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更新日: 2009年7月3日

鶴原雁林とキツネの恩返し


 鶴原家は、代々内科の福岡藩医です。鶴原家は代々雁林(がんりん)を名乗っていますので、どの時代かは不明ですが、ある夜、福岡藩家老の屋敷まで往診に行ったところ、池のそばで1匹のキツネが松の木に縛られていました。


 家老に聞くと、キツネが池の鯉を盗みにくるので、捕らえて殺そうとしているとのことでした。雁林は哀れに思い「キツネの生き肝は良薬になりますから」と下げ渡してもらい、我が家に連れて帰り「これからは侍屋敷に近づくな。山に帰り、山で食べ物を探せ」と懇々と諭して放してやりました。


 その後雁林は、京に遊学の際、途中で病に倒れて高熱を発しますが、美しい娘の手厚い看護により、すっかり回復しました。雁林は礼を述べて身分を尋ねましたが、身分を明かさないままそこで別れます。


 寝床にキツネの毛が落ちていたので、あの時のキツネが助けてくれたものと思い、福岡に帰ってから雁林は、庭に祠(ほこら)を建て、毎日、赤飯と油揚げを供えました。


 これには後日談があります。宝暦3年(1753年)、宝暦の大火の時、浜町から出火した火事は、大名町から土手町を焼き尽くし、雁林町へ燃え移ろうとした時に1匹の白キツネが現れて、大きなしっぽを一振りすると火勢は衰え、雁林家は類焼を免れたということです。これもキツネの報恩でしょう。


 先生の屋敷があった雁林町は現在の大名一丁目、二丁目界隈です。 
キツネの恩返し

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