令和4年度 基幹センター・区部会活動報告 地域生活支援拠点等の整備 取り組み内容と 取り組みの目的・ねらい 令和4年度の成果 令和5年度の取り組み(予定) 【緊急時の対応】 福岡市を3つのエリアに分けて、以下の取り組みを実施 1)短期入所事業所を個別に訪問して、聞き取り調査を実施 2)生活介護事業所を個別に訪問して、聞き取り調査を実施 3)計画相談支援事業所に対して、実践報告とクライシスプランの啓発の場を設定 緊急時の受け皿の拡充 1)短期入所事業所に対して、課題調査と緊急時対応の啓発 2)生活介護事業所に対して、短期入所開設の促進 3)相談支援事業所に対して、緊急時のプラン作成の促進 *短期入所・生活介護の現状と課題を知れたとともに、緊急時対応に積極的な姿勢がある事業所も把握できた *相談支援事業所に緊急時の対応を想定しておく必要性の理解を深めることができた *認定拠点事業所の増加への取り組み *生活介護事業所、グループホームに対して、短期入所開設の呼びかけ *相談支援事業所に対して、クライシスプランの啓発と委託緊急対応拠点との連携の促進 【専門部会】 「地域生活支援拠点等整備検討部会」において、以下について協議1)認定拠点事業所の要件ならびに登録手続きの流れ 2)協働型相談支援事業所と連携した地域の体制づくりについて *緊急時の受け入れ・対応機能など、地域生活支援拠点等に必要な機能の重層的な整備 *区基幹センターや障がい福祉サービス事業所等との連携強化による地域の体制づくりの推進 認定拠点事業所の登録手続きを令和5年度から開始する *地域生活支援拠点等の機能を担う事業所の届出の周知等 *地域生活支援拠点の整備状況の確認等 相談支援体制の整備状況 取り組み内容と 取り組みの目的・ねらい 令和4年度の成果 令和5年度の取り組み(予定) 【相談窓口との連携】 市内の相談窓口との連携について、以下の取り組みを実施 1)各相談機関と区基幹センターとの連携について、課題や連携の好事例について、区基幹センターにアンケート調査 2)相談窓口間の連携にあり方についての協議の場を設定した。今年度は、地域包括支援センター、生活自立支援センター、家庭児童相談室と協議した 3)ひきこもり成年地域支援センター、思春期ひきこもり地域支援センターワンド、精神保健福祉センターと基幹センターにおいて、ひきこもり支援の連絡会を発足した *相談窓口間の相互理解の促進 *連携における課題の共有と整理 *有機的な連携のあり方の構築 地域包括支援センター、生活自立支援センターはそれぞれ2回ずつ、家庭児童相談室とは所管課と1回の協議の場をもった。現状での課題の共有し、相談窓口機能のお互いの理解を深めることができた *今年度、協議を開始した相談窓口との協議を継続 *こども総合相談センターえがお館、成年後見推進センター、発達障がい者支援センター等の他の相談窓口との協議の場を設定 *ひきこもり連絡会の継続実施 福岡市の地域課題 取り組み内容 取り組みの目的・ねらい 成果 【博多区・城南区・早良区】 サービス提供事業者に対して、福岡市の地域課題を共有する場、地域課題に対して他事業所の取り組み等を知る機会、事業所同士が繋がる場の設定 1)障がい福祉に携わる支援者の顔の見える関係づくり 2)福岡市の地域課題の共有 3)課題解決に繋がる取組や意見の抽出を行う *福岡市の地域課題の共有に繋がった *障がい者地域生活支援協議会や区部会の活動について理解を広めて、地域課題について考えるきっかけの場となった 【東区】 区全体ではなく、細分化した「地域」単位でのネットワークを構築して、「地域」の特性を理解や、事業所ごとの特色を共有する場の設定(東区BASEネット) 1)「地域」での横の繋がりを強化し、地域の中での支援をスムーズに動けるよう連携を図る。 2)「地域」の特徴やインフォーマル資源の情報を含めた社会資源を理解し、ニーズに合わせたより良い福祉サービスの提供や支援を多方面から行えるようにする。 *顔を合わせて話し合うことで今後の連携がやりやすくなった。 *地域においての知らない社会資源を共有でき、支援の幅が広がった。 *一人で悩んでいた困難ケースが解決できた。 1 本人に困り感がなく、相談支援の介入が難しい。必要な医療や障がい福祉サービスの拒否があるため、生活の質の改善につながらない 取り組み内容 取り組みの目的・ねらい 成果 区基幹相談支援センターの役割や機能について啓発を実施 1)区民児協、校区民児協への参加と啓発(出前講座等) 2)広報誌の発行 1)地域の民生児童委員との連携を強化し、気兼ねなく相談できる顔の見える関係性づくり 2)障がいと区基幹相談支援センターの理解と啓発 民生児童委員より相談を受けることが増えた。