会等7区会長会 代表 青木 敏文 その他団体 福岡市漁業協同組合 参事 戸田 泰文 福岡商工会議所 産業・経済担当部長 いはら 隆博 福岡市食育推進会議条例施行規則(抜粋) (部会) 第2条 条例第7条の規定に基づき,推進会議に食育推進計画検討部会を置き,食育基本法(平成17年法律第63号)第18条第1項の規定に基づく福岡市食育推進計画の作成及び当該計画の推進に関する事項について調査し,及び審議する。 (部会の委員) 第3条 前条に規定する食育推進計画検討部会(以下「部会」という。)は,推進会議の委員及び部会における調査及び審議のため会長が必要と認める者若干人をもって組織する。 2 部会の委員(以下「部会委員」という。)は,推進会議の会長が推進会議に諮って指名する。 62頁  第3次福岡市食育推進計画策定過程 平成27年9月2日 平成27年度第1回福岡市食育推進会議 第3次福岡市食育推進計画の策定について 食育推進計画検討部会委員の指名 平成27年10月1日 第1回福岡市食育推進計画検討部会 部会長,副部会長の選任 第2次福岡市食育推進計画の評価について 第3次福岡市食育推進計画構成案について 平成27年11月13日 第2回福岡市食育推進計画検討部会 基本目標の目指す姿,具体的な取組みについて 具体的な目標値の項目について 平成27年11月20日から12月14日 市民の食育に関するアンケート調査の実施 平成28年1月15日 第3回福岡市食育推進計画検討部会 市民の食育に関するアンケート調査の結果について 第3次福岡市食育推進計画の素案について 平成28年1月21日 平成27年度第2回福岡市食育推進会議 第3次福岡市食育推進計画案について 平成28年3月7日から4月6日 第3次福岡市食育推進計画策定に係る市民意見募集実施 (パブリック・コメント) 平成28年5月9日 平成28年度福岡市食育推進会議 第3次福岡市食育推進計画案について パブリック・コメントの実施結果について 計画の修正案について 挿入記事,資料編等の全体の調整について 平成28年5月19日 第3次福岡市食育推進計画策定 63頁  「福岡市民の食育に関するアンケート」調査の概要 1.調査の目的   第2次福岡市食育推進計画の最終評価及び第3次計画策定に係る基礎資料とするため。 2.調査設計  調 査 数 18歳以上の市民 3,500人  抽出方法 住民基本台帳より無作為抽出  調査方法 郵送配布−郵送回収  調査期間 平成27年11月20日から平成27年12月7日      (※回収予備期間 平成27年12月14日まで) 3.回収結果  有効回収数 1,609件  有効回収率 46.0%  第3次福岡市食育推進計画策定に係る市民意見募集の概要 1.意見募集期間  平成28年3月7日(月曜日)から4月6日(水曜日)まで 2.実施方法  計画案の公表  第3次福岡市食育推進計画(案)を,情報公開室,情報プラザ,各区役所・出張所,各区保健福祉センター健康課,保健福祉局健康増進課において閲覧・配布するとともに,福岡市ホームページに掲載した。  意見提出の方法  意見提出用紙を第3次福岡市食育推進計画(案)と一緒に配布し,郵送,ファックス,電子メール及び配布場所への持参により提出いただいた。 3.意見の提出状況  意見提出数 13件(個人11名,2団体)  意見件数 35件 64頁  食育基本法(概要) 1.目的(第1条)  食育に関する施策を総合的かつ計画的に推進し,もって現在及び将来にわたる健康で文化的な国民の生活と豊かで活力ある社会の実現に寄与 2.基本理念(第2条から第8条)   まる1 国民の心身の健康の増進と豊かな人間形成   まる2 食に関する感謝の念と理解   まる3 食育推進運動の展開   まる4 子どもの食育における保護者,教育関係者等の役割   まる5 食に関する体験活動と食育推進活動の実践   まる6 伝統的な食文化,環境と調和した生産等への配慮及び農山漁村の活性化と食料自給率の向上への貢献   まる7 食品の安全性の確保等における食育の役割 3.関係者の責務(第9条から第13条)   国,地方公共団体,教育関係者等,農林漁業者等,食品関連事業者等,国民の責務 4.法制上の措置等及び年次報告(第14条・第15条)   政府は,毎年,食育の推進に関して講じた施策に関し,国会に報告書を提出 5.食育推進基本計画等(第16条から第18条)  かっこ1 食育推進会議は,以下の事項について食育推進基本計画を作成   まる1 食育の推進に関する施策についての基本的な方針   まる2 食育の推進の目標に関する事項   まる3 国民等の行う自発的な食育推進活動等の総合的な促進に関する事項 等  かっこ2 都道府県食育推進計画及び市町村食育推進計画の作成努力義務 6.