○福岡市特定調達契約に係る苦情の処理手続に関する要綱

平成27年2月26日

/告示/水道局告示/交通局告示/第1号

福岡市特定調達契約に係る苦情の処理手続に関する要綱(平成8年/福岡市/福岡市水道局/福岡市交通局/告示第1号)の全部を改正する。

(趣旨)

第1条 この要綱は、地方公共団体の物品等又は特定役務の調達手続の特例を定める政令(平成7年政令第372号)第1条に規定する1994年4月15日マラケシュで作成された政府調達に関する協定、2012年3月30日ジュネーブで作成された政府調達に関する協定を改正する議定書その他の国際約束(以下「協定等」という。)の規定が適用される本市の契約機関(市長、水道事業管理者及び交通事業管理者をいう。以下同じ。)が行う調達契約(以下「特定調達契約」という。)に係る苦情(協定等に対する違反に関するものに限る。以下「苦情」という。)の処理手続について必要な事項を定めるものとする。

(苦情を申し立てることができる者等)

第2条 次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者(以下「当事者」という。)は、福岡市公正入札監視委員会設置要綱(平成13年7月24日助役決裁)の規定により設置された福岡市公正入札監視委員会(以下「委員会」という。)に苦情を申し立てることができる。

(1) 特定調達契約が一般競争入札又は公募型指名競争入札により行われる場合 次に掲げる者

 競争入札有資格者名簿への登載に関する苦情については、当該名簿への登載に係る申請を行った者

 入札参加資格の確認に関する苦情については、入札参加資格の確認の申請を行った者

 入札参加資格の確認を除く入札の手続に関する苦情については、当該入札への参加を認められた者

 入札の結果に関する苦情については、当該入札を行った者

(2) 特定調達契約が随意契約(公募型プロポーザル方式により契約の相手方の選定が行われるものに限る。)により行われる場合 次に掲げる者

 競争入札有資格者名簿への登載に関する苦情については、当該名簿への登載に係る申請を行った者

 競争参加資格の確認に関する苦情については、競争参加資格の確認の申請を行った者

 競争参加資格の確認を除く公募型プロポーザル方式の手続に関する苦情については、当該競争への参加を認められた者

 評価結果に関する苦情については、提案書を提出した者

(3) 特定調達契約が随意契約(公募型プロポーザル方式により契約の相手方の選定が行われるものを除く。)により行われる場合 当該契約について利害関係を有すると認められる者

(4) 前3号に掲げる場合以外の場合 協定等の趣旨に鑑み、保護に値する利益が侵害されたと委員会が認める者

2 前項の規定による苦情申立て(以下「苦情申立て」という。)を行おうとする者は、苦情申立てを行う前に、契約機関との間で苦情の解決に向けての協議(以下「任意協議」という。)を行うよう努めなければならない。

3 契約機関は、任意協議の申出があった場合には、当該申出を行った者と速やかに協議を行い、苦情を解決するよう努めなければならない。

4 任意協議は、任意協議の申出を行った者及び契約機関のいずれからも、書面による通知をもって打ち切ることができる。

5 任意協議を行っている間は、苦情申立てを行うことができない。

(苦情申立期間)

第3条 苦情申立ては、当事者が苦情の原因となる事実を知った日又は合理的に知り得た日から起算して10日を経過する日までに書面により行われなければならない。

2 任意協議の終了の結果、苦情が解決に至らなかった場合には、任意協議に要した期間は前項の規定する期間(以下「苦情申立期間」という。)から除外する。

3 苦情申立ての書類(以下「苦情申立書」という。)が郵便又は信書便により提出された場合には、その郵便物又は信書便物の通信日付印により表示された日(その表示がないとき又はその表示が明瞭でないときは、その郵便物又は信書便物について通常要する送付日数を基準とした場合にその日に相当するものと認められる日)にその提出がされたものとみなす。

4 契約機関が誤って苦情申立期間よりも長い期間を苦情を申し立てることができる期間として教示した場合であって、その教示された期間内に苦情申立てがされたときは、当該苦情は、苦情申立期間内に申し立てられたものとみなす。