相談ケースの掘り起こしのみならず、地域住民と連携した災害時も含めた地域生活支援体制の構築につなげたい 2 家族が高齢、または障がいがあり(見立て含む)、家族まるごとの支援が必要。生活困窮を含む複合的な問題がみられ、様々な立場の支援機関が関わるが、効果的な連携と支援の構築が難しい 取り組み内容 取り組みの目的・ねらい 成果 【博多区】 1)地域包括支援センターと相談支援事業所のネットワークの場づくり、地域の活動(民児協、ふれあい活動、圏域会議)に参加し、広報活動と地域と顔の見える関係性づくり 2)社会福祉協議会、スクールソーシャルワーカーとの意見交換の場づくり 3)相談支援事業所と地域包括支援センターで、事例を基にグループワークを行い、多問題家族の支援について検討 1)地域での見守りを含めた協力関係を築く 2)世帯まるごと支援が必要なケースにおける、分野を越えた多職種との連携体制づくりを行う 3)相談支援事業所の相談員と地域包括支援センターとの顔の見える関係をつくることで、今後の連携強化を図る *高齢分野、地域包括支援センター、民生委員、スクールソーシャルワーカーからの相談が増え、連携する機会が増えている *相談支援事業所と地域包括支援センターの繋がりをつくる機会となり、お互いの業務について知る場となった 【博多区・中央区・早良区】 子どもの支援に関わる機関(福祉、教育)を中心としたネットワークづくり 教育や福祉など子どもに関わる支援者が集い、地域課題の解決に向けて取り組めることを検討する場とする *多業種、学校が参加して、幅広く交流ができた *事例を通して、お互いの事業所の対応を知り、必要だと思われる社会資源について意見交換できた 3 障がいの特性や状況に対応できる社会資源や支援者が不足しており、サービスに繋がりにくい。または、サービスに繋がっても継続が難しい 取り組み内容 取り組みの目的・ねらい 成果 【東区】 精神保健福祉に携わる関係機関のネットワークを健康課と共催し、支援において課題となりやすいテーマを取り扱い、専門職による講話とグループワークを行う場の設定 「地域づくり」を目的に、精神保健福祉に携わる関係機関を中心とした顔の見える関係を深めて、知識やスキルの獲得とともに支援機関同士が互いの役割や強みを理解するためのネットワークの場とする *弁護士や医師の講話により、法律や医療等に関する社会資源や制度の知識、多角的な視点の獲得に繋がった *グループワークでは、事例検討やアプローチについて、多職種連携を基盤に考えることができた。 【東区】 区部会にて、日中活動後の居場所について、課題の整理と望まれる社会資源について検討した 日中活動後の居場所について、その課題を検討して、地域課題として整理する 区部会で整理したものを事務局合同会議に諮り、本協議会の地域課題として報告した(別添資料6参照) 4 障がい者の在宅生活支援で必要となる支援が現状のサービスでは不足している。また、ゴミ屋敷状態やペット飼育について問題を抱えている等、複合的な課題が生じ支援が難しい 取り組み内容 取り組みの目的・ねらい 成果 【博多区】 既存の短期入所事業所、短期入所立ち上げに関心のある生活介護事業所・放課後等デイサービスを対象に短期入所事業を学ぶ研修会を実施 1)短期入所事業を行う事業所が増え、自事業所の対象児者の受け止めができ、緊急時の行き先が見つかりにくい状態を減らす 2)既存の短期入所事業所が他の事業所のことをしり、自事業の活性化につなげる 放課後等デイサービスが短期入所への関心が高いことや、実際の支援、運営面を知りたいというニーズを把握できた 【西区】 相談支援事業所を対象に、住まいの支援について、事例を基にグループワークを行い、参加者間でアセスメントのポイントや支援の組み立てを行った ライフステージや状況変化で住まいの変更・確保をする場合に、適切な支援を行えるようにすることを目的に、住まいの支援に必要なアセスメントについて検討する アセスメントのポイントや支援の組み立て方法の確認・共有ができた 5 障がいへの誤解や偏見などから、権利が守られず、差別を受け、生きづらさを解消しにくい 取り組み内容 取り組みの目的・ねらい 成果 【専門部会】 3/15「障がい者虐待対応に関する専門部会」を開催 障がい者虐待対応に関する関係機関・民間団体等との連携協力体制の整備を行うとともに、障がい者虐待対応時の実務的な課題等について協議する 【南区】 1)相談事業所に対して、弁護士を講師とした成年後見制度の学習会、福岡市成年後見推進センターの啓発等を実施 2)サービス提供事業者、特別支援学校、医療機関等を対象に、「意思決定を支える支援」をテーマに研修会を実施 1)成年後見制度について学ぶ事で、利用者の権利擁護の支援を拡充する 2)医療、教育、障がい福祉分野等における意思決定支援についての理解を深める *権利擁護の視点を持った相談支援の拡充につながった *支援を振り返る機会となり、意思決定を尊重する視点に気づきを持つことで、権利擁護の意識が高まった 6 精神障がい者の地域移行支援において、居住の場の確保が難しい。