基本的施策(第19条から第25条)   かっこ1 家庭における食育の推進   かっこ2 学校,保育所等における食育の推進   かっこ3 地域における食生活の改善のための取組みの推進   かっこ4 食育推進運動の展開   かっこ5 生産者と消費者との交流の促進,環境と調和のとれた農林漁業の活性化等   かっこ6 食文化の継承のための活動への支援等   かっこ7 食品の安全性,栄養その他の食生活に関する調査,研究,情報の提供及び国際交流の推進 7.食育推進会議等(第26条から第33条)   かっこ1 農林水産省に食育推進会議(会長:農林水産大臣)の設置   かっこ2 都道府県食育推進会議及び市町村食育推進会議を置くことができる 65頁  食生活指針(平成12年3月文部省決定,厚生省決定,農林水産省決定,平成28年6月一部改正) 食事を楽しみましょう。  毎日の食事で,健康寿命をのばしましょう。  おいしい食事を,味わいながらゆっくりよく噛んで食べましょう。  家族の団らんや人との交流を大切に,また,食事づくりに参加しましょう。 1日の食事のリズムから,健やかな生活リズムを。  朝食で,いきいきした1日を始めましょう。  夜食や間食はとりすぎないようにしましょう。  飲酒はほどほどにしましょう。 適度な運動とバランスのよい食事で,適正体重の維持を。  普段から体重を量り,食事量に気をつけましょう。  普段から意識して身体を動かすようにしましょう。  無理な減量はやめましょう。  特に若年女性のやせ,高齢者の低栄養にも気をつけましょう。 主食,主菜,副菜を基本に,食事のバランスを。  多様な食品を組み合わせましょう。  調理方法が偏らないようにしましょう。  手作りと外食や加工食品・調理食品を上手に組み合わせましょう。 ごはんなどの穀類をしっかりと。  穀類を毎食とって,糖質からのエネルギー摂取を適正に保ちましょう。  日本の気候・風土に適している米などの穀類を利用しましょう。 野菜・果物,牛乳・乳製品,豆類,魚なども組み合わせて。  たっぷりの野菜と毎日の果物で,ビタミン,ミネラル,食物繊維をとりましょう。  牛乳・乳製品,緑黄色野菜,豆類,小魚などで,カルシウムを十分にとりましょう。 食塩は控えめに,脂肪は質と量を考えて。  食塩の多い食品や料理を控えめにしましょう。食塩摂取量の目標値は,男性で1日8g未満,女性で7g未満とされています。  動物,植物,魚由来の脂肪をバランスよくとりましょう。  栄養成分表示を見て,食品や外食を選ぶ習慣を身につけましょう。 日本の食文化や地域の産物を活かし,郷土の味の継承を。  「和食」をはじめとした日本の食文化を大切にして,日々の食生活に活かしましょう。  地域の産物や旬の素材を使うとともに,行事食を取り入れながら,自然の恵みや四季の変化を楽しみましょう。  食材に関する知識や調理技術を身につけましょう。  地域や家庭で受け継がれてきた料理や作法を伝えていきましょう。 食料資源を大切に,無駄や廃棄の少ない食生活を。  まだ食べられるのに廃棄されている食品ロスを減らしましょう。  調理や保存を上手にして,食べ残しのない適量を心がけましょう。  賞味期限や消費期限を考えて利用しましょう。 「食」に関する理解を深め,食生活を見直してみましょう。  子供のころから,食生活を大切にしましょう。  家庭や学校,地域で,食品の安全性を含めた「食」に関する知識や理解を深め,望ましい習慣を身につけましょう。  家族や仲間と,食生活を考えたり,話し合ったりしてみましょう。  自分たちの健康目標をつくり,よりよい食生活を目指しましょう。 66頁 第3次福岡市食育推進計画の目指す姿 基本目標1 食を通じた健康づくりをすすめましょう  充実した朝食を毎日食べている  バランスのよい食事をとっている  生活習慣病の予防や改善のために,食生活に気をつけ,実践している  食塩の取り過ぎに気をつけ,実践している  よく噛んで食べている  食の安全に関する正しい知識を持ち,実践している 基本目標2 ふくおかでとれる食材を日々の食事に活かしましょう  福岡産のものを積極的に利用している  農林漁業体験をしたことがある  環境に配慮した食生活を送っている 基本目標3 食を楽しみ,ふくおかの食文化を伝えましょう  家族や仲間と楽しく食事をしている  行事食や郷土料理を取り入れ,次世代に伝えている  食事の基本的マナーが身についている 重点課題1 ライフステージに応じた食育の推進 重点課題2 一人ひとりの実践と,関係団体のネットワークの充実 「第3次福岡市食育推進計画」 平成28年9月 編集・発行 福岡市保健福祉局健康医療部健康増進課 〒810-8620 福岡市中央区天神一丁目8番1号 TEL(092)711-4374 FAX(092)733-5535