5 苦情申立ては、委員会に書面を提出することにより、いつでも取り下げることができる。

(補正)

第4条 委員会は、苦情申立書に不備があると認めるときは、当該苦情を申し立てた者(以下「苦情申立人」という。)に対し、その補正を求めることができる。この場合において、不備が軽微なものであるときは、委員会の委員長は職権で補正することができる。

(苦情申立書の写しの送付)

第5条 委員会は、苦情申立てのあった後、直ちに苦情申立書の写しを契約機関に送付するものとする。

(苦情申立ての検討の決定等)

第6条 委員会は、原則として、苦情申立てのあった日の翌日から起算して10日(福岡市の休日を定める条例(平成2年福岡市条例第52号)第1条第1項に規定する本市の休日(以下「休日」という。)を除く。)を経過する日までに、当該苦情申立てについての検討を行うか否かを決定し、検討を行う場合にあっては当該苦情申立てを受理し、検討を行わない場合にあっては書面により理由を付して当該苦情申立てを却下するものとする。

2 前項の規定による却下は、当該苦情申立てが次に掲げるものである場合に限りすることができる。

(1) 正当な理由がなく苦情申立期間を過ぎて行われた苦情申立て

(2) 協定等に関係がないと認められる苦情に係る苦情申立て

(3) 当事者以外の者が行った苦情申立て

(4) 前3号に掲げるもののほか、委員会による検討が適当でないと認める苦情申立て

3 契約機関は、苦情申立てが却下されるべきものと判断する場合には、委員会に対し、書面により理由を付して却下すべき旨を申し出ることができる。

4 委員会は、苦情申立てを受理した場合には、苦情申立人及び契約機関に対し、直ちに苦情申立てを受理した旨を書面により通知するとともに、委員長の定めるところにより公示を行うものとする。

(契約締結又は契約執行の停止)

第7条 委員会は、苦情申立てが特定調達契約の締結の前になされたものであるときは、契約機関に対し、委員会における苦情申立てについての検討の手続(以下「苦情検討手続」という。)が終了するまでの間、特定調達契約の締結を停止する旨の要請を、原則として苦情申立てのあった日の翌日から起算して12日(休日を除く。)を経過する日までに速やかに書面により行うものとする。この場合において、既に特定調達契約の締結がなされたときは、特定調達契約の執行を停止する旨の要請を行うものとする。

2 委員会は、苦情申立てが特定調達契約の締結の日の翌日から起算して10日を経過する日までになされたものであるときは、契約機関に対し、苦情検討手続が終了するまでの間、特定調達契約の執行を停止する旨の要請を速やかに書面により行うものとする。

3 委員会は、緊急かつやむを得ない状況にあるため、前2項の要請を行わないと決定した場合には、直ちに、苦情申立人に対し、要請を行わない旨及びその理由を書面により通知するものとする。

4 契約機関は、第1項又は第2項の要請を受けた場合には、速やかに、これに従うものとする。ただし、緊急かつやむを得ない状況により、当該要請に従うことができないと判断する場合には、この限りでない。

5 前項ただし書の場合には、契約機関は、直ちに、委員会に対し、要請に従うことができない旨及びその理由を書面により通知しなければならない。

6 委員会は、前項の規定による通知を受けた場合には、直ちに苦情申立人に対し当該通知の写しを送付するとともに、速やかに契約機関が要請に従うことができない理由が認めるに足りるものかどうかを判断し、苦情申立人及び契約機関に対し、その結果を書面により通知するものとする。

(参加の申出)

第8条 第6条第4項の規定による公示があったときは、当該公示に係る特定調達契約について利害関係を有する当事者は、当該苦情検討手続に参加することを申し出ることができる。

2 前項の規定による申出は、第6条第4項の規定による公示の日の翌日から起算して5日を経過する日までに参加の趣旨及び理由を明らかにした書面を委員会に提出することにより行わなければならない。

3 第1項の規定による申出は、委員会に書面を提出することにより、いつでも取り下げることができる。

(報告書及び意見書の提出)

第9条 契約機関は、苦情申立てが委員会に受理された場合には、苦情申立書の写しが契約機関に送付された後、その翌日から起算して14日を経過する日までに当該苦情申立てに関する報告書を委員会に提出するものとする。