また、地域生活の体験の場や特性に対応できるサービスが不足している 取り組み内容 取り組みの目的・ねらい 成果 【専門部会】 「精神障がいに対応した地域包括ケアシステム検討部会」にて、「入退院時の切れ目のない支援」の実現に向けて、取り組む内容を協議する。また、市民向け(民生委員対象)研修会を実施し、啓発を行った。 精神障がい者が、地域の一員として自分らしい暮らしをすることができるよう、「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」の構築に向けた検討を行う。 「入退院時の切れ目のない支援」の実現のため、令和5年度に取り組む内容を決定した。 【東区】 精神保健福祉に携わる関係機関のネットワークにおいて、依存症専門の看護師による講話とグループワークを行い、依存症の支援について検討する場の設定 依存症とその支援において、知識やスキルの獲得とともに支援機関同士が互いの役割や強みを理解する 実際の支援を想定した事例検討を行い、多職種連携を基盤にアプローチを考えることができた。 【西区】 相談支援事業所と医療機関に対して、精神障がい等にも対応した地域包括ケアシステムを周知し、実際に病院と連携した事例をとおして、医療従事者と相談支援専門員でお互いの理解や連携を検討する機会の場を設定 1)精神障がい等にも対応した地域包括ケアシステムの周知 2)医療と福祉とのスムーズな連携に繋げる 3)行政と共催し、行政と福祉・医療の連携を深める 4)緊急対応拠点について、理解を深める *地域包括ケアシステムへの理解が深まった。 *医療と福祉の連携の好事例をもとに、お互いの役割や相談しあえることを確認でき、医療機関と相談支援との繋がりをつくる場となった 【西区】 グループホームなどの居住系の支援を行う事業者を対象に、事業所の特色や取り組みについての情報共有を行う場の設定 1)地域生活のための体験の機会をつくる。 2)事業所の特色・支援内容を知り、対象者に合った住まい確保に活用する。 3)グループホーム見学時に使用するチェックリストの周知 *事業所の特色・支援内容をもとに対象者へ見学・体験の機会をつくった。 *グループホームに入居するイメージづくり・対象者に合った住まい探しに役立てた 7 発達障がいの特性に対応できる事業所が少ない。また、特性に合った支援を受けられず、生活の中で適応が難しいことが多い 取り組み内容 取り組みの目的・ねらい 成果 【博多区・西区・早良区】 発達障害の基礎知識と特性を関係機関が学ぶ研修、行動分析を用いた発達障害の子どもの支援の研修、学校での保育所等訪問支援の活用の研修会を開催 1)発達障害のある方の支援者の技術力向上 2)多職種と顔の見える関係づくりを行い、支援に活かす *発達障害の特性理解の促進、アセスメントや記録の取り方など技術力の向上に繋がった *分野を越えた支援者の相互理解を深め、連携につなげる関係づくりが行えた 8 強度行動障がい者の受入先を見つけることが極めて困難であり、安定した生活を築きにくい 取り組み内容 取り組みの目的・ねらい 成果 【西区】 区部会にて、強度行動障害の支援および緊急時の対応について、課題の整理と望まれる社会資源について検討した 強度行動障害の支援および緊急時の対応について、その課題を検討して、地域課題として整理する 区部会で整理したものを事務局合同会議に諮り、本協議会の地域課題として報告した(別添資料6参照) 9 身体障がい者の就労先、日中活動の場が少ない 取り組み内容 取り組みの目的・ねらい 成果 【西区】 特別支援学校の現状と課題についての説明と日中活動系(生活介護・短期入所・日中一時)の情報交換会の実施 1)日中活動系にて横のつながり・顔の見える関係づくり 2)特別支援学校の児童、生徒の在学数や障がい状況、課題を共有し、地域課題として考える機会にする 車いす対応、医療的ケアを対応できる事業所が少ない現状、設備面の問題、看護師の確保、人手不足などの課題を知ってもらうことができた 10 身体障がい者、精神障がい者の外出や通院について、福祉サービス体制が十分に整っていない 11 医療ニーズが高いが、サービスの対象要件を満たさず希望する支援を受けられない。また、重症心身障がい者や医療的ケアに対応できる短期入所やグループホームが少なく、家族の負担が大きい 取り組み内容 取り組みの目的・ねらい 成果 【東区・博多区】 サービス提供事業者や医療機関等、医療的ケアの支援に携わる機関が定期的に集まり、協議・検討する場づくり(東・博多 重心・医ケアネット) 医療的ケアの必要な障がい児者の地域や事業所での課題や情報を共有する 参加事業所から意見・課題を集約でき、多くの事業所が情報や連携を求めていることが把握できた。今後は、会議を定例化して、啓発および人材確保・育成を図る 【西区】 令和3年度から継続して、区部会にて、医ケアの課題整理と望まれる社会資源について検討した 医ケアについて、その課題を検討して、地域課題として整理する 区部会で整理したものを事務局合同会議に諮り、本協議会の地域課題として報告した(別添資料6参照) 12 ひきこもりの状態で、対人関係や外出に不安を抱え、障がい受容が難しい場合、医療機関や福祉サービスにつなげることができない。また、障がい疑い・障がい者手帳未所持の方への介入が難しい 取り組み内容 取り組みの目的・ねらい 成果 【博多区】 地域包括支援センターと相談支援事業所のネットワークの場づくり、地域の活動(民児協、ふれあい活動、圏域会議)に参加し、広報活動と地域と顔の見える関係性づくり 高齢者と同居しているひきこもり状態にある障がい者の発見につなげる *高齢との連携が強化され、地域包括支援センターからの相談が増え、連携する機会が増えている *地域包括支援センター内研修会の講師依頼あり、相互理解の場が増えた 【早良区】 区部会にて、ひきこもりの支援に関する課題整理と望まれる社会資源について検討した ひきこもりの支援について、その課題を検討して、地域課題として整理する 区部会で整理して、合意形成を得た。 次年度、事務局合同会議に諮り、本協議会の地域課題として報告する予定 13 罪を犯した障がい者への支援に対応する関係機関が少ない 取り組み内容 取り組みの目的・ねらい 成果 【専門部会】 「触法障がい者部会」にて、以下の検討を行った。 1)住まい(グループホーム)や金銭面の支援について、わかりやすい説明ができるツールづくり 2)触法障がい者スキームの事例検証。福祉につながったケースのポイントや望まれる連携について協議 3)令和5年度以降の部会の検討内容と委員について検討 1)留置中に福祉の支援を受けることへの理解・イメージがある人が福祉につながりやすい傾向があるため、本人にとってわかりやすいツールをつくる 2)触法障がい者スキームの事例から、釈放後等に福祉につながる要因を検証する *住まい(グループホーム)や金銭面の支援について、その説明ツールを作成できた *触法障がい者スキームに関わった区基幹センターもオブザーバー参加して、支援のポイントや望まれる連携について部会内で共有できた 14 日常的な金銭管理を必要としている障がい者は多いが、支援機関が不足し、支援体制も十分整っていない 取り組み内容 取り組みの目的・ねらい 成果 【博多区】 相談支援ネットワークにて、「自立生活援助」の勉強会を開催 金銭管理を含めた随時対応できる支援機関を増やす 参加事業所が多く、関心の高さを改めて感じた 15 異性関係や性への理解が難しいことで、想定外の妊娠・中絶、育児に対応できずに虐待につながるケースがある。売春、DVなど触法領域に及ぶ課題がみられる 16 本人あるいは家族の性格や気性、障がい特性上、対応が難しく、引き受けられる障がい福祉サービス事業所や医療機関が見つからない。また、支援者の精神的負担が大きく、支援の継続が難しい 取り組み内容 取り組みの目的・ねらい 成果 【南区】 居宅介護事業所を対象に、アンガーマネジメントの研修会を開催 支援者の怒りのコントロールやメンタルケアに役立てる 支援者のメンタルケアや利用者の対応技術の向上、横のつながりをつくることができた 17 災害時、パンデミック状況下で、避難・安全確保が困難である。また、収束後においても影響が大きい 取り組み内容 取り組みの目的・ねらい 成果 【西区】 避難、ハザードマップ、福祉避難所、避難行動要支援者名簿、実際の取り組み、個別避難計画書の紹介など、障害者支援に関わる職員に、防災に関する取り組みと情報を周知する場を設定 一人一人が災害対策を考え、防災の意識をもつとともに、災害時の行動を考える 1)福祉職員の防災の意識を高める 2)福祉職員が障がい者とともに防災について一緒に考え、個別支援計画等の作成に取り組めるようになる。 3)災害時に備え、地域との関わりを意識して行動する 福祉職員に対して、防災および非難の情報や取り組みに対する理解が深まった。 今後も個別避難計画書作成の実践研修、福祉避難所の現状確認(医ケアや障害特性から配慮が必要な方を含む)を行っていく。