2 前項の報告書は、次に掲げる事項を含むものとする。

(1) 苦情申立てに係る特定調達契約に関する入札説明書、仕様書その他契約に関する書類

(2) 苦情事項及びこれに関連する事実に関する説明文

(3) 苦情を解決するために必要となり得る事項又は情報

(4) 前3号に掲げるもののほか、委員会が必要と認める事項

3 委員会は、第1項の報告書の提出があったときは、直ちにその写しを苦情申立人及び前条第1項の規定による申出を行った者(以下「参加人」という。)に送付するものとする。

4 苦情申立人及び参加人は、前項の規定による報告書の写しの送付があったときは、その翌日から起算して7日を経過する日までに当該苦情申立てに関する意見書を委員会に提出することができる。

5 委員会は、前項の規定による意見書の提出があったときは、直ちにその写しを契約機関に送付するものとする。

6 委員会は、当該特定調達契約に利害関係を有すると認められる者の同意があった場合を除き、当該者の秘密に属する製造過程、知的財産その他当該者が提出した営業上の情報を第三者に開示してはならない。

(苦情の検討)

第10条 委員会は、苦情申立人及び契約機関に対し説明、主張、文書の提出等を求め、これに基づき苦情申立てについての検討を行うものとする。

2 契約機関は、公共の利益を害し、又は公務の遂行に著しい支障を生じるおそれのある場合であると委員会が判断する場合を除き、前項の規定による求めを拒むことができない。

3 委員会は、説明、主張、文書の提出等が公共の利益を害し、又は公務の遂行に著しい支障を生じるおそれのある場合に該当するものであるかどうかの判断をするため必要があると認めるときは、契約機関に当該判断に必要な説明、主張、文書の提示等をさせることができる。この場合においては、何人も、その説明、主張、文書等の公開を求めることができない。

4 委員会は、苦情申立てに係る特定調達契約に関して裁判所に対し訴えが提起された場合においても、この要綱に定めるところにより苦情申立てについての検討を行うものとする。

5 苦情申立人、参加人及び契約機関は、委員会の会議に出席して意見を述べることができる。

6 苦情申立人、参加人及び契約機関は、弁護士、弁護士法人又は委員会の承認を得た者を代理人とすることができる。

7 前項の承認は、いつでも取り消すことができる。

8 代理人の権限は、書面をもって証明しなければならない。

9 弁護士又は弁護士法人である代理人の権限を証明する前項の書面には、代理人の所属する弁護士会の名称及び代理人の事務所を記載しなければならない。

10 弁護士又は弁護士法人以外の者を代理人とすることにつき第6項の承認を求める場合には、その者の氏名、住所、職業、承認を求める者との関係その他代理人として適当であるか否かを知るに足る事項を記載した書面をもってしなければならない。

11 代理人が2人以上あるときは、各人が本人を代理する。

12 苦情申立人、参加人、契約機関及び代理人は、委員会の承認を得て、補佐人とともに委員会の会議に出席することができる。

13 前項の承認は、いつでも取り消すことができる。

14 第12項の承認を求める場合には、その者の氏名、住所、職業、承認を求める者との関係その他補佐人として適当であるか否かを知るに足る事項を記載した書面をもってしなければならない。

15 苦情申立人、参加人及び契約機関は、委員会の会議における互いの陳述を傍聴することができる。ただし、委員会が適当でないと認めるときは、この限りでない。

16 委員会は、職権で、適当と認める者に、証人又は参考人としてその知っている事実又は専門的な知識について陳述することを求めることができる。この場合において、当該特定調達契約について実質的な利害関係を有すると認められる者は、参考人となることができない。

17 苦情申立人、参加人及び契約機関は、委員会の会議において自らが行う意見若しくは報告の陳述を公開で行うこと又は証人の出席を求めることができる。

18 委員会は、前項の規定による要求があったときは、原則として当該要求に応じるものとする。ただし、意見若しくは報告の陳述又は証人の出席は、苦情申立人、参加人、契約機関その他の当該特定調達契約に利害関係を有すると認められる者の秘密に属する製造過程、知的財産その他当該者が提出した営業上の情報の保護に配慮されたものでなければならない。

19 委員会は、苦情申立人若しくは契約機関の申立てにより、又は職権で、苦情申立ての内容について公聴会を開催することができる。

(検討の結果の報告及び提案)

第11条 委員会は、苦情申立ての日の翌日から起算して90日(工事並びに工事の設計及びコンサルティング業務に係る苦情申立てについては、50日)を経過する日までに委員会における検討の結果についての報告書を作成するものとする。

2 委員会は、苦情申立てに係る特定調達契約の手続が協定等の規定に違反していると認めるときは、前項の報告書に併せて、違反の是正のために必要と認められる措置についての提案を記載した提案書を作成するものとする。

3 委員会は、第1項の報告書又は前項の提案書を作成するに当たっては、次に掲げる事項を考慮するものとする。

(1) 特定調達契約の手続における瑕疵の程度

(2) 全部又は一部の当事者に与えた不利益な影響の程度

(3) 協定等の趣旨の阻害の程度

(4) 特定調達契約の履行の程度

(5) 特定調達契約の緊急性及び契約機関の業務に対する影響

(6) 前各号に掲げるもののほか、特定調達契約に関する状況

4 委員会の委員が少数意見の公表を求めた場合には、委員会は少数意見を報告書に付記することができる。

5 委員会は、第1項の報告書又は第2項の提案書を作成したときは、直ちにこれらを苦情申立人及び契約機関並びに参加人に送付するものとする。

6 契約機関は、原則として委員会の提案に従うものとする。ただし、当該提案に従うことができない場合において、当該提案書の送付があった日の翌日から起算して10日(工事並びに工事の設計及びコンサルティング業務に係る苦情申立てについては、60日)を経過する日までに、理由を付してその旨を書面により委員会に通知したときは、この限りでない。

7 委員会は、検討の結果及び提案の内容に関する照会に応じるものとする。

8 委員会は、苦情申立てについての検討を行うに当たり、当該苦情申立てに係る特定調達契約に関して法律に違反する不正又は行為の証拠を発見したときは、適当な執行当局に通報するものとする。

(迅速処理)

第12条 委員会は、苦情申立人又は契約機関から書面により苦情検討手続の迅速な処理の要請があった場合において必要があると認めるときは、第9条第1項及び第4項並びに前条第1項の規定にかかわらず、次に定めるところによる迅速な処理(以下「迅速処理」という。)を行うことができる。

(1) 第9条第1項の報告書は、次項の規定による通知があった日の翌日から起算して6日(休日を除く。)を経過する日までに提出するものとする。

(2) 第9条第4項の意見書は、同条第3項の規定による送付があった日の翌日から起算して5日を経過する日までに提出するものとする。

(3) 前条第1項の報告書又は同条第2項の提案書は、当該苦情申立ての日の翌日から起算して45日(工事、工事の設計及びコンサルティング業務並びに電気通信機器及び医療技術製品並びにこれらに係る役務の提供に係る苦情の申立てについては、25日)を経過する日までに作成するものとする。

2 委員会は、迅速処理を行うことを決定したときは、直ちにその旨を苦情申立人及び契約機関並びに参加人に通知するものとする。

(苦情申立て及び処理の状況の公表)

第13条 市長は、苦情申立て及びその処理の状況の概要について定期的に公表するものとする。

(期間の計算)

第14条 この要綱に定める処理手続において、期間の末日が休日に当たるときは、期間はその翌日に満了するものとする。

(施行期日)

1 この要綱は、公布の日から施行する。

(適用区分)

2 この要綱の規定は、この要綱の施行の日以後に入札の公告、入札参加者の指名その他の契約の申込みの誘引(以下「契約の誘引」という。)を行う特定調達契約に係る苦情申立てについて適用し、同日前に契約の誘引を行う特定調達契約については、なお従前の例による。

福岡市特定調達契約に係る苦情の処理手続に関する要綱

平成27年2月26日 告示第1号/水道局告示第1号/交通局告示第1号

(平成27年2月26日施行)